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年1回のカナダ戦は終盤に大荒れ。ガス欠覚悟の賭けに出たMSRアキュラがデイトナ以来の勝利/IMSA

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年1回のカナダ戦は終盤に大荒れ。ガス欠覚悟の賭けに出たMSRアキュラがデイトナ以来の勝利/IMSA

 7月9日、“モスポート”ことカナディアンタイヤ・モータースポーツ・パーク(CTMP)で開催されたIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権の2023年第6戦は、終盤にフルコースコーションが連続する波乱の展開となるなか、メイヤー・シャンク・レーシングの60号車アキュラARX-06(トム・ブロンクビスト/コリン・ブラウン組)がポール・トゥ・ウインでシーズン2勝目を飾った。

 開幕戦のデイトナ24時間でワン・ツー・フィニッシュを飾って以来、他メーカーのLMDhマシンに優勝を奪われてきたアキュラが息を吹き返した。8日(土)に行われた予選でフロントロウを独占した60号車とウェイン・テイラー・レーシングの10号車は、レース序盤からライバルを圧倒。2台で接近戦を演じながらセカンドロウからスタートした2台のキャデラックや3列目からレースを開始したポルシェ、BMWのマシンを大きく引き離していく。

ポルシェの抗議は棄却。BMW MハイブリッドV8の初優勝が確定/IMSAワトキンス・グレン

 この構図は1度目のルーティン・ピットストップ後も変わらず。2時間40分レースの2時間目も2台のアキュラが高い競争力を見せつけた。転機となったのはスタートから1時間20分後にターン9で起きたアクシデントだ。GTDプロクラスの2番手を走行していた23号車アストンマーティン・バンテージGT3(ハート・オブ・レーシングチーム)がタイヤバリアにクラッシュ。すぐにフルコースコーションとなった。

 直後のピットストップタイミングではGTPクラスのほぼ全車がピットインし10号車アキュラが首位、31号車キャデラックVシリーズ.R(ウェーレン・エンジニアリング・キャデラック・レーシング)が2番手でコースに復帰。一方、スタートから首位を守ってきた60号車は3番手に後退してリスタートを迎えた。

 残り時間50分の段階で、トップを走る10号車と8番手につけていた5号車ポルシェ963(JDCミラー・モータースポーツ)が給油のみのラストピットを行った直後、最終コーナーでLMP3車両がコースオフしたためふたたびセーフティカーが入る。このコーションではピットオープンとはならず約8分後にリスタートがきられた。

 首位はふたたび60号車アキュラ。僅差で7号車ポルシェ963(ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ)と、2度目のコーションのタイミングでピットに入ったもののピットレーンを通過した31号車キャデラックが続く。10号車アキュラは5番手に順位を上げてきた。

 スタートから2時間が経過。このタイミングで7号車ポルシェと31号車キャデラック、さらにチップ・ガナッシの01号車キャデラックVシリーズ.Rがそろって最後のピットに入り、3台とも給油のみでコースに戻る。この間に2番手に浮上した10号車が圧倒的有利な立場となったが、直後GTD車両同士のアクシデントによって三度コーションに。

■2ストップ+スプラッシュ組を出し抜く奇策が成功

 レースは残り23分で再開される。首位60号車のブラウンが逃げる一方、アルバカーキが乗り込んだ10号車は「60号車はスプラッシュに入る」と読み、これを無理に追わなかった。しかし、その思惑は外れる。

 残り5分となったところで4度目のコーション。01号車キャデラックが24号車BMW MハイブリッドV8とのバトルの最中にターン8でコースオフし、高速でタイヤバリアにクラッシュしたのだ。幸いステアリングを握っていたレンガー・バン・デル・ザンデは自力でクルマを降りることができたが、レースはSC先導のままフィニッシュという結末に。

 その結果、1時間15分もの間給油をすることなく走り続けた60号車アキュラが優勝を飾り、レースの主導権を握ったかに思われた10号車が2位。3位には前戦優勝の25号車BMW MハイブリッドV8が入った。デビュー3戦目の5号車キャデラックVシリーズ.Rは4位となり今シーズン最高位をマーク。ポルシェ・ペンスキーの6号車と7号車が5位、6位となっている。

 LMP3クラスでは74号車リジェJS P320・ニッサン(ライリー)がポールポジションから長らくレースをリードしていたが、2時間目に同じくリジェユーザーのJr IIIレーシングの30号車に逆転を許しクラス2番手に。しかし、チェッカーまで残り7分となったところでフェリペ・フラガの74号車が最終コーナーで30号車のインに飛び込む。2台はサイド・バイ・サイドの状態となり、Jr IIIのマシンがアウト側のグラベルに押し出されるようなかたちとなって順位が入れ替わった。その後4度目のコーションが出されたためライリーのガー・ロビンソン/フラガ組が勝利を収めている。

 GTDクラスはコルベット・レーシングの3号車シボレー・コルベットC8.R GTD(アントニオ・ガルシア/ジョーダン・テイラー組)が2022年以来の優勝。コルベットのGT3仕様車は、ポールスタートの14号車レクサスRC F GT3(バッサーサリバン)と2番手につけていた9号車ポルシェ911 GT3 R(パフ・モータースポーツ)が1回目のリスタート時に激しく競り合い、両者がコースアウトした隙をついてトップに立った後、レース終盤は9号車ポルシェからのプッシュを退けた。同じくGT3カーで争われるGTDクラスでは、ブライアン・セラーズ/マディソン・スノー組1号車BMW M4 GT3(ポール・ミラー・レーシング)が、70号車マクラーレン720S GT3エボの挑戦を凌ぎ切りクラス優勝を果たしている。

 ウェザーテック・スポーツカー選手権の次戦は7月21~22日に行われるライム・ロック・パークだ。今季第7戦となる同ラウンドはGTDプロとGTDの2クラスのみで開催される。

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