マカオのギア・サーキットで開催されている2024年のFIA FRワールドカップ(マカオGP)。今年はフォーミュラ・リージョナル車両によって競われているが、難攻不落のコースに悪コンディションも拍車をかけ、走行初日からアクシデントが続発している。
11月14日(木)から走行が開始されたマカオGPは初日からウエットコンディションとなったため、若手ドライバーたちにとっては難しい状況となった。同日の予選1回目では5度の赤旗が出され、翌15日(金)も朝のプラクティスは雨。その後行なわれた予選2回目が、初めてのドライセッションとなった。したがって、雨の予選1回目のタイムはほぼ無意味となった。
■佐藤琢磨、マカオGPに挑む息子・佐藤凛太郎にエール。自身も2001年に勝利「素晴らしいチャンスをいただいた……精一杯走ってみてもらいたい」
ただ、多くのドライバーがマカオ初体験という中、いきなりフルスピードでギア・サーキットを駆け抜けることになったため、リズムを掴めずウォールにクラッシュするドライバーが相次いだ。予選は40分間のセッションだったが、アクシデントで赤旗が出され、再開されてはまたどこかで誰かがクラッシュし……という展開が繰り返され、最終的に予選終了までに約1時間40分を要した。その間出された赤旗の数は7回で、前日の予選1回目も合わせると計12回という波乱ぶりとなった。
マカオ初体験の日本勢も苦しめられ、7回出された赤旗の原因となった。佐藤琢磨の息子であり、TGM Grand Prixから参戦する佐藤凛太郎は、山側区間の難所であるモーリッシュでバリアにヒット。ブラインドコーナーでコースを塞ぐ形となり、その後ろを走っていたプレマのアレックス・ダンとディノ・ベガノビッチも避けきれずに佐藤に接触してしまった。
TOM'Sから参戦の中村仁と小林利徠斗も、Rベンド、フィッシャーマンズベンドという海側高速区間でそれぞれクラッシュ。なお中村に関しては、他車に追突されてのクラッシュだという。またTGM Grand Prixの小川颯太もプラクティスでクラッシュしている。
そんな波乱の予選を制してポールポジションを獲得したのは、マクラーレン育成の17歳、ウーゴ・ウゴチュクだった。2番手はオリバ・ゲーテ、3番手はノエル・レオンで、いずれも昨年のマカオGPに出走しているドライバーがトップ3につけた。日本勢最上位は中村の13番手だった。
このように多くのアクシデントが発生したことから、主催者は金曜夕方に臨時のブリーフィングを実施。全選手を招集して現状について話し合ったという。
予選2番手のゲーテは、ドライコンディションで走った経験が全くない状態で予選を迎えたことが、アクシデント多発の原因だと考えている。ゲーテも昨年マカオを走っているとはいえ、フォーミュラ・リージョナル車両で走るのは初めてであった。
「このクルマではドライコンディションで走ったことがなかったので、限界を見つけるのに少し時間がかかった。この状況では簡単にミスをしてしまう」
「クラッシュしたドライバーの中には、大きく出遅れている人もいて、遅れを取り戻そうとクレイジーにプッシュしなければいけないと考えていたんだろう」
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