MotoGP第18戦バレンシアGPの決勝レースがスペインのリカルド・トルモ・サーキットで行われ、MotoGPクラスでフランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)が今季4度目の優勝を飾った。
バレンティーノ・ロッシ(ペトロナス・ヤマハSRT)は10番グリッドからスタートし、ラストレースを10位でチェッカーを受けている。
【順位結果】2021MotoGP第18戦バレンシアGP Moto2決勝
2021年シーズンの最終戦であるバレンシアGPは、バレンティーノ・ロッシ(ペトロナス・ヤマハSRT)にとって最後のMotoGPレースとなった。ロッシは4列目10番グリッドからラストレースに臨んだ。
MotoGPクラス前に行われたMoto2クラスの決勝レースでは、1周目に赤旗中断。その後、周回数を減算して再開された。MotoGPクラスの決勝レースは予定通り、現地時間14時にスタートしている。レースは気温20度、路面温度23度のドライコンディションで始まった。また、土曜日のフリー走行3回目で転倒したポル・エスパルガロ(レプソル・ホンダ・チーム)は病院での検査の結果、右の胸部、腹部に重い打撲が確認されたため、欠場している。レプソル・ホンダ・チームはマルク・マルケスとポル・エスパルガロの両ライダーが欠場という形となった。
ホールショットを奪ったのは、ポールポジションスタートのホルヘ・マルティン(プラマック・レーシング)だった。2番手に続くのは3番手スタートのジャック・ミラー(ドゥカティ・レノボ・チーム)、そして4番手スタートのジョアン・ミル(チーム・スズキ・エクスター)が3番手に浮上し、フランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)は2番手から4番手に後退する。
2周目には、ミラーが1コーナーでマルティンにオーバーテイクを仕掛ける。マルティンはすぐにトップを奪い返し、さらにミルがミラーをパス。ミラーは3番手に後退し、マルティンがトップをキープ、2番手にはミルが浮上した。
しかし、バニャイアが3周目に2番手にポジションを上げ、さらにリンスが3番手に続く。ミルは4番手にポジションを落とした。トップのマルティンから4番手のミルまでがほぼワンパックの状態。さらに序盤にポジションを上げてきていたのは新チャンピオンのファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)で、クアルタラロは4番手のミルに1秒差の5番手につける。クアルタラロはミルとの差を縮めていき、7周目にはその差が約0.3秒になった。
マルティン、バニャイアを僅差で追っていたリンスだったが、11周目の6コーナーで転倒。表彰台圏内を走行していただけに惜しいクラッシュとなった。リンスはここでリタイアしている。
リンスが転倒したことで、トップのマルティンと2番手のバニャイアのふたりがレースをけん引する。ふたりの差は0.3秒ほどの僅差。3番手のミルとの間には0.5秒以上の開きがある。4番手にはミラーが浮上。5番手に続くクアルタラロはミラーから離され始め、その差は2秒近くになっていた。
15周目に入って、マルティンとバニャイアとの差はぐっと縮まった。もはやマルティンのアドバンテージはほとんどなく、バニャイアとテール・トゥ・ノーズの状態。16周目、バニャイアがメインストレートでマルティンの前に出ると、1コーナーでトップに立った。バニャイアは17周目にこれまでのファステストラップのレコードタイムを更新する1分31秒042を叩き出し、マルティンを引き離そうとする。
さらにトップふたりの後方では、ミルとミラーとの3番手争いが繰り広げられる。ミラーは19周目の2コーナーで見るとかわすと、3番手に浮上した。
残り5周、バニャイアはマルティンとの差を少しずつ広げていた。一方、3番手のミラ―がマルティンとの差を詰めていく。ミラーとマルティンとの差は残り2周に0.2秒を切った。
バニャイアはそのままトップでチェッカーを受け、今季4勝目を飾った。2位はマルティン。マルティンはルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得している。マルティンをとらえることはできなかったものの、ミラーは3位でフィニッシュ。2戦連続の3位表彰台獲得している。ドゥカティのライダー3人が、予選に続き、表彰台を独占した。
引退レースとなったロッシは序盤から10番手付近をキープし、10位で最後のチェッカーを受けた。レース後はロッシのラストレースを称える人垣ができ、ロッシはイエローに染まる観客席に寄り、ファンも歓声と拍手でそれに応えていた。
4位でフィニッシュしたのはミル、5位はクアルタラロ。今季でMotoGPを離れダカールラリーに転向するダニロ・ペトルッチ(テック3・KTM・ファクトリーレーシング)は18位。2022年にはスーパーバイク世界選手権(SBK)に参戦するイケル・レクオーナ(テック3・KTM・ファクトリーレーシング)は15位だった。
中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)は3周目に11コーナーで転倒を喫し、リタイアでレースを終えている。
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