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悪党も真っ青? 世界のカッコいいパトカー 86選 後編 珍車に名車、迷車まで

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悪党も真っ青? 世界のカッコいいパトカー 86選 後編 珍車に名車、迷車まで

25:レクサスIS F(英国)

英国のハンバーサイド警察は、2007年に発売されたスポーツセダン、レクサスIS Fにいち早く飛びついた。5.0Lエンジンで422psを発揮し、最高速度は270km/hに達するが、英国人ドライバーにとって興味深いのは、ローバーSD1 3500以来初のV8エンジン搭載車であったということだろう。

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コンピューター、四方カメラ、2台の無線機など、3万ポンド(現在のレートで約5万ポンド、約840万円)相当の機材を積んでいたのだから、V8は重宝されたに違いない。ハンバーサイド警察の車両犯罪課の指令車として使われていた。

24:ローバーSD1(英国)

SD1には4気筒モデルと6気筒モデルがあり、英国では多くのパトロール隊で取り締まり業務に使用されていた。しかし、交通課に配備されたのは、ビュイック設計の合金製3.5L V8エンジンであった。1987年5月のある出来事によって、その英雄的地位は確固たるものとなる。

その日、2台のローバーSD1 V8が、ロンドン北東部にあるスタンステッド空港から、ロンドン西部の病院に入院中の重篤患者に肝臓の臓器提供を行うため、時間との戦いに挑んだのだ。

高速道路M11を最高時速190km/hで走行し、ロンドンの昼の大渋滞を突っ切って、45kmの道のりをわずか31分で走破した。肝臓は無事に病院に届けられ、患者は一命を取り留めた。

23:ハンヴィー(米国)

ミシガン州ディアボーンはフォード社の本拠地として有名だが、警察車両がすべて青いセダンだったわけではない。このハンヴィーもれっきとしたパトカーである。このハンビーがどのような経緯で採用されたのかは不明だが、元軍用車両の可能性は十分にある。

2010年代、イラクやアフガニスタンから米軍が撤退し、不要になった余剰車両が全米の警察署に流れ込んだのだ。なお、民間用モデルのハマーの名は2010年に消滅したが、現在、巨大なEVとして復活している。

22:フォード・カプリ2.8i(英国)

グレーター・マンチェスター警察で愛用されたフォード・カプリ。引退したある警官は、次のように回想している。

「カプリは追跡用車両として時代の最先端を走っていた。何者にも負けないよ。ドライの時は最高だけど、ウェットの時は……たまげたよ!コーナーの進入でアクセルを踏みすぎると、必ずリアが滑るんだ。冬場は頻繁に機材を取り出し、土嚢を積んでバックエンドを抑えていたよ」

21:BMW X6(ポルトガル)

ポルトガル共和国の国家警備隊(GNR)は、隣国スペインのグアルディア・シビル(治安警察)に似た準軍事組織である。そのため、警察官も実質的には兵士であり、X6は彼らの優れた移動手段となっている。

BMW X5のスペースと性能は世界中の警察で高く評価されているが、クーペSUVのX6では実用性に欠ける。その分、見た目はややスマートだ。この車両はギャングから押収されたものだと思われる。

20:ポルシェ356(オランダ)

欧州各地の警察が導入したポルシェ356。初期型はドイツ、ベルギー、オランダ、そしてオーストリアで人気を博した。この車両は、オランダ警察が使用した約40台のうちの1台である。現存するのはわずか3台で、そのうちの1台は2014年10月に23万5000ユーロ(約3450万円)という高値で落札された。

19:クライスラー300SRTコア(オーストラリア)

オーストラリアで最も人口の多いニューサウスウェールズ州のハイウェイ・パトロールは、制限速度などの交通法規を非情なまでに効率的に取り締まっていることを、一部のオーストラリア人が残念そうに証言している。

このハイウェイ・パトロールは、V6エンジンを搭載したホールデン・コモドアとフォード・ファルコンなどの国産車からの切り替えにあたり、BMW 530 Dとクライスラー300SRTコアを導入した。

クライスラー300をベースにしたSRTコアは、6.4L HEMI V8を搭載し、最高出力476ps、0-100km/h加速4.6秒、最高速度250km/hを誇るスリリングなモデル。古き良き時代のオーストラリアを彷彿とさせるものであり、今後、このような警察車両は二度とお目にかかれないであろう。

18=アルピーヌA110(フランス)

2021年末、アルピーヌは、フランス国家憲兵隊の緊急対応チーム向けに、A110の特注車を製作した。フランス警察では、1966年に初代A110を使用していたことで有名だ。

特別なカラーリングが施され、フロントとリアに反射材デカール、ルーフにはブルーの点滅灯が装着されている。標準車と同じ1.8L 4気筒エンジンを搭載し、最高出力255ps、最大トルク32kg-mを発生させる。車内には警察無線やオーダーメイドなど、専門的な装備を多数搭載。見た目もクールだ。

18=ハイランド・ギャロン(スコットランド)

スコットランドの北部警察は、連合王国で最も高い山を含む険しい高地や島々を取り締まっている。以前は旧式のスノートラックを使用していたが、1982年に写真のハイランド・ギャロン(Highland Garron)のようなATV(全地形対応車)を導入した。

スコットランドの厳しい冬で重宝され、山岳救助や豪雪で取り残された家の人々を助けたと記録されている。重要な役割を果たしたカッコいいマシンだ。

17:フォードRS200(英国)

グループBラリーのヒーロー、RS200はキャビンの後ろにターボチャージャー付きBDAエンジンを搭載し、わずか153台が製造された。エセックス警察がRS200の正式採用を検討し、少なくとも短期間の試験運用を行ったようだ。

16:スバル・インプレッサ(英国)

コスワース・チューンのフォードを選んだ警察署もあれば、日本製の高性能車を保有した警察署もある。ハンバーサイド警察が選んだのは、このスバル・インプレッサ・ターボだった。

15=BACモノ(マン島)

アイリッシュ海に浮かぶ英国王室属領であるマン島では、毎年バイクによるTTレースが開催される。公道で行われる危険なレースとして有名で、毎年夏になると世界中のバイクファンが集まってくる。

2017年、地元警察は秩序を守るため、最高出力309ps、最高速度274km/hの「スーパーカー」を導入した。BACは英国のスポーツカーメーカーで、このモノ(Mono)は窓もルーフもない1人乗りのモデルである。

重量はわずか580kgで、0-100km/hは2.7秒。おそらく、あらゆる市販四輪車の中でもっともバイクに近い存在ではないだろうか。ドライバーは高度な訓練を受けた事故調査官である。

15=GMCサイクロン(米国)

1年限りの生産で、カルト的な人気を博した小型ピックアップトラック、サイクロン。最高出力280psの4.3L V6ターボエンジンを搭載し、0-97km/h加速4.3秒、最高速度200km/hを達成する。このトラックが警察当局に評価されたのは、その加速力であることは間違いないだろう。

14:セグウェイ(ドイツ)

最高速度20km/hの二輪バランススクーター、セグウェイ。警察の「車両」としては極めて奇妙な選択肢であるように思われる。しかし、2005年に警察向けの特別モデル「i180ポリス」がリリースされ、2006年にはシカゴから100台の注文を受けた。これに続いて、後続モデルi2の警察仕様が登場している。

2008年の北京オリンピックでは都市パトロールに使用され、歩行者の多い市街地、大学キャンパス、空港、ショッピングモールなどで見られた。セグウェイは世界で100以上の警察機関で使用されていると思われる。

13=フォード・シエラRSコスワース(英国)

最高速度240km/hのポテンシャルと四輪駆動による圧倒的なパワーを誇る、コスワース・チューンのシエラ。高速かつ悪辣な逃走車に対抗するために、まさに警察が必要としていた存在であった。

13=フォード・マスタング・マッハE(英国)

ここ数年、EVの性能が向上し、警察のパトロールに必要な長い航続距離を備えたモデルが増え、警察車両としての利用が始まっている。

英国のいくつかの警察署では、フォードのマスタング・マッハEスタンダードレンジの本格的な導入を検討し始めている。0-100km/h加速は3.7秒、最高速度180km/hとその性能は十分だろう。いつの日か、ほぼすべてのパトカーがEVになるかもしれないが、まだスタート地点に立ったばかりだ。

12:ホンダNSX(日本)

伝説のF1ドライバー、アイルトン・セナ(当時、マクラーレンはホンダのエンジンを搭載していた)の協力を得て開発されたことで知られるNSXは、今でも日本を代表するスポーツカー、スーパーカーの1つである。栃木県警の高速隊に配備されたNSXは、ホンダから寄贈されたもの(県内に工場があった)で、今も現役のようだ。

初代ホンダNSXは3.0L V6エンジンを搭載し、最高出力280馬力、最高速度270km/hを誇る。

11:ルノー・メガーヌRS(フランス)

フランスの高速道路では、国家憲兵隊のルノー・メガーヌRSがよく走っている。2011年以来、ルノー最速かつ最強のモデルとして君臨してきたメガーヌRSは、ターボチャージャー付き4気筒エンジンを搭載し、スピード違反のドライバーを追いつめるのに十分な性能を持つ。

少なくとも、国家憲兵隊のもう1台の愛車である最高出力90psのターボディーゼルエンジンを搭載したプジョー・パートナー(リフターの商用版)よりも、この仕事に適していることは間違いない。半世紀前に使われていたアルピーヌA110の現代版に相当するだろう。

しかし、残念なことに、メガーヌRSに残された時間はあとわずか。詳細は未確認だが、維持費がかかりすぎるため、国家憲兵隊は押収した高出力モデルと入れ替える予定だという。

10:アウディR8(ポルトガル)

このR8を最初に所有したのは、アルゼンチン代表のサッカー選手、アンヘル・ディ・マリアである。ところが、その次のオーナーは、どうやら麻薬の売人だったようだ。ポルトガルの警察当局は2014年にこの車両を押収し、いつもは売却するのだが、公共治安警察(PSP)で使用することにした。

9:フォード・エスコートRSコスワース(英国)

シエラRSコスワースの次に登場したエスコートは、最高出力233psの2.0Lターボエンジンを搭載し、最高速度240km/hを誇るラリーカーのホモロゲーションスペシャルモデルである。

こちらはイングランド北部のノーサンブリア警察が走らせていた車両。1992年から1996年にかけて7154台が製造されたエスコートRSコスワースだが、現存する個体はますます貴重になっている。

8:ポルシェ964型911(オランダ)

ポルシェの911、しかもカブリオレだ。オランダの国家警察(Rijkspolitie)は1960年代、速度制限のなかった高速道路を取り締まる任務を担っており、そのために速いクルマが必要だったのである。

この964型911 カブリオレをはじめ、さまざまなポルシェが最終的に507 台導入されている。残念ながら1993年に警察組織の再編成により国家警察は解体され、オランダからポルシェのパトカーは姿を消してしまった。

7:ダッジ・ヴァイパー(米国)

この2000年モデルのダッジ・ヴァイパーは、もともと個人所有の車両であった。元オーナーはイリノイ州プレインフィールドで、時速35マイル(約56km/h)ゾーンを時速127マイル(約204km/h)で走り、警察から逃れようとしたが失敗。元オーナーはあえなく捕まり、ヴァイパーも警察に押収され、ハイウェイ・パトロールの一員として「更生」の道を歩んでいる。

6:スズキ・ジムニー(イタリア)

先代のジムニーは20年近く生産され、世界各国で小型SUVの市場シェアをかなり独り占めしていた。2018年に登場した新型は、タフなルックスと実用性に優れたインテリアを備えている。

イタリアのカラビニエリ(国家憲兵隊)も新型ジムニーを導入したが、山岳地帯では間違いなく重宝されることだろう。しかし、厳しい排ガス規制のため、欧州での乗用モデルの販売期間は非常に短かった。ちなみにカラビニエリでは、ロータス・エヴォーラSも複数運用している。

5=ポルシェ911タルガ(オーストリア)

ポルシェのバッジを冠したクルマが最初に作られたのはオーストリアだったので、同国の憲兵隊が911を採用したのも当然といえるだろう。オランダ、ベルギー、ドイツ、オーストリアの各警察は、ハイウェイ・パトロールに911を配備していた。

写真の911 Tタルガはリアワイパーを装備しているのが特徴だ。しかし、大人3人を乗せるのは難しい……。

5=フェラーリ458イタリア(チェコ共和国)

ここまで見てきたように、多くの警察組織が押収車両をパトカーに改造している。チェコ共和国では通常、押収した車両は売却して政府に返還されるが、この2011年モデルのフェラーリは特別だった。

もともとは赤色だったが、2022年に1万1000ドル(約160万円)ほどかけて再塗装され、パトカーに生まれ変わった。チェコ当局によれば、高度に訓練されたドライバーが搭乗し、盗難車の追跡や違法なストリートレースの取り締まりに使用されるという。このようなクルマのお世話になるのも悪くはない気がするが……。

4:メルセデス・ベンツSLK(ブルガリア)

SLKは発売当時、スタイリッシュで絶大な人気を集めたが、なぜブルガリア警察がSLK 200を選んだのかはよくわからない。2人乗りだし、そんなにスピードも出ないし、装備の積載量も少ない。

どうやら1台しか運用されていないようなので、不運な悪党から押収され、健全な任務に就かされたとしか考えられない。

3:フォード・コルチナ・ロータス Mk2(英国)

フォードのホットセダン、コルチナ・ロータス Mk1の二番煎じ。先代のように想像力をかき立てるものではなかったが、ロータスの1.6Lツインカムエンジンを搭載した、とても愛らしい(そして速い)クルマであることは変わらない。

2:BMWイセッタ(ドイツ)

ドイツの警察官全員が、V8エンジンを搭載したBMWのセダンに乗れるほど幸運だったわけではない。ほとんどの警官は、排気量298ccの2気筒エンジンを搭載した小さなイセッタに乗らなければならなかった。ドイツ版のミニパトといったところか。もちろん速くはない。しかし、間違いなく注目に値する車両だ。

1:アルピーヌA110(フランス)

アルピーヌの新型A110も、かなりカッコいいが……。AUTOCARが選ぶ最も面白いパトカーは、やはり初代アルピーヌA110だ。このオールドスクールな写真にも惚れ惚れしてしまう。1966年、フランス国家憲兵隊は、国中に厳しい速度制限が制定された際、少数のA110を導入した。

1296ccの4気筒エンジンは、125psを発生する。0-97km/h加速は8.2秒、最高速度215km/hと、当時としては軽快な走りを見せた。だが、クーペの狭苦しいキャビンに悩まされたのか、1970年代初頭にはシトロエンSMが高速隊に加わることになる。

初代A110は、1961年から1977年にかけて8201台が製造された。アルピーヌ自体は1973年にルノーに買収されている。

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みんなのコメント

2件
  • そのまま日本へ持ってきたら、タクシーと間違えられそうな塗り分けの車もあるね。
  • シエラRSはまだわかるけど、エスコートRSコスワースまでパトカーになってたとは知らなかった
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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