DTMドイツ・ツーリングカー選手権第9戦ホッケンハイムは10月6日、27周の決勝レース2が行われ、2番手からスタートしたニコ・ミューラー(アウディスポーツ・チーム・アプトスポーツライン/アウディRS5 DTM)が優勝。2位はマイク・ロッケンフェラー(アウディスポーツ・チーム・フェニックス/アウディRS5 DTM)、3位は2019年チャンピオンのレネ・ラスト(アウディスポーツ・チーム・ロズベルグ/アウディRS5 DTM)となり、アウディ勢が表彰台を独占した。日本勢は、ジェンソン・バトン(TEAM KUNIMITSU/ホンダNSX-GT)が16位。ウエット路面で大苦戦を強いられた。
午前中から続き、雨が降りしきるなかで迎えたDTMドイツ・ツーリングカー選手権第9戦ホッケンハイムの決勝レース2。レースは雨のため3周にわたるラップの後スタートが切られたが、スタートで2番手グリッドのミューラーが好スタート。一方ポールポジションのロッケンフェラーは遅れ、ティモ・グロック(BMWチームRMR/BMW M4 DTM)、マルコ・ウィットマン(BMWチームRMG/BMW M4 DTM)らに並ばれる。
「これが第一歩」DTM第9戦ホッケンハイムへのGT500ゲスト参戦に両シリーズ代表が喜び
一方、後方では混乱が。16番手と、今回ゲスト参戦しているスーパーGT GT500マシンのなかで最上位からスタートしたニック・キャシディ(LEXUS TEAM TOM'S/レクサスLC500)が、ジョナサン・アバーディーン(WRTチーム・アウディスポーツ/アウディRS5 DTM)との競り合いのなかでヒット。姿勢を乱し、コンクリートウォールにクラッシュしてしまったのだ。
「コーナーにサイド・バイ・サイドで飛び込んで立ち上がったんだけど、アンダーステアが出てタッチしてしまい、スピンしてしまった。フィニッシュしたかっただけに、とても悲しいよ」と1周できずにレースを終えてしまったキャシディは肩を落とした。
その直後、今度は突如レッドフラッグが提示される。これはダニエル・ジュンカデラ(アストンマーティン・バンテージDTM/Rモータースポーツ2)がコースサイドに白煙を上げながらストップしてしまい、消火とオイル処理の必要が出たためだ。
中断の後レースはリスタートとなるが、序盤から多くのマシンがピットインを実施。一時はリスタート前に順位を上げていたラストがリードを奪うものの、ミューラー、ロッケンフェラーがラストをオーバーテイク。ミューラーが優勝を飾り、ロッケンフェラーが2位。王者ラストは3位で有終の美を飾った。
今季強さをみせたアウディ勢は、表彰台独占という結果でシーズンを終えることに。レース後、アウディ、BMW、アストンマーティンのセーフティカーが先導し、レース出場車がパレード。ファンに感謝の気持ちを伝えた。
一方、前日のレース1で9位フィニッシュという結果を残したバトンのホンダNSX-GTだが、ハンコックのレインタイヤに苦戦。「このタイヤに対してはクルマをやはり大きく変えなければならないね」とスタート直後の1コーナーでアウトにはらみ順位を落とした後、その後もDTM勢にペースの面で及ばず、16位でフィニッシュした。
とはいえ、バトンは「昨日はドライだったし、楽しかったよ。ピットストップで順位を落として悔しいけど、9位という結果を残したし、DTMの週末をエンジョイできた。ドイツという地で素晴らしい仕事をしてくれたチームのみんなに感謝しているよ」と初めてのDTMを楽しんだ様子だ。なお、レース後バトンの口から11月の富士でのスーパーGT×DTM特別交流戦を欠場することが公言されている。
一方、ロニー・クインタレッリ(NISMO/ニッサンGT-RニスモGT500)は1周目にピットインする作戦を敢行。「金曜は僕はウエットで走っていなかったので、ライン等を予選で学びながら走りましたが、クルマは良くなっていたと思います。レース序盤は、似た作戦をとったマシンと勝負できる感覚はありました」と前を追った。
ただ、再度ピットインした後に履いたタイヤが「雨が強くなり、なかなか内圧が上がらなかった」と苦戦。1周遅れの17位でフィニッシュした。
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