岡山国際サーキットで行なわれたスーパーGT開幕戦は、NISMOが管轄する23号車MOTUL AUTECH Zと3号車Niterra MOTUL Zのワンツーフィニッシュとなった。最終的にはミシュランタイヤの強さを顕示するようなリザルトとなったが、実はもうひとつ、このレースで際立ったパフォーマンスを見せていたチームがあった。それが2台体制のTOM'Sだ。
37号車Deloitte TOM'S GR Supraが6番グリッド、36号車au TOM'S GR Supraが10番グリッドからスタートしたTOM'S勢は、雨が降り始めたタイミングでピットに駆け込みウエットタイヤに交換。FCY(フルコースイエロー)→SC(セーフティカー)が出て23周目にレースが再開する頃には37号車が2番手、36号車が4番手にジャンプアップしており、しかもその後の雨量の多いコンディションで他を凌駕するペースを見せたため、29周目にはワンツー体制を築いた。
■晴れのち豪雨。のち晴れ、そして雷雨……赤旗3回で大混乱のレースを23号車MOTULが制す。ミシュランZワンツー|スーパーGT開幕戦岡山決勝
しかし、ここから2台の歯車は徐々に狂っていった。
82周予定のレースが折り返しを迎える頃、3番手を走っていた37号車に60秒のペナルティストップという重い裁定が出された。これはFCY中のピットレーンクローズ時にピットレーンに進入したと判断されたためだ。
レース中にFCYが宣言された後、まず黄旗が振動提示され、その10秒後にFCYボードが提示される。これ以降、グリーンフラッグが振られるまで全ての車両はピットレーンに進入することができなくなるが、37号車はピットレーン閉鎖までにピットインが間に合わなかったという形のようだ。
37号車は勝負権を失う格好となったが、36号車は23号車NISMOに次ぐ2番手を走行していた。レースはウエット→ドライ→再びウエットと変化する中、23号車がウエットタイヤに交換したため首位に立った36号車は、赤旗再開後のSCラン中にピットに入り、ウエットタイヤへの交換を行なった。
しかしここでさらに波乱が起こる。左フロントタイヤをホイールにはめた直後に誤ってジャッキが下がってしまい、宮田莉朋は左フロントのホイールナットがしっかり締まっていない状態でピットアウトしてしまったのだ。これで36号車はコース脇にマシンを停めリタイア。展開次第ではワンツーもあり得たTOM'Sだったが、まさかの2台ノーポイントに終わった。
失意のレースとなった開幕戦を終えて、TOM'S 37号車の山田淳監督に話を聞くと、まず37号車のFCY中ピットインについては、かなりギリギリのタイミングだった様子。「ミスはミスですけど、我々もギリギリになると思って採った戦略なので、仕方ないですね」と彼は振り返る。一方で36号車のピット作業については単純なヒューマンエラーであるとして、「そこは深く反省するしかありません」と語った。
痛恨のミスが重なり無得点に終わったTOM'Sだが、開幕から好調なパフォーマンスを見せられているのは確か。山田監督はポジティブな気持ちで第2戦富士を迎えられるよう、反省すべき部分はしっかりと反省すべきと語った。
「今日は最初のミスが引き金をひいて、悪い方向にいってしまいました。レースペースも悪くはなかったので、仕切り直しです」
「雨が酷い条件下では36号車も速かったので、(優勝した23号車と)良いレースができたと思うし、優勝が狙えたと思います。そこは残念です」
「次戦はサクセスウエイトも軽いですし、レース距離も長いです。反省するところは反省して、次に向けてポジティブにいきたいです」
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