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宮田莉朋「ポイントを獲るチャンスは十分にあった」入賞を逃した2つの要因/FIA F2第7戦レビュー

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宮田莉朋「ポイントを獲るチャンスは十分にあった」入賞を逃した2つの要因/FIA F2第7戦レビュー

 2024年FIA F2第7戦シュピールベルクで宮田莉朋(ロダン・モータースポーツ/TGR WECチャレンジプログラム)は土曜日のスプリントレースが22位、日曜日のフィーチャーレースではマシントラブルによりリタイヤと残念な結果に終わったが、レース後に行われた取材会にて「自分のパフォーマンス自体はそんなには悪くはなかったと思います」と、自身の走りを評した。

「フリー走行でしっかりとコースを学び、それを生かして予選の最初のアタックでは6番手を記録したこともあり、今回の自分のドライビングにはこれまでの経験が生きていると感じる状況でした。ただ、予選後半のアタックではタイムが伸びませんでした」

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 宮田はふたつの要因により、シュピールベルクでの入賞を果たすことが叶わなかった。ひとつ目はロダン・モータースポーツ勢の『パフォーマンス不足』だった。

 予選前半に6番手タイムをマークした宮田だったが、終盤のラストアタックをミスなく終えるも21番手。チームメイトのゼイン・マローニ(ザウバー育成)も20番手に終わり、ロダン・モータースポーツ勢は揃って予選でタイムを伸ばすことができなかった。

「クルマのパフォーマンスがいまいち足りなかった予選でした。普段であれば自分の走りのどこが悪かったのかを考えるのですけど、今回は“そういう状況じゃない”という感じでした」と、宮田。

 全車が1秒以内に入る予選だっただけに、マシンのパフォーマンス不足は大きな足かせとなったに違いない。しかし、そんな状況でも自身のパフォーマンスに関しては一定の手応えを得ていたようだ。

「今までは初コースでの経験値の差でやられていました。だんだんとFIA F2のクルマ、そしてタイヤに対する理解が深まったことに加え、今回のレッドブルリンクは距離が短いコースだったこともあり、初走行ながらチームメイトよりも速いところも見せることができたので、自分自身に対するネガティブなことは少なかったです」

 28周のスプリントレース(決勝レース1)では予選後のセットアップ改善が功をそうし、タイヤが厳しくなる終盤も好ペースを刻んでいた。しかし、22周に宮田はピットインし、オプションタイヤ(スーパーソフトタイヤ)に交換した。FIA F2のスプリントレースはタイヤ交換義務がないため、レース中のタイヤ交換はまれだ。

「終盤もペースが良かったのでオーバーテイクのチャンスはありました。とはいえ、入賞するには数周で10台近くかわさなければいけないという困難な状況でした。そこで、フィーチャーレース(決勝レース2)に向けた準備に切り替えようということになり、オプションタイヤがどれだけ保つのかを試したりと、残りの周回はフィーチャーレースの準備に当てました」

 なお、終盤にオプションタイヤを履いたことで、宮田はスプリントレース全体のファステストラップを記録している(編注:順位がトップ10圏外のためファステストラップポイントは獲得できず)。

 セットアップ改善の手応えがあったからこそ、フィーチャーレースに向けた準備に切り替えた宮田。そのフィーチャーレースではふたつ目の要因で入賞を果たせずに終わった。それは『マシントラブル』だった。

 40周のフィーチャーレースはスタート前から波乱があった。フォーメーションラップ開始時にポールポジションのデニス・ハウガー(MPモータースポーツ)を含む3台がエンジンストールを喫しピットスタートに。さらにはスタートで宮田のチームメイトのマローニがエンジンストールし、なんとかスタートを切るも4周目にリタイアとなるなど、序盤から複数台のマシンになんらかのマシントラブルがあるように見えた。

 そんななか、プライムタイヤ(ソフトタイヤ)スタート宮田は快調に走行し、14周目のターン3でロマン・スタネ(トライデント)をオーバーテイクするとステイ組の5番手に浮上。ライバル勢とのタイム差を鑑みても、入賞は堅い状況だった。

 しかし、宮田は17周目のホームストレートで突如スローダウンする。一旦はペースが戻るも、このスローダウンの影響で20番手まで後退してしまう。さらには27周目にピットインするが、ここでは6分近く停車。その後一旦はコースへ戻りファステストラップも期待できるペースを刻んだが、チェッカーを受ける前にピットに戻ることになり、そこでレースを終えることになった。

「快調に走っているように見えた段階からずっと“おかしいな”という違和感はありました。17周目に入る手前からクルマが走らなくなり、チームからの指示で試行錯誤して直して、また起きてという感じでした」と、宮田はそのときの状況を振り返った。

 宮田もトラブルに関してはわからないことも多いようで、囲み取材の時点では原因などについての言及を避けた。ただ、オートスポーツweb編集部の調べによると、フォーメーションラップ開始時にエンジンストールを喫した3台、リタイアしたほかの3台と同じようなシステム系、ソフトウェア系に関する症状が宮田の車両にも出ていたと思われる。

 フィーチャーレースでは好ペースを刻み続けていた宮田。トラブルが出ていなかったらどんな順位でゴールできたと思うかと聞かれ、こう答えた。

「レース後にエンジニアとも7位には入れていただろうという話はしました。僕の前を走っていたアムーリ・コルデール(ハイテック・パルスエイト)が7位に入ったので、そのあたりにはいたと思います。彼とのギャップを詰めているなかでトラブルが起きたので、ポイントを獲るチャンスは十分にあったと思います」

 パフォーマンス不足とマシントラブルが足かせとなり、シュピールベルクでは入賞を果たせずに終わった宮田。7月5~7日にイギリスのシルバーストン・サーキットで開催される第8戦での入賞に期待したいところだ。

 宮田にとってシルバーストンでの実戦は初めてとなる。ただ、渡欧直後のオフシーズンの間にシルバーストンには足を運ぶ機会があったという。

「シルバーストンでの経験が生きるかは半々ですね。というのも、FIA F2マシンで走ったわけでもなく、コースを“体験”してみたくらいのレベルだったので、依然としてほかのドライバーと比べたらマイレージは少ないと思います」と、宮田。

「ただ、実際に足を運んだ経験はあるので、どこに何があるのかはわかった状態です。そこは少なからず生きてくるかなとは思いますけど、走りに関してはやはり初めてですので、フレッシュな気持ちで臨むことになると思います」

 全14戦28レースが開催される2024年のFIA F2も次戦でシーズン後半戦に突入する。前半戦の7戦14レースの経験を得て、さらなる成長を見せる宮田の戦いに、引き続き注目したい。

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みんなのコメント

1件
  • apf********
    この記事だけ見ると、今回はポイント取れなかったけどチームの戦闘力が低かったせいで宮田は悪くないと読めますが……
    実際はチームメイトに差つけられすぎ
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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