9月25日、BMWモータースポーツは11月22~25日に富士スピードウェイで開催される『スーパーGT×DTM特別交流戦』でBMW M4 DTMを駆るドライバーのひとりめを発表した。なんと元F1ドライバーで、ハンドドライブでさまざまなレーシングカーを駆ってきたBMWブランドアンバサダーのアレックス・ザナルディが参戦することになった。
スーパーGT GT500クラスの15台と、4台のアウディRS5 DTM、3台のBMW M4 DTMが参戦し、おおくのファンが5メーカーによるバトルを期待する11月の『スーパーGT×DTM特別交流戦』に、驚くべきドライバーが参戦することになった。1990年代にはF1でも活躍、そして1997~1998年に北米CARTで圧倒的な速さでチャンピオンを獲得したアレックス・ザナルディだ。
11月のスーパーGT×DTM特別交流戦のDTM参戦台数は7台に。22台のレースが決定
ザナルディは2001年、ラウジッツリンクで行われたCARTで大きなクラッシュに遭い生命の危機に陥った。一命は取り留めたものの両足切断という負傷に見舞われたが、チェアウォーカーとなった後も不屈の闘志でモータースポーツに復帰。ハンドドライブ機構に改良されたマシンを駆り、WTCC世界ツーリングカー選手権で大活躍をみせた。
2009年限りでモータースポーツの第一線からは退いたが、今度はハンドサイクリングに転向。ロンドン、リオデジャネイロと二度のパラリンピックで金メダルを獲得している。
そんなザナルディは、2018年にDTMにスポット参戦しBMW M4 DTMをドライブ。周囲を驚かせているが、今回、日本のファンの前でひさびさにコクピットに復帰することになった。ザナルディのチームメイトは、後日発表されるという。
「DTMとスーパーGTの夢のレースに参戦できることは、僕にとって本当に素晴らしいことだ。『素晴らしい』という言葉はよく使われるけれど、今回はこの言葉が適切だ」とザナルディ。
「自分がまだレースを戦えるということは、私にとってはギフトのようなものだ。BMW M4 DTMは私がドライブしたマシンのなかで最高のレースカーのひとつ。今年はさらにそれがパワフルになっているしね。こんな機会を与えてくれたBMWモータースポーツに感謝しているよ」
「DTMで戦うことは、プロフェッショナルなドライバーを相手にしなければならないため、大いなる挑戦になる。しかも今回はスーパーGTのドライバーとも戦わなければならない。私の期待は大きくはないが、このイベントに相応しいベストなパフォーマンスを示すだけだ」
「でもこの参戦が、僕にとって新たなモータースポーツでのキャリアのひとつのチャプターになるだろうね」
また、BMWモータースポーツ代表のイェンス・マルカルトは「2018年ミサノでのアレックスのゲスト参戦のことを、誰も忘れていない。彼が富士スピードウェイでM4 DTMをふたたびドライブすることを嬉しく思うよ」と語った。
「アレックスは世界中の人々にインスピレーションを与えている。彼がミサノで、最近ではデイトナ24時間でそうしたように、富士でも周囲を驚かせると思う。我々は富士に参戦するドライバートリオを近日中に完成させるつもりだ。
ザナルディにとって、今回のスーパーGT×DTM特別交流戦参戦は、もうひとつの狙いがあるという。富士スピードウェイは、2020年の東京パラリンピックでパラサイクリングの会場になっているからだ。ザナルディは、2020年東京大会の参戦を目指しているという。
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