2024年、ル・マン24時間を含むWEC世界耐久選手権と、ELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズには、これまでのGTEに代わって『LMGT3』クラスが新設される。GT3規程の車両が参加可能となる同クラスだが、ACOフランス西部自動車クラブはこれらのクラスをWECに参戦が許されたマニュファクチャラーのみで構成する予定で、それ以外のGT3メーカーのル・マンへの追加エントリー、およびELMSへの参戦を禁止する方針を明らかにした。
ル・マン24時間レースを主催し、WECの共同プロモーターでもあるACOのピエール・フィヨン会長が表明したこの方針では、現在提案されているいくつかのLMGT3プログラムが危機にさらされることになる。
2024年の年間エントリー台数は『37』に制限へ。ハイパーカー19台、LMGT3は9メーカー18台か
「もしそのブランドがWECに参戦しているのであれば、それは問題ない。しかし、たとえばマクラーレンがWECに出場していないとしたら、彼らはELMS(あるいはル・マン)には出場できないのだ」とフィヨンは2023年最終戦バーレーンの週末、記者団に対し語った。
FIAとACOは、どのGT3マニュファクチャラーが2024年のWECに参戦できるのかをまだ明らかにしていないが、予想される37台というグリッド数に基づくと、9つのブランドが参戦することになりそうだ。しかしフィヨンもFIA耐久委員長のリシャール・ミルも、当初の計画どおり1社あたり2台にとどまると述べた以外は、正確な台数については明らかにしなかった。
BMW、コルベット(キャデラック)、フェラーリ、ランボルギーニ、レクサス(トヨタ)、ポルシェは、ハイパーカークラスへのエントリーを通じてLMGT3の優先権を行使すると見られる。また、シリーズにおける長年の存在感と、今後のヴァルキリーによるハイパーカーの計画を考慮すると、アストンマーティンのLMGT3参戦も濃厚だ。
これにより、カスタマーチームと契約を結んでいるアウディ、フォード、マクラーレン、メルセデスAMGの4メーカーが、最後の2枠を争うことになる。なお、予想されるLMGT3エントリーに備え、ポルティマオで行われた最近のグッドイヤーのタイヤテストには、メルセデスAMGを除くすべてのチームが参加していた。
ACOが明らかにしたプランによれば、WECの参戦枠が与えられない2メーカーは、ELMSにも、ル・マンにも、マシンを持ち込むことはできなくなる。
フィヨンは、これは同カテゴリーのバランス・オブ・パフォーマンス(BoP)システムによるものだと説明し、ACOとFIAがル・マンのために新たな変数を導入したくないことを示唆している。
この方針は、来年ル・マンやELMSに参戦しようとしているいくつかのチームの計画に影響を与える可能性がある。
その中には、ドライバーのブレンダン・イリーベがIMSAのボブ・アキン・アワードを獲得してLMGT3の自動招待権を獲得し、すでにマクラーレン720S GT3 Evoでル・マンに参戦する計画を明らかにしていたインセプション・レーシングも含まれる。
また、2023/24年のアジアン・ル・マン・シリーズのGTクラスには、アウディとメルセデスAMGのカスタマーチームが参加しており、これらのチームのいずれかが招待枠を得ても、そのメーカーがWECへの参戦を認められなかった場合、同様の状況に追い込まれる可能性がある。
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