4ヵ月のオフシーズンを経て、今年のF1が幕を開けた。2023年シーズンの始まりを告げるバーレーンGPでは、レッドブルのマックス・フェルスタッペンが決勝レースを制した。
舞台となったのはバーレーン・インターナショナル・サーキット。現地は日没を迎え、気温は28度、路面温度は32度と涼しいコンディションへと変わっていった。
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土曜日に行なわれた予選では、フェルスタッペンがポールポジションを獲得。チームメイトのセルジオ・ペレスが2番手につけてレッドブルによるフロントロウ独占となった。
グリッド2列目にはフェラーリ勢の2台。その後ろにはプレシーズンテストから”ダークホース”として話題となってきたアストンマーチンのフェルナンド・アロンソが、メルセデス勢を上回り5番手に並んだ。
4強時代の幕開けとなったバーレーンGP。57周で争われる決勝レースの火蓋が切られると、ポールからフェルスタッペンが好スタート。フロントロウのペレスは出だしで遅れ、3番手スタートのシャルル・ルクレール(フェラーリ)が予選でアタックを切り上げてまで取っておいた新品ソフトタイヤを履いて2番手を奪取した。
アロンソは1周目でメルセデスの2台に交わされ7番手に後退。チームメイトのランス・ストロールにターン4のブレーキングで追突され、姿勢を乱したこともその要因のひとつのようだ。
フェルスタッペンは序盤から好ペースを見せ、首位独走体制を早くも形成。上位勢で唯一新品のソフトタイヤを履くルクレールは序盤ペレスに後方から迫られたものの、DRS圏外に押し出し2番手を守った。
その後ろではカルロス・サインツJr.(フェラーリ)を挟んで、5番手ルイス・ハミルトン(メルセデス)を先頭にメルセデスの2台とアストンマーチン勢が一集団で走った。6番手のジョージ・ラッセル(メルセデス)はアロンソの攻撃を交わし続けたが、13周目についに陥落。オーバーテイクを許してしまった。
このタイミングで各車が最初のピットインを行なうタイミングに。早めに動いたハミルトンに続いて上位勢も続々とピットイン。多くがソフトタイヤから新品のハードタイヤへ切り替える中で、レッドブルはふたりのドライバーに対して2スティント目もソフトタイヤを投入した。
上位陣が1回目のピットストップを終え、20周目の時点でのオーダーは、フェルスタッペンが首位、2番手ルクレール以下はペレス、サインツJr.、ハミルトン、アロンソ、ストロール、バルテリ・ボッタス(アルファロメオ)、アレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)。14番手スタートの角田裕毅(アルファタウリ)は入賞圏内まであとひとつという11番手を走った。
ソフトタイヤで飛ばすペレスはファステストラップを更新し続け、25周目というところで2番手のルクレールに急接近。翌周のターン1でルクレールのインを刺して2番手を奪うと、そのままルクレールを突き放していった。
30周目を目安に後続のドライバーが2回目のピットインを開始。上位勢もここで新品のハードタイヤに切り替え、ストロールはラッセルに対するアンダーカットを成功させて、7番手へ浮上した。
チームメイトのアロンソも34周目の終わりに新しいハードタイヤに切り替え、5番手ハミルトンの後方でコース復帰。36周目にはファステストラップを記録してハミルトンの背後に迫ると、翌周のターン4でインを差したが、挙動を乱したアロンソにハミルトンが差し替えし5番手を死守……しかしアロンソの攻撃ターンは続き、38周目のターン10でインに飛び込み、王者同士のバトルを制した。
アロンソが前を行くサインツJr.とのギャップを切り崩そうかという41周目、ルクレールをマシントラブルが襲う。ルクレールが力なくストップしたことによりバーチャル・セーフティカー(VSC)が提示された。
ただルクレールが退避路近くでマシンを止めていたことで、42周目にはVSCが解除。3位表彰台が見えてきたアロンソはレース再開後もペースを緩めることなく、44周目には3番手サインツJr.に対してアロンソがDRS圏内につけた。
アロンソからプレッシャーを受け続けたサインツJr.は45周目のターン10で痛恨のロックアップ。アロンソは失速したサインツJr.をストレートで抜き去り、表彰台圏内に浮上した。
ワンツー体制のレッドブルと3番手アロンソは25秒近い差が開いているものの、アロンソはレッドブル勢から1周1秒速い1分36秒というペースで後続を振り切り、そのままチェッカーまでマシンを運んだ。
優勝は言うことなしの完璧なレース運びを見せたフェルスタッペン。ドライバーズタイトル2連覇中の現F1王者が貫禄を見せつけ、勝ち星を36に上げた。
2位にはペレスが入り、レッドブルが開幕戦でワンツーフィニッシュを達成。ダブルリタイアとなった昨シーズンの忘れ物を取り返した。
3位にはアロンソ。F1復帰1年目となった2021年シーズンカタールGP以来の表彰台を獲得した。表彰台獲得回数を99に伸ばした。記録が3桁の大台へ乗るのも、遠くない未来なのかもしれない。
4位にはサインツJr.。アロンソに交わされた後ハミルトンに迫られたものの、これをしのぎきった。右手を負傷しながらの参戦となったストロールは6位。ラッセルの攻撃を交わしてみせた。
8位にはボッタス、9位には最後尾から追い上げたピエール・ガスリー(アルピーヌ)。アルボンは角田とのバトルを制し10位で1ポイントを掴み取った。角田はアルボンのDRS圏内に何度も迫ったものの、惜しくもノーポイントとなった。
次戦はサウジアラビアGP。超高速のジェッダ市街地サーキットでどのようなレースが展開されるのか、期待感は高まるばかりだ。
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