ミサノ・サーキットでMotoGP第13戦サンマリノGPの決勝レースが行なわれた。優勝はグレシーニのマルク・マルケスだった。
サンマリノGPのポールポジションを獲得したのは地元戦のフランチェスコ・バニャイヤ(ドゥカティ)。ただスプリントレースでは4番グリッドのホルヘ・マルティン(プラマック)が勝利したため、タイトル争いのリードを26ポイントまで広げられた状態で決勝を迎えている。
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なおサンマリノGP決勝では、レプソル・ホンダのライダーがふたりとも欠場する事態となった。ジョアン・ミルは初日から胃腸炎で欠場が続いていたが、ルカ・マリーニも3日目は体調不良によって欠場することになったためだ。
MotoGPクラス決勝前にはわずかに雨が降り出し、マシンの乗り換えを許可するホワイトフラッグが掲示された。そのため、天候変化に合わせてレインタイヤ装備のバイクへと乗り換えできるようになった。
そんな状態で始まった全27周の決勝スタートはポールシッターのバニャイヤが上手くターン1を先頭で駆け抜けていき、マルティン、フランコ・モルビデリのプラマック組が続いた。
4番手以下にはスタートでジャンプアップしたペドロ・アコスタ(GASGAS)、ブラッド・ビンダー(KTM)、エネア・バスティアニーニ(ドゥカティ)、そしてマルケスという面々で、彼らも大きく離されることなく先頭集団を追いかけた。
レース序盤の5周目、3番手を争っていたアコスタがターン14で転倒してしまった。コースには戻ったものの、最後尾までポジションは落としてしまった。
トップ争いはバニャイヤ、マルティン、そしてモルビデリが集団となり後方を引き離していた。4番手のバスティアニーニに対しては2.5秒差という状況だ。
7周目には、3番手のモルビデリがターン1で転倒。スプリントレースからの連続表彰台のチャンスを失ってしまった。
この頃になると雨量が増えつつあり、ライダー達は一様にペースダウン。各チームのピットでもレインタイヤのマシンが準備され始めた。
そして8周目、マルティンは直前で大きくコースオフしたこともあってかいち早くピットインし、レインタイヤを履くバイクへの乗り換えを選んだ。
コース上では雨をきっかけにバニャイヤがペースダウン。8番手ライダーまでが一気に接近し、ひとつの集団となった。そして濡れ始めた難コンディションの路面を御したマルケスが、一気にバニャイヤ達を抜き去って9周目にトップへ浮上した。
雨はこのまま悪化するかと思われたが、その後は大きく雨量が増えることがなくコンディションは改善。乗り換えを選んだマルティンは大きくタイムロスする結果となった。
結局マルティンは10周目に再びドライタイヤを履いたバイクへ乗り換えなくてはならず、周回遅れに……ギリギリポイント圏内の15番手につけたが、タイトル争いを考えると相当な痛手だ。
その後トップ争いはマルケスとそれを追いかけるバニャイヤが抜け出して行き、3番手を約1.5秒差でバスティアニーニが走るという状況となった。
先頭を走るマルケスとバニャイヤのギャップは約0.5秒ほど。若干接近したり離されたりを繰り返し、膠着状態が続いた。同時に3番手のバスティアニーニも徐々に近づきつつあった。
残り10周を切っても、トップ3の争いは互いが同じようなペース。全く状況に変化がなかった。一時は前との差が1秒を切っていたバスティアニーニも、結局それ以上接近できずに1.5秒差へ戻ってしまった。
マルケスは終盤となった残り8周をチャンスと見たのか、スパートを開始。1分31秒564のレースファステストラップを記録し、バニャイヤを引き離しにかかった。
スパートをかけるマルケスは、残り5周でギャップを約1.5秒まで拡大。転倒やミスがなければ勝利は確実と言えるリードを築いた。
その後もマルケスはペースを落とすことなく走り、最終的に3秒差をつけてトップチェッカー。前戦アラゴンGPのドゥカティ陣営移籍後初優勝から、2連勝を収めて完全復活を印象つけた。チームの創設者である故ファウスト・グレシーニをトリビュートした特別カラーでの勝利に、スタッフたちも大きく沸いた。2位はバニャイヤで、3位はバスティアニーニだった。
ポイントリーダーのマルティンは雨が降り始めた際のピットインの判断が裏目となり15位。なんとか1ポイントは持ち帰ったが、レース前26ポイントもあったリードは一気に7ポイント差まで削られてしまった。
中上貴晶(LCRホンダ)はこの荒れた展開となったレースを生き残り、13位でゴール。ポイントを獲得した。
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