F1第17戦日本GPで新フロントウイングを投入する予定だったレッドブルが、ロシアGP後に投入を断念していたことが関係者への取材で明らかになった。
レッドブルのテクニカルディレクターを務めるピエール・ワシェは、イタリアGPで「鈴鹿にはわれわれが今シーズン初優勝したときに投入した新しいコンセブトのフロントウイングを、さらに改良した最新のフロントウイングを持ち込む予定だ」と話していた。
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しかし、日本GP前日の木曜日に、ワシェに新フロントウイングの投入について確認したところ、「断念した」ことを明らかにした。
「直前になって、風洞テストでのデータで、エフィシェンシーに問題があることがわかった」(ワシェ)
風洞テストでのエフィシェンシーとは、空力効率のことを指す。空力効率とは、ダウンフォースを得るために費やす空気抵抗の値だ。一般的にダウンフォースを得るためにはウイングやフィンなどの空力パーツの上面と下面を流れる空気流の速度差を利用した負圧によって、下向きの力、つまりダウンフォースを得る。
しかし、空気が空力パーツに当たれば、そこで空気抵抗が発生する。たとえ、ダウンフォースが増えて、コーナーを速く走ることができても、空気抵抗も増えてストレートスピードが遅くなれば、ラップタイムが上がらないというケースが出てくる。今回のレッドブルのケースが、まさにこれ。セクター1でのゲイン分を、セクター3でロスする結果となったようだ。
ただし、鈴鹿にアップデートしたパーツをまったく持ち込まなかったわけではない。ワシェによれば、「リヤウイングとディフューザーを新しくした」という。さらにフロントウイングも「新しくなったとはいえないが、若干のモディファイを行ってたいる」という。
F1マシンのダウンフォースは、フロントウイングよりもリヤウイングやディフューザーによって発生する量のほうが大きい。新フロントウイングの鈴鹿への投入が断念されたのは残念だが、新しいリヤウイングとディフューザーをまとったレッドブルのRB15のパフォーマンスが、鈴鹿で向上することを期待したい。
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