ルサイル・インターナショナル・サーキットでMotoGP開幕戦カタールGPの決勝レースが現地時間3月10日に行なわれた。レースは盤石の走りを見せたフランチェスコ・バニャイヤ(ドゥカティ)の勝利で終わった。
カタールGPはナイトレースで行なわれるMotoGPの開幕戦として既にお馴染みの存在。コース施設改修の関係で昨年は11月開催だったため、わずか4ヵ月でMotoGPがカタールに帰ってきた格好だ。
■バニャイヤ「ドゥカティとの契約延長でレースに集中できる」3連覇目指す2024年に死角なし?
2日目の予選でポールポジションを獲得したのはホルヘ・マルティン(プラマック)。2番手にアレイシ・エスパルガロ(アプリリア)、3番手にエネア・バスティアニーニ(ドゥカティ)が並んだ。グレシーニへ移籍してその走りに注目が集まっているマルク・マルケスは2列目6番手だった。
決勝レース開始時のコンディションは、気温22度、路面温度が26度。夜のサーキットを照明の光が照らし出す中、フル参戦ライダー全22名が揃ってスタート時刻を迎えた。
しかしグリッドについたスタート直前、ラウル・フェルナンデス(トラックハウス)にトラブルが発生。これによりスタートが仕切り直しされ、レースディレクションは決勝を1周減らした全21周で行なうことを決定した。
仕切り直しされたレースは、スタートを上手く決めたフランチェスコ・バニャイヤ(ドゥカティ)がマルティンを追い抜いて先頭に浮上。マルティンは勝利したスプリントレースのような勢いがなく、2周目にビンダーにも追い抜かれてしまった。後方からはマルク・マルケスにも迫られる状況だった。
トップのバニャイヤがレースを引っ張って5周が経過すると、2番手に戻ってきたマルティンとビンダーまでの3人がトップ集団を形成。4番手にはマルク・マルケス、そしてアレックス・マルケス(グレシーニ)やエネア・バスティアニーニ(ドゥカティ)を難なくパスしてポジションを上げてきた大注目の新人ペドロ・アコスタ(GASGAS)が5番手に続いた。
2番手のマルティン、そして3番手のビンダーは1周ごとに位置を入れ替えるようなバチバチのバトルを展開。しかしそのバトルが続いている間にバニャイヤが少しづつ逃げていき、10周目には2番手に1秒差を築き上げた。
12周目、マルク・マルケスを相手に4番手を争っていたアコスタが、ターン1でマルケスをオーバーテイク。6度のMotoGP王者を相手にルーキーが抜いていくという、新世代の天才ライダーの到来を印象付けるシーンだった。
ただアコスタはその2周後、走行ラインを大きく膨らませてしまい、ポジションをマルク・マルケスに明け渡して、さらにギャップも広がった。加えてアコスタはタイヤが厳しいのかペースが落ち始め、アレックス・マルケスとバスティアニーニにも追い抜かれ、7番手までポジションを落とした。
残り5周時点で、トップは依然としてバニャイヤ。2番手のビンダーに対しても1秒差を維持して、優勝に向けて視界良好という状況だった。なお2番手のビンダーも3番手のマルティンに対して約1秒差とリードを広げることができた。
バニャイヤは1周目に先頭に浮上して以降、一度もトップを譲ることなくひたすらコンスタントなタイムを刻み続け、1.5秒の差を築いてラストラップに入った。
そのままバニャイヤは盤石の走りでトップチェッカー。3連覇を狙うディフェンディングチャンピオンがライバルを圧倒して勝利。今シーズンもバニャイヤが戦いの中心になっていくだろうと思わせるレースだった。
2位はビンダーで、スプリントから連続の2位だった。3位のマルティンはラスト2周でビンダーとの差を詰めたが、オーバーテイクするには残り周回数が少し足らなかった。そして4位にはマルク・マルケスが続いた。
レース中盤に見せ場を作ったアコスタはタイヤの消耗が厳しかったようで終盤にさらにポジションダウンし、最終的に9位でのフィニッシュ。しかしルーキーのデビュー戦として非常に印象的な戦いぶりだったことは間違いなく、ピットで出迎えたチームスタッフも彼を褒め称えた。
日本人ライダーの中上貴晶(LCRホンダ)は見せ場を作れず19位でレースを終了。ホンダ陣営はチームメイトのヨハン・ザルコが記録した12位がベストリザルトだった。
ヤマハはファビオ・クアルタラロが気を吐き、11位でフィニッシュ。ポイントを持ち帰った。
次戦MotoGP第2戦ポルトガルGPは、3月24日に決勝が行なわれる予定だ。
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みんなのコメント
ペッコは完全に スプリントはそのテストに利用していて、ポディウムに上がれれば良しと 思っている
しかしそのスプリントで より優しくゆっくりペースを上げた、アレイシにパスされ 決勝では脚のセットアップを 一段ソフトにして、その分スタートからプッシュしたら見事にハマリ タイヤがウィンドウに入り続けた