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「こういうのでいいのかも」 飛躍しすぎない進化 VW傘下のスコダ、新型フラッグシップモデル初公開

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「こういうのでいいのかも」 飛躍しすぎない進化 VW傘下のスコダ、新型フラッグシップモデル初公開

パサートの兄弟車 上級だが実用的

チェコの自動車メーカーであるスコダは、欧州で販売する主力モデル「スパーブ(Superb)」の新型を発表した。電気のみで100km走行可能なPHEV(プラグインハイブリッド)を導入している。

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スコダ・スパーブは欧州Dセグメントのミドルクラスモデルで、新型は第4世代に数えられる。フォルクスワーゲン・グループの技術をベースに、実用性に重きをおいて開発された。ステーションワゴンおよびリフトバック(ハッチバック)の2種類のボディを用意し、2024年半ばに欧州で発売予定。

価格は未発表だが、現行車の3万2605ポンド(約600万円)より若干割高になると予想される。ただし、ブランドの性格上、兄弟車のフォルクスワーゲン・パサートより若干安く設定される可能性が高い。

正常進化のデザイン 派手すぎずモダンに

エクステリアとしては、スコダの新しいデザイン言語「モダン・ソリッド」を採り入れ、大胆なショルダーラインと角張ったLEDヘッドライトを装備。現行車よりもわずかに、しかし明らかに進化している。

スコダのデザイン責任者であるオリバー・ステファニ氏は、「スパーブは伝統的にスコダのデザイン言語を形成してきましたが、4代目モデルもそれは変わりません。外観としては、シャープに描かれたライン、明確に定義されたダイナミックなプロポーション、モダンで彫刻的なクリスタルのようなスタイリングが特徴です」と述べた。

エクステリアでは空力性能も重視され、リフトバックでは10%、ステーションワゴンでは15%の空気抵抗低減を謳っている。

ボディサイズは現行車からやや大型化した。ステーションワゴンでは全長4902mm、全幅1849mm、全高1482mm。リフトバックは全長4912mm、全幅1849mm、全高1481mmで、ホイールベースはいずれも2841mmとなる。大型化にともない、トランク容量も拡大し、ステーションワゴンで690L(20L増)、リフトバックで645L(30L増)となった。

物理ボタンを数多く搭載 使い勝手重視

インテリアでは、ダッシュボードに3つの「スマートダイヤル」を採用している。外側の2つのダイヤルはシートヒーターと室内温度の調節に、中央のダイヤルはインフォテインメントの音量、エアコン、ドライブモードの調節、そしてナビのズームイン&ズームアウトに使用できる。

また、センターコンソールとステアリングホイールには、デフロスターやオーディオ設定などの重要な操作を行うための物理ボタンが配置されている。

センタータッチスクリーンは10.0インチまたは13.0インチ(仕様によって異なる)を搭載する。

スコダによるとは、新型スパーブの内装に使用されるテキスタイルはすべて100%リサイクルされたもので、中でも「コニャック」ブラウンレザーはオリーブ加工から出る廃水を使ってなめされ、クルマの持続可能性を高めているという。

また、駐車券用クリップ、バックミラー内蔵のUSBポート、ドア内の安全ベスト収納スペースなど、シンプルながら「スマート」な新機能を数多く備えている。

1.5Lガソリンから2.0Lディーゼル、PHEVまで

パワートレインはガソリン、ディーゼル、PHEVと幅広く用意されている。

ガソリンエンジンは、48Vマイルドハイブリッド付きの1.5L(最高出力150ps)と、電動アシストなしの2.0L(204psと265ps、後者は四輪駆動)を設定。

ディーゼルエンジンは2.0Lで、150psの前輪駆動と193psの四輪駆動を設定し、いずれも電動アシストなしとなる。

PHEVは、1.5Lガソリンに電気モーター1基を組み合わせ、合計出力204psの前輪駆動方式を採用。容量25.7kWhのバッテリーパックは最大50kWの急速充電に対応し、25分で10~80%の充電ができるという。EVモードでの航続距離は100kmとされる。PHEVはステーションワゴンでのみ選択可能だ。

英国人記者の視点「従来型の発想も悪くない」

フォード・モンデオ、オペル・インシグニア、ボルボS90、マツダ6……ミドルサイズの上級モデルは近年大打撃を受けており、かつて栄華を誇ったベストセラー車たちも、いまは直接の後継車がいない。かつてセールスマンの足として活躍したフォルクスワーゲン・パサートでさえ、埃をかぶっている。

だからこそ、競合他社が背を向ける中、新型を発表しただけでなく、人気の秘訣となったレシピを守り続けたスコダに拍手を送りたい。2015年の発売以来、現行車が84万5000台も売れているのは小さな驚きだ。

第4世代スパーブは、スタイリングの面でも、技術的な面でも全面的に刷新された。しかし、そこにあるのは安心できる親しみやすさだ。たしかに、洗練された新しいデジタル・インターフェイス、環境に配慮した内装オプション、初期のEVよりも電気航続距離の長いPHEVがある。

しかし、その一方で、物理的なボタンがたくさんあり、トランクはアマゾンの倉庫ほどの大きさがあり、電動アシストなしのディーゼルエンジンが2種類選べる。

新しいブランド、テクノロジー、セグメントの出現によって自動車市場が大きく揺れ動く中、従来型の発想のクルマが生き残ることは、決して悪いことではないはずだ。

(AUTOCAR英国編集部フェリックス・ペイジ記者)

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