走り好きに選んでほしい人生初の愛車
運転免許を取得したばかりで、ガソリン好きで、スポーティなクルマに憧れるなら、人生初の愛車としてこの10台はいかがだろうか?
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ドライバーを魅了する走り、スタイリッシュな外観、そして優れたコストパフォーマンスを備えるマニアックな中古車を紹介したい。
(※翻訳者注:この記事は日本向けに翻訳・編集してあるが、元はAUTOCAR英国編集部が英国の新人ドライバー向けに書いたものであり、各モデルのスペックについては英国仕様を記載している。また、シトロエン・サクソVTRのように日本では手に入りにくいモデルもある。あらかじめご了承いただきたい。)
1. ミニ3ドア・ハッチバック(2006-2013)
長所:比較的信頼性が高い
短所:実用性に劣る、一部トランスミッションに不安あり
ミニは世界でも屈指のアイコニックなクルマだが、同時にマニアックな要素も持ち合わせている。
13種類以上の仕様が用意され、色の組み合わせやオプションは、まるで子供のクリスマスプレゼントのほしいものリストのように充実している。つまり、まったく同じミニにはなかなか遭遇しないということだ。
この世代は「R56」と呼ばれる。「R」は英国ブランドのローバーを意味するが、ローバーの部品が使われているという意味ではない。頑丈な作りで壊れにくく、最近の排ガス規制に準拠したエンジンを搭載し、現在では良心的な価格で購入できる。
エンジンは1.4Lガソリンから2.0Lディーゼルまで6種類。ディーゼルは少々荒っぽいものの、信頼性が高く、楽しさを損なうものではない。
問題点は、実用性がかなり低いこと。また、ハードな扱いの末にトランスミッションの問題が発生した車両もある。試乗ではトランスミッションの音に注意してほしい。
2. トヨタ・ヤリスTスポーツ(2001-2005)
長所:0-100km/h加速9.0秒、優れた5速MT
短所:見た目、シンプルなインテリア
典型的な日本車であり、型破りな設計で世界を驚かせたクルマだ。初代トヨタ・ヤリス(日本名:ヴィッツ)が登場したときには、細部へのこだわりによって日本と欧州でカー・オブ・ザ・イヤーを獲得した。
つまり、Tスポーツ(日本名:RS)はしっかりとした基盤の上に立っているということだ。今回紹介している他のクルマほどは熟成されていない。しかし、エクステリアにはさまざまな工夫が凝らされており、面白みと愛くるしさ、奇妙さが共存している。
インテリアも同様だ。エアコン吹き出し口はまるでパティシエが使う調理器具のようで、ダッシュボードには雑多なものを収納する巨大なポケットが掘られている。
対照的に、エンジンはそれほど大胆なものではなかった。普遍的な1.5Lのガソリンエンジンだ。しかし、可変バルブタイミングを採用した初期のエンジンの1つであり、これにより最高出力105psを発揮し、0-100km/h加速タイムは9.0秒に達する。トランスミッションは5速MTのみが設定され、前輪を駆動するFFレイアウトを採用している。
3. フィアット・パンダ100HP
長所:優れたコストパフォーマンス、感銘を受けるドライビング・ダイナミクス
短所:交換用部品が少ない、価格が徐々に上昇している
フィアット・パンダのドライバーというと、欧州では1週間分の牛乳とパンを買いに行く陽気な年金生活者のイメージがある。しかし、この100HPはおばあちゃんのショッピングカートではない。
設計はホットハッチそのものだ。当時の新型グランデ・プントから1.4LのDOHCエンジンを小柄なパンダに移植し、さらに5馬力を追加して最高出力100psに高めた。
車重は975kgと軽く、6速トランスミッションとの相性が良いため実走行では驚くほどの速さを見せる。
そのすばしっこいキャラクターは、アウディ風の大型フロントグリル、ワイドフェンダー、小さなリアスポイラーなど、100HP専用のデザインにも表れている。
長年、中古車市場では驚くほどお買い得だったが、最近になってカルト的な人気を獲得し、価値が上昇している。英国の中古車価格は1000ポンド(約20万円)から6000ポンド(約120万円)の間で、下限はレストア候補、上限は走行距離の少ないコレクターズカーである。
注意すべきは、修理が難しいかもしれないということ。100HPには専用パーツが多く、何かあったときに悪夢を見ることになりかねない。例えば、リアのビームアクスルは錆びやすく、スプリングが折れやすい。これは他のモデルには使われておらず、100HPの生産台数もあまり多くないので、交換品を見つけるのは難しい。
同様に、ボディワークも保護したい。バンパーはリサイクルプラスチックで作られているため、修理が厄介で、ショップによっては対応を断られることもある。交換品は中古で400ポンド(約8万円)前後だ。
しかし、良い個体を手に入れれば、運転免許証を危険にさらすことなく楽しめる。過去20年間で最も魅力的なコンパクトカーの1つである。
4. スズキ・スイフト・スポーツ(2006-2011)
特長:0-100km/h加速9.0秒以下、純粋に軽快な走りを楽しめる
短所:保険料がやや高い
スズキ・スイフト・スポーツは、プジョー205 GTiやフォード・エスコートXR3iと並ぶ、典型的なホットハッチの1つである。これらに共通するのは、普通のハッチバックに少量のスパイスを加えて、美味しく仕上げているということだ。
例えば、スイフト・スポーツは1.6Lエンジンを搭載し、最高出力125psを発生する。0-100km/h加速を8.9秒で駆け抜け、最高速度は200km/hに迫る勢い。
忘れてはならないのは、車重がわずか1.1トンであること。非常に魅力的なパワーウェイトレシオを持っているのだ。
中古車の価格は控えめだ。保険料についてはこの10台の中ではやや高めのグループに属するが、それでもまだ低い方だと言える。
5. フォード・フィエスタ・ゼテックS(2008-2017)
長所:非常に安く買える、良質なハンドリング
短所:下手に改造されているものもある、保険料が高くつく
このような特集記事では常にフォード・フィエスタが紹介される。どの仕様、どの年式、どの価格で手に入れるかは問題ではない。ハンサムな外殻の下には、50年近くもの間、競合他社に苦戦を強いてきた上質なシャシーがあるのだ。そのきめ細やかなハンドリングは、Bセグメントのポルシェ911と呼んでもいいくらいだ。
何より素晴らしいのは、わずかな予算で手に入ること。ただし、購入には注意が必要だ。趣味の悪い改造が施されている個体もあるし、ボロボロの放置車両のような個体は避けた方がいい。おそらく、クルマを買ったときよりもメンテナンスにかかる費用の方が高くなってしまうだろう。
スポーツ走行が好きな人から運転の苦手な人まで、あらゆる人に愛用されている。一方で、特にロンドンのような物価の高い地域では保険料がかなり高くなる。
中古車はたくさんあるので、自分の理想の1台を探すのはそれほど難しくない。最も一般的なエンジンは最高出力120psの1.6Lガソリンで、5速トランスミッションにより0-100km/h加速を10秒弱で駆け抜ける。
6. シトロエンC2 VTR(2003-2009)
長所:中古車価格が安い
短所:おすすめはC2 GTだが比較的希少
C2 VTRはブルドッグのようなずんぐりしたスタンスだが、シャープなエッジのボディキットを備えており、ホットハッチらしさを感じさせる。
スペックも期待できる。初期のVTRは1.6L 4気筒を搭載し、最高出力110psを前輪に送り込んで0-100km/h加速を10.9秒という立派なタイムで駆け抜ける。C2の軽量シャシーをフルに活用し、タイヤはより太く、サスペンションはより硬く、ステアリングもよりクイックになっている。
かなり軽快なパッケージにまとまっているが、前身のサクソVTRほどではない。それは、標準のC2と同じく、生気のないステアリングと動きの鈍いオートメイテッド・マニュアル・トランスミッション「センソドライブ」がドライバーのエンゲージメントを制限しているからだ。
しかし、保険料が比較的安く、車両自体も高くない。1.6L VTRの中古車価格は1000ポンド(約20万円)から3000ポンド(約60万円)程度だ。
また、できれば世界ラリー選手権用の正真正銘のホモロゲーション・スペシャルであるC2 GTを探すことをお勧めする。悲劇的なセンソドライブを適切なマニュアル・トランスミッションに交換し、車両重量をVTRから28kg削減したモデルだ。0-100km/h加速は1.4秒速い。
しかし、C2 GTはわずか2500台しか生産されなかったため、現在では入手が難しくなっている。
7. ルノー・トゥインゴGT(2008-2014)
長所:魅力的なハンドリング
短所:ややマイルドで刺激は少なめ
しばしば史上最高のジュニアホットハッチの1台と賞賛されるのがルノースポール・トゥインゴだが、若手ドライバーに注目してもらいたいのは、ややマイルドなトゥインゴGTだ。
保険料もおおむね安く設定されているため、その点でも初めてのクルマとしては現実的だ。
1.2Lターボガソリンエンジンは、通常の使用で100psの出力を発生する。2速、3速、4速のいずれかでスロットルを踏み込めば、最大1分間オーバーブーストし、最高出力105psを発生する。
トゥインゴGTは車重が980kgと軽いため、驚くほど勢いよく加速する。ソフトなサスペンション・セットアップにもかかわらずハンドリングもいい。
2000ポンド(約40万円)程度あればまともなトゥインゴGTに乗れるので、現在の中古車市場では抜群のコストパフォーマンスを誇る。
8. シトロエン・サクソVTR(1997-2003)
長所:驚くほどパワフル、魅力的なハンドリング
短所:安全性に疑問、錆びやすい
シトロエン・サクソVTRは、確かに旧時代のクルマという感が否めないが、スポーツモデルへの最良のエントリー・ポイントの1つであることに変わりはない。
C2 VTRに搭載されている1.6L 4気筒の旧バージョンを使用し、最高出力は90ps。あまりパワフルではないように聞こえるかもしれないが、車重は約900kgと軽いので、公道では驚くほどパワフルに感じられる。
ワインディングロードでも有利に働き、オーバーステアについて学ぶことができる。
ただ、安全性には注意が必要だ。2000年のユーロNCAPでは、サクソVTRは乗員保護性能はわずか2つ星と評価されており、またABSも標準装備されていない。
購入にも細心の注意が必要だ。カスタムの対象として人気を集めていたため、疑わしい改造が施されたものが多い。また、錆に悩まされる年代でもある。よくある問題箇所はリアアクスル、シル、フェンダーだが、念のため車両全体を徹底的にチェックしよう。
中古車価格の幅は、走行距離の長い個体で2000ポンド(約40万円)から、保存状態の良い例では7000ポンド(約140万円)以上だ。とはいえ、サクソVTRはモダンクラシックカーとしての地位を確立しつつあるので、価値は上昇傾向にある。
9. シトロエンC1(2005-2014)
長所:コーナーでの遊び心、フィエスタより安い
短所:かなり遅い、改造されていないか注意深くチェックすること
さて、並みいる競争相手をスルーして、風呂場の水のように面白みがなく、紀元前のテクノロジーを採用した、何の変哲もないシトロエンに飛びつくエンスージアストがどれだけいるだろうか?
それこそが、このクルマを買うべき理由なのだ。何も書かれていない1枚の紙のようなものだと考えてほしい。通勤通学用の道具からビション・フリーゼのような愛くるしい親友まで、望めばどんなものにもなる。レースカーにもなる。
専門サイトでは、サーキット走行可能な仕様に改造できるキットが3700ポンド(約75万円)で購入できる。うまく改造すれば見栄えもいいし、そもそも車両自体が安いので、修理に大金がかかる心配もない。
エンジン排気量は1.0Lしかないため、遅い。しかし、得られるものもある。コーナーでは遊び心があり、強いプレッシャーを感じることなくいつでも楽しめる。
上記のフィエスタよりもさらに安価で手に入れることができ、保険料も最も安い部類に入る。
10. フォルクスワーゲンUp!(2012-2016)
長所:購入費・保険料・ランニングコストが安い、活気あるハンドリング
短所:低グレードでは非常に遅い
これもC1同様、購入費も保険料も安く、何百台もの中から選ぶことができる。だからといって面白くないわけではない。魅力がある。個性がある。賞賛にすら値する。
かつてアルファ・ロメオのデザイン責任者だったワルテル・デ・シルヴァがデザインしたUp!は、ブランドではなくエンジニアリングによって魅力を高めた稀有な存在だ。
このクラスの中では長いホイールベースを持ち、室内は広々としている。大人4人が楽に乗れて、なおかつトランクの下にスペアホイールが収納されている。
1.0Lエンジンは滑稽なほど遅いにもかかわらず、素晴らしいサウンドを奏でる。最高出力は60psと75psの2種類のチューニングが用意されている。
のんびりとした走りはそれ自体が楽しい要素になり得るし、ランニングコストが安いという副産物も得られる。保険料は安く、燃費は20km/l以上、スペアパーツは旬の果物のように入手できる。
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