現在位置: carview! > ニュース > スポーツ > 北米スバル、新開発のVB型『WRXラリーカー』を発表。来季2024年はパストラーナも戦線復帰へ

ここから本文です

北米スバル、新開発のVB型『WRXラリーカー』を発表。来季2024年はパストラーナも戦線復帰へ

掲載 7
北米スバル、新開発のVB型『WRXラリーカー』を発表。来季2024年はパストラーナも戦線復帰へ

 現地法人としてスバル・モータースポーツUSAを運営する北米スバルは、8月2日付で米国ラリー協会(American Rally Association/ARA)最高峰の"Open 4WD"クラスに投入する新開発のVB型『スバルWRXラリーカー』を発表。8月下旬開催のイベントでブランドン・セメナックのドライブにより180号車が実戦デビューを飾るほか、来季2024年からは同チームのエース的存在でもあるトラビス・パストラーナの復帰とフル参戦もアナウンスされている。

 高剛性化と低重心化を追求した最新のスバルグローバルプラットフォーム(SGP)を採用し、北米でも2022年初頭よりデビューを果たした瞬間から、長年のファクトリーパートナーであるバーモント・スポーツカー(VSC)によって初期設計が開始されたVB型WRXラリーカーは、この18カ月にわたって設計、製造、テストが続けられ、実態としてはVSCの長年にわたる開発の集大成として、現地ARA Open 4WDクラスの新たな技術規定に準拠したモデルに仕立てられた。

新生ナイトロクロス開幕。猛暑の影響で周回短縮も、フレイザー・マッコーネルが新時代初戦を制す

 そのため、パワートレインは先代からキャリーオーバーの上で最適化を受けた2.0リットル4気筒ボクサー(水平対向エンジン)を搭載。カスタムビルドのターボチャージャーとインタークーラーを備え、義務付けられた33mm径のリストリクターや最大ブースト圧の22psi(約1.52bar)などクラスの要件を満たしている。

 これにより最高出力は320PS、最大トルク380lb-ft.(約516Nm)を発生し、クロスレシオのサデフ製6速トランスミッションを介して4輪を駆動。車体側では完全にシーム溶接されたボディシェルとT45スチールで作られたFIA/USAC仕様のロールケージが組み込まれ、純正ガスタンクは容量82リッターのケブラーバッグに置き換えられる。

 その脚元を支えるスプリングとダンパーは、こちらもVSC設計のクロスメンバーやリンク、ハブ類と連携する“R53”と呼ばれるサスペンションを新しいシャシーに適応し、重量と効率の点で最適化された上で、ヨコハマタイヤ製15インチADVAN A053グラベル用ラリータイヤの性能を引き出し、よりハンドリングを洗練させている。

 そして一際目を引く外観ではカーボンファイバー製ワイドボディを採用。最新のARA規則を念頭に白紙からデザインされ、巨大なカーボンファイバー製リヤウイングとスバルの伝統的ラリーカーを彷彿とさせるカラーリングをまとう。

■実戦投入は8月24~25日の『オジブワ・フォレスツ・ラリー』

 前述の要素を含めたARA Open 4WD規定は、性能的にFIAのラリー2との類似性を感じさせるものでありながら、そのパフォーマンスはさらに上を行くとも言われており、安価に製造可能な点も含めて優れたコストパフォーマンスを誇る。

 今季はVA型のシングルカー体制でARAに挑み、2年連続のタイトルを獲得したセメナックは、8月24~25日に開催される『オジブワ・フォレスツ・ラリー』でVB型WRXを実戦投入し、来季を見据えたデータ採りと信頼性向上を狙ったプログラムを進める。

「この新型モデルのリリースは、エキサイティングな未来をもたらすだろうね。プラットフォームは完全に再設計され、クルマの見た目も感触もよりダイナミックになった。ファンにとってさらに良いショーが見せられるだろうし、来季はトラビス(・パストラーナ)もチャンピオンシップに戻ってくるんだからね! 本当に楽しみだよ」

 そうセメナックが名前を挙げたパストラーナは、2022年まではエースとしてチームを牽引してきたが、今季2023年に向けては自身が立ち上げに関与した新生ナイトロクロス(旧NitroRX)や、NASCARカップシリーズの『デイトナ500』参戦に注力するためARAでの活動を一時休止していた。しかし来季からは、そのラリークロス活動でも実働部隊として協業するVSCとともに、このVB型の開発を進めていくことになる。

「2024年のARAラリー・チャンピオンシップ復帰が決まり、とても興奮している」と意気込みを語ったパストラーナ。「新しいスバルのプラットフォームは素晴らしく、2度のディフェンディングチャンピオンであるブランドン・セメナックとふたたび戦う機会は、とても楽しいものになるだろうね」

「ブランドンがチームに加わったとき、僕はベテランだった。でも来季は形勢が逆転するから、多くのことを学び、できればトップに返り咲きたいと思っている。このスポーツから離れてまだ1年しか経っていないが、多くのことが変わったし、新たな挑戦に向けた準備はできているよ」

 このVB型WRXラリーカーの披露に際し、北米スバルのYouTubeチャンネルでは全6話構成のミニシリーズ“Next Stage”の公開も予定。8月9日(水)のエピソード1以降、18カ月間にわたるラリーカー開発の舞台裏を包括的に紹介し、新しいクルマの設計、製造、テストのプロセスが明かされる。

こんな記事も読まれています

アルボン「昨年と比べるとクルマは大幅に進歩し、レースを通じて正しい選択と判断ができた」:ウイリアムズ F1第10戦決勝
アルボン「昨年と比べるとクルマは大幅に進歩し、レースを通じて正しい選択と判断ができた」:ウイリアムズ F1第10戦決勝
AUTOSPORT web
スタイリッシュな新型「4ドアセダン」発売! 1000台限定で「495万円から!?」 日本の道で試したBYD「SEAL」の実力とは
スタイリッシュな新型「4ドアセダン」発売! 1000台限定で「495万円から!?」 日本の道で試したBYD「SEAL」の実力とは
くるまのニュース
10年ぶりの勝利を目指すチームWRT、スパ24時間で使用するBMWのマシンカラーリングを公開
10年ぶりの勝利を目指すチームWRT、スパ24時間で使用するBMWのマシンカラーリングを公開
AUTOSPORT web
周冠宇「13位は僕らの望める最善の結果。これまでよりドライブが楽で、大きな前進だ」:キック・ザウバー F1第10戦決勝
周冠宇「13位は僕らの望める最善の結果。これまでよりドライブが楽で、大きな前進だ」:キック・ザウバー F1第10戦決勝
AUTOSPORT web
【跳ね馬4ドアモデルが受賞】 工業デザイン分野の権威ある賞に「フェラーリ・プロサングエ」
【跳ね馬4ドアモデルが受賞】 工業デザイン分野の権威ある賞に「フェラーリ・プロサングエ」
AUTOCAR JAPAN
隣に座る「トナラ―」被害、なんと海外でも多発していた! 「臭いものでブロック」というノウハウも
隣に座る「トナラ―」被害、なんと海外でも多発していた! 「臭いものでブロック」というノウハウも
Merkmal
雨のなか、同一箇所で計4台がコースオフ。太田格之進「死の恐怖を感じるくらいでした」/SF第3戦SUGO
雨のなか、同一箇所で計4台がコースオフ。太田格之進「死の恐怖を感じるくらいでした」/SF第3戦SUGO
AUTOSPORT web
アロンソ「母国のファンの前で無得点に終わり残念。改善を目指し努力を続ける」:アストンマーティン F1第10戦決勝
アロンソ「母国のファンの前で無得点に終わり残念。改善を目指し努力を続ける」:アストンマーティン F1第10戦決勝
AUTOSPORT web
大雨で終盤に赤旗中断。波乱のワトキンス・グレン6時間をポルシェ7号車が制し今季2勝目/IMSA第6戦
大雨で終盤に赤旗中断。波乱のワトキンス・グレン6時間をポルシェ7号車が制し今季2勝目/IMSA第6戦
AUTOSPORT web
600馬力! プーチン大統領の「すごい高級車」登場! 約7トンの「巨大ボディ」に驚きの声も! 金正恩氏に贈られた“超高級車”「アウルス セナート」に反響!
600馬力! プーチン大統領の「すごい高級車」登場! 約7トンの「巨大ボディ」に驚きの声も! 金正恩氏に贈られた“超高級車”「アウルス セナート」に反響!
くるまのニュース
工具のハナシ 「スパナ」と「メガネ」どう使い分ける?
工具のハナシ 「スパナ」と「メガネ」どう使い分ける?
バイクのニュース
ヒュルケンベルグ「競争力のあるペースを維持できて満足。今後は予選を改善しないと」:ハース F1第10戦決勝
ヒュルケンベルグ「競争力のあるペースを維持できて満足。今後は予選を改善しないと」:ハース F1第10戦決勝
AUTOSPORT web
シビれるほどに[精悍な]クロスオーバーSUV!! 40キロ超えの鬼トルクが人気の[プジョー 3008]
シビれるほどに[精悍な]クロスオーバーSUV!! 40キロ超えの鬼トルクが人気の[プジョー 3008]
ベストカーWeb
いすゞ「ビークロス」がなぜ今話題に!? カニエ・ウェスト改めYeも愛車として迎え入れたカルトカーの販売台数は?
いすゞ「ビークロス」がなぜ今話題に!? カニエ・ウェスト改めYeも愛車として迎え入れたカルトカーの販売台数は?
Auto Messe Web
スバル、最新モデルに見る「ぶつからないクルマ」を目指した取り組みとは?
スバル、最新モデルに見る「ぶつからないクルマ」を目指した取り組みとは?
driver@web
自動車メーカーとアパレルがコラボ ワールド北青山ビルでファッションショー 内装の廃材などを衣装に
自動車メーカーとアパレルがコラボ ワールド北青山ビルでファッションショー 内装の廃材などを衣装に
日刊自動車新聞
【欧州でプロトタイプ目撃】レクサスが市販めざし開発中か 「GR GT3コンセプト」はどんなクルマ?
【欧州でプロトタイプ目撃】レクサスが市販めざし開発中か 「GR GT3コンセプト」はどんなクルマ?
AUTOCAR JAPAN
5速MT搭載! スズキが「大きなワゴンR」実車展示!「軽自動車」超えたビッグサイズに「最新技術」採用したニューモデルに反響あり!
5速MT搭載! スズキが「大きなワゴンR」実車展示!「軽自動車」超えたビッグサイズに「最新技術」採用したニューモデルに反響あり!
くるまのニュース

みんなのコメント

7件
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村