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日産「サクラ」発表 軽の最新EVで、電気自動車は普及するのか? 試乗編

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日産「サクラ」発表 軽の最新EVで、電気自動車は普及するのか? 試乗編

デイズ・ターボ車の2倍のトルク

執筆:Hajime Aida(会田肇)

【画像】日産サクラ デザイン/内装【細部まで見る】 全127枚

さて、いよいよテストコースでの試乗に入る。

試乗車は最量販グレードと見られる「X(239万9100円)」で、ここにEV専用Nissan Connectナビゲーションをプラスした仕様となっていた。

サクラに搭載されたドライブモードは「Eco」「Standard」「Sport」の3つ。最初はEcoからスタートしてみた。

もっとも加速力を抑えたモードということだったが、これでも軽自動車とは思えない力強い加速を見せ、アッという間に常用域の速度を超えていた。

それならばと次はSportモードへ切り替える。

すると身体がシートに押さえつけられるような強力な加速で速度を上げていく。ターボ付き軽自動車の領域どころの話ではない。これは、もはや軽自動車としては“異次元”の世界だ。

実はサクラの最高出力こそデイズのターボ車とは変わらない47kW(64ps)だが、これは軽自動車としてのスペック上の制限があるから。

一方で最大トルクでの規制はない。その結果、サクラは195Nm(19.9kg-m)という強大なトルクを獲得することとなった。

デイズのターボ車が100Nmなので、実にその約2倍ものトルクをたたき出しているというわけだ。

しかも、バッテリーがフロアに入っていることで、重心が低く、高速域に入っても抜群の安定感を見せる。

ただの軽ではない どんな乗り味?

コーナリングでも、フロントの高い剛性によってしっかりと路面に食いついている印象だ。

聞けば最適な位置でモーターをマウントするために、ボンネット内部にはユニットメンバーを新設している効果なんだそうだ。しかも静粛性も高い。

コーナリングでこそややロールが大きめで、シートの柔らかさが気になったが、eペダルのアシストのおかげで楽にコーナリングを曲がって行ける。

この日の試乗でもほとんどがノーブレーキでコーナーを抜けることができた。やはりeペダルを味わってしまうと、この“魔法”からは抜け出すことはできない。

軽自動車とは思えないドッシリ感から生み出される乗り心地の良さを実感すると思う。

では、搭載したバッテリーについてはどうか。

実はサクラは身近なEVとして、後から補填される補助金を差し引くと実質200万円を下回る価格で購入できる。

ただ、これはEVでもっともコストがかかるバッテリー総電力量を20kWhに抑えた結果、実現できたことでもある。

そのため、航続距離は最大180km(WLTC)にとどまり、エアコンなどを使うことを考えれば120~140km程度が実用的な航続距離となるのではないだろうか。

また、充電は家庭でもできる普通充電(200Vあるいは100Vにも対応)以外に、急速充電にも対応した。

充電/給電について EV時代の幕開けか

ただ、この急速充電は30kWまでしか対応していない。

最近は50kWを超える高容量の充電器が登場し始めているが、これが使えれば効率よく充電が可能となるはず。しかし、サクラではこの高容量の急速充電器のメリットは活かせないことになる。

それでもサクラではスタックの隙間にエアコンの冷媒を送り込むなど、夏場の暑い時期でもセルを冷やすことで効率よく充電できる設計にしてはいるという。

一般ドライバーが日々走行する距離は30km~50kmが大半と聞く。

こうした状況を鑑みるとむしろ自宅で普通充電を使い、満充電とした状態で近所を中心に使うのがサクラの本来の姿なのかもしれない。

また、給電には対応しているが、これにはニチコンから出ている「Power Mover」などを組み合わせて使う必要がある。

トヨタのハイブリッド車などが用意している1500Wまで対応できるACコンセントとは違い、費用がかさんでしまうのが残念なところだ。

サクラの最大の魅力は、軽自動車の枠を完全に超えた強力な走りと高品質感にある。

ガソリン車に比べてまだ割高ではあるが、従来EVと比べればはるかに身近な出費で買える魅力は大きい。

“コンパクト×高品質”という基本設計が、最近増えているダウングレードの需要にもマッチすることは確実だ。この登場がEVの普及を後押しすることは間違いないだろう。

日産サクラ 価格(補助金)/スペック/発売日

日産サクラは2022年夏頃の発売を予定。価格は下記のとおりだ。

生産工場となる水島製作所で開催されたオフライン・セレモニーで日産の内田誠 社長は、クリーンエネルギー自動車導入促進補助金を活用した場合、「実質購入価格はメイングレードで約180万円台」と説明している。

価格:(S)233万3100円(X)239万9100円(G)294万300円
全長:3395mm
全幅:1475mm
全高:1655mm
最高速度:130km/h
0-100km/h加速:-
バッテリー総電力量:20kWh
航続可能距離:180km
CO2排出量:0g/km
車両重量:1070~1080kg
パワートレイン:モーター1基
最高出力:47kW(64ps)/2302-10455rpm
最大トルク:195Nm(19.9kg-m)/0-2302rpm
最低地上高:145mm
乗車定員:4名

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みんなのコメント

8件
  • 家で充電できること、一日数百キロも走らない人にとっては最善の選択肢となりえますね
    ガソリン版の3分の1くらいしか走りませんが、3日に一回給油してる人なんて多くはないでしょう
    日常使いはこれで十分。
    普通車と軽自動車の2台持ちの家庭にはすごく良い、ガソスタ行くのって意外とだるいんですよね
    遠出は普通車で行けばいいし
  • 補助金で200万以下でセカンドカーなら全然ありやわな
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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