この記事をまとめると
■ひと昔前のモーターショーでは展示車両の近くにコンパニオンのお姉さんが立っていた
F1がグリッドガールを廃止して4年! レースクイーンが文化として根付く日本から見ると「謎の選択」はナゼ?
■今回のモビリティショーではコンパニオンの数が少なく露出も控えめな衣装が目立った
■海外では「男女平等」の声が強く、そもそもコンパニオンという存在が減少傾向にある
ジャパンモビリティショーのコンパニオンは大人しい印象に
ジャパンモビリティショーが11月5日に閉幕した。オートショーの見どころといえば、魅力的な新型車が一堂に集まり見るだけではなく触ることもできること。さらにそれら展示車の横で華を添えるコンパニオンのお姉さんであった(あえて過去形)。
今回のジャパンモビリティショーは、残念ながら仕事の都合もあり、正式開幕前のプレス向け公開日(プレスデー)しか出かけることができなかった。そのとき会場内を見まわしても、各出展ブースの受け付けには若い女性がいることが多いものの、「コンパニオン」と呼べるような女性の姿はほとんど見かけることができなかった。
受付の女性の衣装も肌の露出が少なく、かなりオーソドックスなもので、きわどいものはほとんど見かけなかった。一般公開日に訪れたという知人に聞いても、「そんなに目立たなかったなぁ」という感想を聞いている。
そもそもかなり以前から、欧米先進国における国際格式オートショー(世界的に有名なショー)では、すでに欧米各国では女性の社会進出もめざましく、男女平等が強く叫ばれる世の中になっていたこともあり、「コンパニオン」という存在はほぼなかった。
バブル経済という、いまの世の中からは信じられないころ、日本が豊かで盛り上がっていた時代の東京モーターショーでは、会場じゅうにコンパニオンのお姉さんが溢れかえっていた。ある開催年には、あるメーカーのコンパニオンの衣装が過激すぎると問題になったほどである。
そうこうするうちに、コンパニオンに応募するようなモデル事務所に所属している女性たちから、東京モーターショーのコンパニオン人気が下がり、「あまりやりたくない」という声まで聴かれるようになった。
事情を探ってみると、新車やコンセプトカーの横に立ち、笑顔をふりまき、撮影に応じるだけという仕事への不満があるとのことであった。それだけでは、その後のキャリアアップにはつながらないというのである。
それよりは、自分の言葉で商品説明やプレゼンテーションをする「テレビアシスタント」のような仕事のほうがキャリアアップにつながるということで人気が高まっていったというのである。つまり、「絶対的な人気稼業」というわけでもなくなっていたと言える。
また、日本でも、ここ数年は政府が「男女共同参画社会実現」などを意識した政策を実行するようになっており、そのような社会環境のなかで、いままでのような形で若い女性コンパニオンが会場に溢れるのは、時代に逆行するとの主催者などの判断もあったのかもしれない(控えめながら、まだ会場内にいるだけでも良かったといえるかもしれないが)。
世界的に見ても女性コンパニオンの数は減少しつつある
中国の北京や上海、広州などで開催されるオートショーが世界的に話題になりはじめたころは、前述したバブル経済のころの東京モーターショーのように、どのブースでもコンパニオンのお姉さんがたくさんいて、高価な撮影機材を携えた「カメラ小僧」ならぬ「カメラオジサン」が多数会場内に出現した。ライトなど機材を持ったアシスタントを同行させている猛者までいた。
当時の中国メーカーでのコンパニオンは、各地元出身の女性が採用されることが多かった。例えば重慶市が地元のメーカーなら、重慶市でオーディションを行い、重慶出身の女性が採用されるといった具合だ。ただし、コンパニオンのなかには、幹部役員の愛人が交じっていることも多かったとの話も聞いたことがある。
年々衣装の露出が激しくなっていくなか、2015年前後から中国における1級都市(中国は都市毎にランクがある)となる、北京や上海でのオートショーでは、単純な女性コンパニオンの配置が禁止となった。
そして、それに代わって登場したのが「女性商品説明員」。単に容姿だけで採用するのではなく、商品知識などについて筆記試験も行われた。採用されると、若干派手気味なビジネススーツを着用し、それぞれが担当する車両について、来場者からの質問に答えることも業務のひとつとして要求されるようになった。
カメラを向けると撮影には応じてくれるのだが、撮影を頼むのも遠慮したくなるほど、説明に追われることも多く、彼女らはじつに多忙そうに見えた。
北京や上海並みに注目される規模での開催となる広州ショーの場合、広州市は2級都市となることもあるのか、筆者が最後に訪れた2019年のショーでは、コンパニオンと呼んでいい存在の若い女性が会場に溢れていた。
ただし、中国のオートショーはもともとバランスを保とうと努力していたのか、ワイルドなクロカンとも呼べる4WD車などの横には、半裸で腹筋が綺麗に割れているムキムキの男性モデルなどを配置するメーカーも目立っていたのが印象的であった。
中国では一部「規制」が入ってしまったが、筆者が訪れた国の範囲で見れば、インドや東南アジアはまだまだコンパニオン天国となっている。
とはいうものの、タイの首都バンコクで開催されるオートショーでも、新型コロナウイルス感染拡大後になると、感染予防もあるのか若干コンパニオンのお姉さんが減っているようにも見える。逆にインドネシアの首都ジャカルタ開催のオートショーでは人数が増加傾向にあるように見受けられる。インドもインドネシアと状況は近い印象を受けた。
「格好いいクルマに乗っていれば女性にモテる」、昭和のころの男子のほとんどはそう考えていたし、実際にその傾向は否定できなかった。男女で免許取得率にまだまだ差があった時代でもあり、クルマという世界がいまよりも男くさい時代だったので、モーターショーの来場者も男性が多く、ショーにおいてコンパニオンの存在は客寄せ効果も高かった。
しかし、令和の時代となると、そのような光景を不快に思う人も増えてきているのも間違いないだろう。
いまはまだコンパニオンのお姉さんで溢れる東南アジアなどのオートショーでも、社会の成熟とともにコンパニオンが減っていくことは十分にありえる話。多様化していく社会に対応していくなかでは自然な流れなのかもしれないが、昭和時代をよく知る筆者のようなオジサンには、オートショーの風物詩のひとつが風前の灯火のように見えるのは、やはり一抹の寂しさを覚えてしまう。
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みんなのコメント
そんなにコンパニオンたちが嫌いなの?
私は車も好きだけど彼女たちも大好きです。(笑)
コンパニオンに限らず基本的にお仕事頑張っている人は肯定します。
演出の一環としてありなんじゃないの?
今の日本は批判で溢れています。職場、家庭はもちろんのこと、街のあちこちで店員いじめや駅員へのクレームを目にします、なんでも文句ばかり言っていたら疲れるよ。人生もっと気楽に楽しもうよ!
はい!右ポッチどうぞ!(笑)
色気求める心、楽しむ心なくなると人来なくなるよ。