驚きと喜びをもたらす電動SUV
韓国最速のバッテリーEV(BEV)を、韓国最難関といえるワインディングで試した。賑やかなソウルを抜け出し、ヒョンデとキア、大型トラックが先を急ぐ60号線を東に走り、辿り着いた早春の丘陵地帯で。
【画像】驚きと喜びをもたらす490ps ジェネシスGV60 スポーツプラス 競合クラスのBEVと比較 全134枚
運転し終えた今では、ジェネシスGV60 スポーツプラスの好ましいところが蘇ってくる。幸い、天気も悪くなかった。
2022年の優れたモデルを振り返ると、フェラーリ296 GTBやマセラティMC20など、いくつかのスーパーカーの名前が浮かんでくる。そしてこの電動クロスオーバー、GV60も含まれている。
ヒョンデの上級ブランド、ジェネシスは、欧州ではまだ馴染みが薄い。BEVの動的能力を新基準へ引き上げたい、という目標を掲げている。それでも、既にGV60が優れていることに疑いの余地はないだろう。
2022年の欧州カー・オブ・ザ・イヤーを受賞したキアEV6や、日本でも販売されているヒョンデ・アイオニック5とプラットフォームなどを共有している。いずれも、現在購入できるBEVでは特に高い完成度にある。
ジェネシスの開発者はその技術を活かしつつ、プレミアムなモデルとするべく、全面的な努力を投じた。デザインしかり、シャシー性能もしかり。その成果として、驚きと喜びをもたらす電動SUVが完成した。
上級ブランドがひしめく欧州にあっても、ブランド創設から6年しか経っていないという事実をGV60は感じさせない。英国に至っては、上陸から1年が過ぎたばかりだ。
評価すべきインテリアと動的能力
筆者がGV60で特に評価している点は、2つある。1つ目は、インテリアの質感。
素材には高級感が漂い、過度な華やかさは抑えられ、製造品質は見事。ダッシュボードのデザインも、従来的な操作系の煩雑さが排除されつつ、実際に押せるハードボタンが必要な場所へレイアウトされている。
システムをオンにすると、センターコンソールの中央に埋め込まれた球体が回転。ロータリーコントローラーが姿を表す。とても知的でありながら、気持ちをアゲてくれる。
アウディやBMW、あるいはメルセデス・ベンツのインテリアで、思わず笑顔になった体験はあるだろうか。もちろん、それらのモデルも居心地に優れ笑顔になれる。だが、システムをオンにする度に、気持ちがくすぐられることはないと思う。
もちろん、GV60も居心地は素晴らしい。より長い時間を過ごしたいと思えるほど。
2つ目は動的な能力。内燃エンジンを搭載する、軽量なホットハッチの雄には敵わない。それでも運転する楽しさでは、現在のBEVではトップクラスにあると考えている。
単に発進加速が鋭いだけではない。コーナーでも爽快さが味わえる。ジェネシスもそれを自負しているのか、ドライブモードにはドリフト・モードが備わっている。
GV60の開発を率いた技術者が、タイロン・ジョンソン氏。フォードの傑作ホットハッチ、フォーカス RSの開発へも過去に携わった人物だ。ワインディングとの相性が、悪いわけがないだろう。
アルプスで例えるならステルヴィオ峠
というわけで筆者が目指したのは、韓国北東部に位置する大関嶺(テグァルリョン)。松林が広がる麓には牧場が点在し、冬場はアルペンスキーが盛んな場所だ。
英国人や日本人には馴染みのない地名だと思うが、アルプスで例えるならステルヴィオ峠のような場所だと考えていい。ジェネシスを擁するヒョンデ・グループの技術者が、最新モデルのセッティングのために走り込む、定番エリアなのだという。
標高はさほど高くないが、数え切れないほどのヘアピンが続いている。場所によっては、ハイスピードで流せる高速コーナーが続く区間もある。カント角は一定でなく、路面が隆起している場所もあり、チャレンジングな道であることは間違いない。
ソウルからはかなり離れているが、最高出力435psの動力性能を発揮させるのに不足はない。シャシーの長所と短所も確認できるだろう。
ジェネシスの技術者は、駆動用バッテリーから走行距離をより多く引き出すことにも長けているようだ。高速道路を数時間走った結果、表示された平均電費は5.9km/kWhだった。現在のBEVとしては注目に値する数字で、テスラにも勝っている。
写真撮影で同行してくれたフォトグラファーは、ジェ・ヨンパク氏。彼は英語を多少話せるが、翻訳アプリのおかげですぐに友人になれた。
ピョンチャンのワインディングを目指す
目的地へ近づくと、行く先の雲行きが怪しい。人影は殆どない。高速道路を降りて坂道を登り始めると、霧雨だった天気は本降りに変わった。さっきまで晴れていたのが嘘のように。100m進む毎に状況が悪化していく。視界もどんどん悪くなる。
安全なスピードへ、GV60を減速させる。この先は道幅も狭くなる。きついカーブが不意に現れる。1度登り始めたら数kmは迂回路がなく、Uターンできるような広い場所もないらしい。素晴らしいドライブを期待していたのだが・・。
韓国のステルヴィオ峠は明日へお預けか、と肩を落としたところだったが、ヨンパクが明るく話し始めた。30分ほど離れた場所に、2018年の冬季オリンピックが開催された平昌(ピョンチャン)があるという。
スタジアムと宿泊施設だけでなく、走りごたえのあるワインディングも伸びているらしい。それを知って元気を取り戻した筆者は、坂道を下りて原野を突っ切り、晴れ間が広がる隣町を目指した。
この続きは後編にて。
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みんなのコメント
韓国車をいつまでも下に見てはいけないと思う。韓国車は一昔前前に比べて飛躍的に良くなっている。モータージャーナリストの五味康隆さんが自身のYouTube上で、ヒョンデアイオニック5に試乗している動画が上がっているので、そちらを見れば今の韓国車の実力が分かるかと。私は日本と韓国に難しい問題があるのは十分に理解している。私は今ここで両国の政治的な問題を述べるつもりは無く、日本ガー韓国ガーと言うつもりはない。