2019年シーズンのWTCR世界ツーリングカー・カップは11月14~17日、マカオで第9大会が行われ、レース1~3までの全レースを新興勢力のLynk&Co 03 TCRが制圧する結果となった。
WTCC世界ツーリングカー選手権時代から、シリーズの最終戦を務めることが多かったマカオ・ギアラウンドだが、2019年は12月13~15日に行われるセパン大会が最終戦となり、今季は最終戦直前のラウンドとして行われた。
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この週末に向けては、過去3レースでライバルを凌駕するアベレージタイムを記録していたとして、Lynk&Co 03 TCRのコンペティションウエイトが10kg増やされ、合計60kgに。
対して、ヒュンダイi30 N TCRやホンダ・シビック・タイプR TCR、アウディRS3 LMS、セアト・クプラTCRはコンペティションウエイト10kgの削減処置を受けた。
■予選で“マカオ・マイスター”ロブ・ハフがレコード更新
ライバルより重い状態でWTCRマカオへ臨んだLynk&Co勢だが、14日(木)に行われたフリープラクティス1ではイバン・ミューラーが、フリープラクティス2ではアンディ・プリオールが、それぞれ2番手タイムを記録してみせる。
翌15日(金)の予選1回目もLynk&Coの勢いは衰えず、イバン・ミューラー(Lynk&Co 03 TCR)が、ノルベルト・ミケリス(ヒュンダイi30 N TCR)を0.068秒上回るレコードタイムでポールポジションを奪ってみせた。
続くノックアウト方式の予選Q1~3では、このマカオで9度の勝利を挙げているマイスター、ロブ・ハフ(フォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCR)が、Q2で2分27秒963を叩き出して、更新されたばかりのレコードをさらに塗り替えるなどライバルを圧倒。最終的に全セッションでトップタイムをマークし、自身9度目のポールポジションを手にした。
リバースグリッドで争われるレース2のポールポジションはエステバン・グエリエリ(ホンダ・シビック・タイプR TCR)が獲得したかと思われたが、セッション中にニッキー・キャッツバーグ(ヒュンダイi30 N TCR)と交錯した件で3グリッド降格ペナルティを受け、代わって、ヤン・エルラシェール(Lynk&Co 03 TCR)がポールを手にしている。
■Lynk&Coが3レース全勝。4名によるチャンピオン争いは最終戦マレーシアへ
16日(土)の14時30分にスタートした8周のレース1では、ポールシッターのミューラーが1度もポジションを譲らずにポール・トゥ・ウィン。2位にはチャンピオンを争うミケリスが続きポイントリーダーに浮上、3位にはケビン・チェコン(アルファロメオ・ジュリエッタTCR)が続いた。
残る2レースはいずれも17日(日)に開催された。レース1と同じく8周で争われたレース2はエルラシェールを先頭にオープニングラップを終えたものの、2周目にはミューラー、テッド・ビョーク(Lynk&Co 03 TCR)が相次いでエルラシェールを攻略していく。
トップに浮上したミューラーはじわじわと差を広げていき、マカオで2戦連続のトップチェッカー。2位にビョーク、3位にはチェコンが入り、2日連続の表彰台となった。ポールシッターのエルラシェールはじりじりと後退し、最終的には6位でチェッカーを受けている。
11周の最終レース3はポールシッターのハフがスタートでやや出遅れた隙を突き、フロントロウスタートのプリオールが首位へ上がると、そのままハフを抑えきってWTCR初優勝を飾り、Lynk&Co勢が3レースとも制する結果となった。
2019年シーズンのWTCR最終戦となるマレーシア大会は12月13~15日に開催予定。チャンピオン争いではミケリスが316ポイントでトップ、307ポイントの2位にグエリエリ、305ポイントの3位にミューラー、288ポイントの4位にビョークが続いている。
最終戦マレーシアでは最大85ポイントを獲得できるため、この4名がWTCRの2代目王座を争うことになる。
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