イタリアのクラシックカー・メーカー、イソッタ・フラスキーニはWEC(FIA世界耐久選手権)参戦に向けてマシンの準備を進めており、4月上旬には実車でのテストが開始されるようだ。
イソッタは昨年10月にル・マン・ハイパーカー(LMH)車両の開発プログラムを発表。WECにフル参戦する計画だったが、その後4月末の第3戦スパでのデビューに予定を変更した。
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その後、FIAとACO(フランス西部自動車クラブ/WECプロモーター)によりWECのエントリーが却下され、シーズン後半に選手権外での参戦を目指すことになった。
イソッタのLMH車両『ティーポ6・LMHコンペティツィオーネ』は、イタリアのミケロット社が開発を主導。HWA社が開発した特注の3リッターツインターボV6エンジンと、ウイリアムズ・アドバンスド・エンジニアリングのハイブリッドシステムを搭載している。
マシンの発表は2月28日に行なわれたが、その後はイタリアの自動車工学専門会社AVL社の全輪駆動ベンチで2回目の走行を行なっているほか、スイスにあるザウバーの風洞で空力テストを行なっているという。
イソッタでモータースポーツ・ディレクターを務めるクラウディオ・ベッロは、1~2週間以内にイソッタと提携しているベクター・スポーツと共同でテストを実施する準備が整うはずだと語った。
「我々は、適切なレーストラックであれ、直線テストであれ、初めてクルマを走らせる前に機能性を完璧にする必要がある」
「我々は大規模なテストプログラムを計画しており、その後にFIAとのホモロゲーションプロセスを開始する」
「目標はやはりモンツァ(7月9日のWEC第5戦)であり、それは現実的だと考えている」
「しかしそれはマシンがコース上で正しく機能し、FIAとACOが我々のエントリーを受け入れてくれるかどうかにかかっている」
12月下旬にイソッタとの提携を発表したベクター・スポーツのチーム代表ゲイリー・ホランドは、「これまでの状況を見ると、レースごとのエントリーであればモンツァに参加できる方向に順調に動いている」と付け加えた。
「多くのサーキットを予約・準備しているので、クルマが走れるようになった瞬間に、サーキットでテストを行なうことができる」
ホランドは、モンツァでのデビューに向けた初期開発の間、ティーポ6はフェラーリのGTプログラムのパートナーであったミケロットに拠点が置かれると説明した。
「これは真のコラボレーションだ。イソッタとミケロットは、単に我々にクルマを引き渡すわけではない」
「我々と同じようにプロジェクトに没頭しているし、クルマは開発期間中、ミケロットを拠点とすることになる」
ベッロはモンツァでのWECデビューが成功した場合、ティーポ6はそのまま残りのレースにも参戦する意向を示し、9月の富士や11月のバーレーンにもエントリーするという。
また、今のところドライバーラインアップは明らかにされていないものの、ベクター・スポーツとつながりが深く、WECのLMP2クラスでもドライバーを務めているライアン・カレンは、イソッタのLMHプログラムにも大きく関与すると予想されている。
ホランドは、LMP1での経験を持つ多くのドライバーと話を進めていると明かしている。
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