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自動車の書籍 クリスマスのお供におすすめの1冊は? 英AUTOCAR選出

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自動車の書籍 クリスマスのお供におすすめの1冊は? 英AUTOCAR選出

「ドライビング・ライク・クレイジー(Driving Like Crazy)」

クリスマスのおすすめをといわれたとき、まず頭にうかんだのはクルマおたくに衝撃を与えた1冊、マーク・ドノヒュー著「ジ・アンフェア・アドバンテージ(The Unfair Advantage)」だ。これはもう皆さんお持ちのことだろうが、もしまだならぜひご一読いただきたい。おなじく、ニック・メイソン著「イントゥ・ザ・レッド(Into the Red)」もおすすめだ。

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かわりに、米国の風刺家・自由論者PJオルークによる自動車関連の記事をまとめた本書をおすすめしよう。まとめると、自由論者はりっぱな自動車エンスージャストになれるのだ。そして読むとわかるが、オルークの記述で不適切といえるのは1970~80年代にかけての北米での運転、すなわち今日よりもユルかった時代の部分だ。

ある章の見出しなどは「ドラッグをやってぶっ飛ばしながら、ケツを締めてイカずにすむには」というくらいだから、感受性の強いティーンエイジャーには読ませないほうがいいかもしれない。

内容のおおくは当時の米国誌カー&ドライバーに掲載されたものだ。当時コドモだったわたしにはまだ早かったが、背伸びするには実によかった。文章も軽妙ですいすい入ってくるから、ヘタなクリスマス特番なんぞを見るよりもいくぶんいいだろう。
(マット・ソーンダース)

「チューン・トゥ・ウィン(Tune to Win)」

技術書をおもわせるタイトルには引きそうになるかもしれないが、シャシー設計と車両運動性の基礎に関する著作では知るかぎりで随一といっていい。著者のスミスはジョン・クーパーやキャロル・シェルビーらそうそうたる人物のもとで腕を振るい、初代フォードGT40のル・マン仕様にもかかわった百戦錬磨のレース技術者だ。

たしかに内容はまっとうな技術論で、方程式もたまに出てきたりする。だが文体は平易でなじみやすく、味のある自筆のスケッチや経験にもとづく皮肉のきいた言いまわしなどもまじえてわかりやすく説明してくれる。いちおうアマチュアレーサーが対象だが、内容はそのまま公道走行にも生かせる。
(マイク・ダフ)

「ジャパン・イン・ザ・パッシング・レーン(Japan in the Passing Lane、邦題:自動車絶望工場―ある季節工の日記)」

自動車の本なのに、読み終えてどっと疲れた。退屈な本という意味ではない。著者のルポライター鎌田慧が「精神がズタズタになりそうなくり返し作業」と表現する、1972~73年にかけて潜入体験したトヨタ季節工の実状があまりに生々しかったからだ。

苛酷な生活環境、あまりに粗末な大食堂の食事、痛む体にむち打って耐えしのぶ夜勤。彼は幸いにも免れたが、病にむしばまれ命を落とす者もいたという。日本の奇跡的な経済成長の裏側で築かれた死屍累々を浮かびあがらせた、つらく、だが一方でカローラのように燦然と輝く1冊だ。
(ジェームズ・ラパート)

「ビルディング・アンド・レーシング・マイ “750”(Building and Racing my ‘750’)」

わたしも、オースティン7スペシャルの購入にあたってこの本を買った。クルマいじりの覚えもなければ動力工具も持ちあわせないごくふつうの男が、オースティン7でワンメイクレースの750モーター・クラブに出ようと、みずからのガレージで日夜改造に励む。そして打って出たレースで、コーリン・チャプマンらに伍して善戦してしまうのだ。

「こうすべき」というより「こうした」というスタンスで書かれたこの本、温かくつつみこまれるような調子で話は進み、添えられた写真もじつに明解だ。AUTOCARでも、1955年当時「ひじょうに克明な記述。エンスージャストなら単なる手引きにとどまらず物語としてもぐいぐい引きこまれるはずだ」と表していたが、今でもそのままあてはまる。
(マット・プライヤー)

「コルベア・アフェア(Corvair Affair)」

このヘンな1960年代の米国車によって歴史の道筋は変わったのだが、見たことも聞いたことも、あるいは気にとめたことすらないかもしれない。だがこのクルマからは、知らないうちに測りしれぬ恩恵をうけているのだ。

その名もシボレー・コルベアというこのクルマ、弁護士ラルフ・ネーダーが著書「アンセーフ・アト・エニー・スピード(Unsafe at Any Speed、邦題:どんなスピードでも自動車は危険だ)」のなかでその致命的な設計上の欠陥をいくつも槍玉にあげたのだ。

それらの欠陥はつぎつぎと訴訟を引きおこし、返す刀でゼネラル・モーターズもネーダーを名誉毀損で訴えようとした。また、消費者運動や自動車安全基準・排出ガス規制がうまれるきっかけにもなった。

本書ではコルベアの構想・誕生・進化の過程はもちろんのこと、それにまつわる人間模様もあますことなく描かれている。
(リチャード・ブレムナー)

「ウォッチング・ザ・ホイールズ(Watching the Wheels)」

2度のF1チャンピオンに輝いたデイモン・ヒルも、そこに至る道はけっして平坦でも輝かしいものでもなかった。幼少期から青年期、そして成人後にわたる彼の生きざまについて、詳細かつ実直に語られたこの自伝を読めば、ヒルがとても身近に感じられてくるだろう。

2輪でレースの道へ足を踏みいれた彼が四輪に移ったのは23歳のとき。ルイス・ハミルトンがF1王座を勝ちとるのとおなじ歳なのだ。それについてのたくさんの話もふくめ、ヒルの足跡はまさに驚くべきものだ。
(ダン・プロッサー)

レーシングドライバーの自伝では、いちにを争う傑作だ。わたしも伝記はそこそこもっているが、この本はなんども読み返した。

おすすめの理由はいくつもある。まず、どうひかえめに言っても、彼がいかにすぐれたレーサーだったかよくわかること。つぎに、とくに父の死にまつわる苦悩とレースへの情熱の源についての、冷徹なまでに正直な自己分析だ。3つめはしっかりした記述、そして確かな筋によればそのほとんどが自筆だということ。

最後は、ロンドンのオートバイ宅配業者でデイモンといっしょに働いたことのある身として、当時の話にこみ上げてくる懐かしさだ。
(コリン・グッドウィン)

「ジム・クラーク・アット・ザ・ホイール(Jim Clark at the Wheel)」

50年も前の、分別もないティーンエイジャーの頃にはじめて読んだ本を持ってくるとは、われながら青いとおもう。だが、だからこそこの本が大好きなのかもしれない。お金もなければ地理的にも専門知識にも恵まれない若者がなんとかクルマを探し出して乗っていた年代に引き戻してくれるからだ。

あの頃はわたしも古いフォードで野山を走り回って、だれか自分の才能を見出してくれないかとひとり鼻高々だったものだ。

そんな時代の、のちにF1世界王者となるジム・クラークとその才能を見出し育てたイアン・スコット・ワトソンというふたりの友人の功績を、著者グラハム・ゴールドは簡潔で親しみやすい文体ながらこと細かに描いており、おもわず引きこまれずにはいられない。わたしもいまだに、いくつかそらんじられるくらいだ。

なかでも決して忘れられないのが、スコットランドでのハンディキャップつきレースでスコット・ワトソンがクラークにいきなり「わたしのDKWで出ろ」と振ったくだりだ。そしてそのあまりの速さに、ハンデつきのライバルたちもスコット・ワトソンが速いのだと思いこんだというのだ。このちっぽけで純粋な作品、いくつか持っているが生涯の友になるだろう―自分に運転の才能などなかったとわかっても。
(スティーブ・クロプリー)

「ポルシェ:エクセレンス・ワズ・エクスペクテッド(Porsche:Excellence was Expected)」

1冊にしぼるのは死ぬほど大変だった。レーシングカーの本でいちばんのおすすめはマーク・ドノヒューの「ジ・アンフェア・アドバンテージ(The Unfair Advantage)」だし、レオン・マンデルとピーター・レブソンの「スピード・ウィズ・スタイル(Speed with Style)」も甲乙つけがたい。

ロバート・エドワーズの「アーキー・アンド・ザ・リスターズ(Archie and the Listers)」はよくあるドライバーの伝記ではもっとも心奪われるものがあったし、企業人伝ではブロック・イエーツの「エンツォ・フェラーリ」がそうだ。

もうレース大事典とでもいうべきヤーノシュ・ヴィンプフェンの「タイム・アンド・ツー・シーツ(Time and Two Seats)」にしようかと思ったが、結局タイトルにあげたこの本にきめた。

カール・ルドビクセンがポルシェのすべてをまとめあげた書物で、2008年に改訂をうけた全3巻の傑作だ。いちブランドについての本でこれを超えるものはないだろう。
(アンドリュー・フランケル)

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