ずぶ濡れるサンデー・バギー セグウェイ・ヴィランとポラリスRZRへ試乗 オンロードも最高 後編

想像以上に高いオンロードでの能力

オリジナルのランドローバー・ディフェンダーと同じく、ポラリスRZR トレイルSとセグウェイ・ヴィランは想像以上に奥が深い。日曜日に楽しむレジャービークル、といった軽めのノリで今回の試乗へ挑んだが、実際はそれ以上にのめり込める。

セグウェイもポラリスも、他にはないシンプルさがある。ドライビング・ポジションが高めで視界に優れ、ゴムで覆われたサポートバーが付き、操作系はベーシック。

ダッシュボードに余計な装飾は一切なく、コクピットが汚れたら丸ごと水洗いできる。セグウェイのフロアには、排水ドレインもある。

初代のディフェンダーように、コーナーではボディが大きめにロールし、慣れるまでは緊張感が伴う。ブロックパターンのタイヤはグリップするのか、流れてアンダーステアに陥るのか。柔らかいサスペンションは受け止めてくれるのか。期待と不安が交錯する。

実際は、2台とも想像以上にオンロードでの能力は高かった。バギーとしてオフロード性能を磨いただけあって、多少の妥協もあるとはいえ、コーナーリングも苦手ではない。むしろ爽快なほど。

優しくサスペンションへ負荷を掛けながら荷重移動の様子をうかがいつつ、ステアリングホイールを切り込んでいけば大丈夫。一般道の低い速度域でも最高に楽しい。

思い切り走り回れるエンターテイメント性

ダイヤのグリップが高いとはいえず、気張らなくてもテールを振り回せ、バレエダンサーのように踊れる。シートを通じて、驚くほどの感覚が伝わってくる。見た目以上に、意のままの操縦性を叶えている。緩やかにドリフトさせる気持ち良さへハマってしまう。

サスペンションのストロークは長く、肉厚なタイヤを履くから、セグウェイもポラリスも乗り心地は素晴らしい。路面状態を問わず、舗装路でも悪路でも、ドライバーへの衝撃を最小限に留めてくれる。どこでも走れるという、自信と充足感が湧いてくる。

一般的なクルマの運転から、意識を変える必要もある。ホイールの傷や、スタックする心配はほぼいらない。ひたすら目前の環境を楽しめばイイ。

それぞれに長所がある。セグウェイはホイールベースが長いため、コーナーでは安定している。回頭性も穏やかだ。一方でCVTは若干滑りが多く、加速時はタイヤがスリップしているのか判別しにくい印象だった。

ポラリスはホイールベースが短いが、小回りが効くため、過酷なオフロードでライン取りしやすいだろう。CVTの反応はよりダイレクトだが、ベストというわけではない。

とはいえ、それは些細なこと。思い切り走り回れるという、エンターテイメント性の輝きが霞むほどではない。午前中は開けた野山を駆け、午後は砂浜で戯れる、という楽しみ方も現実的だ。

評価したい完全に振り切った仕上がり

スタイリングを視覚的に味わうタイプではないだろう。それでも、シャシーがどんな状況にあるのか、ドライバーは濃密に感じ取ることができる。リアタイヤがグリップからドリフトへ、あるいはその逆へ推移する数秒前に予測できる。リカバリーもしやすい。

もちろん、ドライバーの身体は砂と水にまみれる。今回の筆者は全身ずぶ濡れになったが、愉快さがそれを上回った。素晴らしいバランスを引き出し、スライドしまくる運転体験は、まさに非日常だ。

セグウェイとポラリスの、完全に振り切った仕上がりを高く評価したい。爽快なまでに、ひたむき。完全防備で挑む必要があるとしても、その手間をかける価値は間違いなくある。

都市部から脱出するまでのオンロードでは、確かに多くのクルマより多くの忍耐が必要かもしれない。ルールやマナーも守りたいところだが、日曜日のリフレッシュにはもってこいだと思う.

セグウェイ・ヴィランとポラリスRZRのスペック

セグウェイ・ヴィラン（英国仕様）

英国価格：1万7999ポンド（約289万円）
全長：3330mm
全幅：1630mm
全高：1690mm
最高速度：−
0-100km/h加速：−
燃費：−
CO2排出量：−
車両重量：860kg
パワートレイン：直列2気筒1000cc自然吸気
使用燃料：ガソリン
最高出力：105ps
最大トルク：9.5kg-m
ギアボックス：CVT

ポラリスRZR トレイルS（英国仕様）

英国価格：2万1558ポンド（約347万円）
全長：2820mm
全幅：1524mm
全高：1760mm
最高速度：−
0-100km/h加速：−
燃費：−
CO2排出量：−
乾燥重量：617kg
パワートレイン：直列2気筒999cc自然吸気
使用燃料：ガソリン
最高出力：101ps
最大トルク：−
ギアボックス：CVT

Comments

これおかしいんだよね。
これが生まれたアメリカじゃ、連邦法のせいで自動車登録できないから公道走行できないんですよ。
でも何故か日本だとナンバー取れて、公道走れるっていう。