10号車とともに王者を目指す
日本を代表するGTレースとして、海外でも人気の高い「SUPER GT(以下、スーパーGT)」。GT300クラスは国内外のメーカーがしのぎを削っている。世界的に人気のFIA GT3車両をはじめ、JAF-GT、マザーシャシーと3タイプのマシンが混走し、毎戦で激しい戦いが繰り広げられている。今シーズンを戦う27台のなかから、今回は11号車GAINER TANAX GT-Rで戦う「GAINER」を紹介しよう。
「GAINER」は2023年も2台体制! チームのエースナンバー10を付ける「PONOS GAINER GT-R」に注目【SUPER GT Teams】
熟成したニッサンGT-Rで戦いを挑む
1999年に設立されたGAINER(ゲイナー)はGT300クラスの名門だ。当初はフェラーリを武器に猛威をふるい、F360を駆る11号車の田中哲也/パオロ・モンティンが2005年の鈴鹿で初優勝。F430へスイッチした2009年には11号車の田中/平中克幸が第8戦のオートポリスを制した。
アウディR8LMSに主力モデルを変更した2012年は11号車の田中/平中が開幕戦の岡山を制したほか、メルセデスSLS GT3を投入した2013年には平中/ビヨン・ビルドハイムが2勝をマークするなど、まさにGAINERは高い技術力をもって各モデルの特長を引き出し、勝利を重ねてきた。
2014年には11号車の平中/ビルドハイムが第8戦のもてぎで勝利し、そのほか計5回の表彰台を獲得した結果、GAINERはチーム部門でタイトルを獲得。ニッサンGT-Rを投入した2015年には10号車のアンドレ・クートがドライバー部門でタイトルを獲得するとチーム部門をも制覇し、念願の2冠を達成した。
まさに名実ともにGT300クラスの頂点に上り詰めたGAINERは、その後も最前線で活躍している。メルセデスAMG GT3にマシンをスイッチした2016年は苦戦を強いられていたが、2017年には11号車の平中/ビルドハイムが第4戦のSUGOで勝利した。再びマシンをニッサンGT-R NISMO GT3に変更した2018年には11号車の平中/安田裕信が第4戦のタイで優勝するなど勝利を重ねてきた。
2019年も11号車の平中/安田は2勝をマークし、2020年も第3戦の鈴鹿を制するなど常勝チームとして活躍。11号車のドライバーラインアップを安田/石川京侍に変更した2022年は未勝利に終わったが、2度の表彰台を獲得するなど高い安定性にかげりはない。
まさにGAINERの11号車はこれまで数多くの勝利を重ねてきたが、この伝統のカーナンバーを託されたのが富田竜一郎/石川京侍で、マシンも完成されたGT-Rを投入するだけに、2023年も目の離せない存在となるだろう。
事実、第3戦の鈴鹿では富田/石川/塩津佑介の11号車が5位入賞。GAINERはサクセスウエイトを乗せてからも予選で素晴らしい速さを見せ、決勝でも粘り強い走りを見せただけに、中盤戦以降は11号車がGT300のリザルトを左右することになるだろう。
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