■オフロードで試した新型ランドクルーザー
新型ランドクルーザー(300系)は今年8月2日に発売。コロナ禍にあってまずは車両貸し出しによるオンロード試乗となったが、やはりオフロード試乗を希望する声がトヨタ広報部や開発陣に多く寄せられ、プレス向けの試乗会が実現した。
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しかも! 試乗車にはプラドと70バン(2台とも都合により豪州仕様)も用意。ランクルシリーズと直接乗り比べることで、300系(以下ランクル)の「どこがどうスゴいのか」がハッキリわかるのだ。
ランクルの試乗は、マルチテレインセレクト(MTS)に新設されたオートモードでトライした。トランスファーはもちろんL4を選択。フルタイム4WDのセンターデフは基本的にフリーのままだ。
ジャングルのような細い屈曲路、圧迫感のある急登坂に急降坂、深いわだち、水深70cmのウォーターセクション、鬼のようなモーグル、そして見上げるような岩石登坂。さまざまな「道なき道」を走ってとにかく実感するのは、圧倒的な乗りやすさだ。
電動式の操舵アクチュエーターを組み合わせた信頼の油圧式パワーステアリングは、操舵力が軽くじつに洗練されている。未舗装路でも手応えのあるプラド、ダイレクトで重い70バンに比べれば、まさに今どきの乗用車的な感触だ。さらにうれしいのは、極悪路でキックバックを気にしなくていい点。70バンはステアリングを左右に強く取られる岩石路で突き指しそうなほどだが、そんな心配はいらない。
ガソリン/クリーンディーゼル揃い踏みのV6ツインターボエンジンは、ともに扱いやすく、逞しさにあふれる。3.5Lガソリンでもクリーンディーゼルのプラド2.8Lや同じく70バンの4.5L・V8を上まわるトルクを発揮。NAだった先代200系の4.6L・V8ガソリンと比較しても、パワー/トルクともに軽く凌駕。先代に対しては、約200kgも軽量になった車重も奏功している。
新開発の3.3Lクリーンディーゼルに至っては、7Lガソリン並みのトルクを1600回転から発揮する。アクセルに足を乗せる程度で急勾配を何事もなく登る底力は、ただ凄いのひと言だ。3.5Lガソリンもそうだが、超クロスレシオ&ワイドレンジを実現した10速ATの存在も見逃せない。
路面状態にかかわらず力強く安定した駆動力も、ランクルの大きな武器だ。路面追従性を高めたサスペンションの基本性能と、システム一新で格段に緻密さを増したパワートレーン/ブレーキ/サスペンションの統合制御の相乗効果だ。MTSのオートモードは車速や4輪の空転具合などから走行状態をフィードバック。ほかの5つのモード(ダート/サンド/マッド/ディープスノー/ロック)から路面に最適なモードを自動選択してくれる。
基本性能の高さは車両姿勢の安定性にも表れる。1輪が大きく浮いてしまうモーグル路で車両がシーソーのように一気に傾いても、姿勢変化のスピードは穏やか。また、ステアリングを切るとアウト側に横転しそうな逆バンクの屈曲路でも、ワイドトレッドの踏ん張りと低くなった重心で安心感は抜群だ。
■一番快適なのはどのグレード?
進化したマルチテレインモニターも、じつに心強い。12.3インチに大型化されたうえ画像は鮮明で、運転席から目の届かない見えない車両周辺の路面状況をクッキリ映し出す。見やすさも抜群で、うっかりするとモニターだけを見て運転しそうになるほど。
この乗りやすさは快適性も重要な要素になっている。極悪路でもサスペンションの振動やショックはじつにマイルドで、ボディの揺れも少ない。あらゆる場面でノイズが大幅に低減し、静粛性も向上している。クロールコントロールにしても、プラドでは「ガガガッ、ゴゴゴッ」と絶え間ない4輪ブレーキ制御の作動音が一掃されているのだ。
さて、今回ランクルは3つのグレードに試乗した。シャシーにそれぞれ違いがあり、その点にも触れておきたい。
まず、ガソリン7人乗りのベースグレード、AX。じつは電動操舵アクチュエーターが付くのは1つ上のVXからで、AXは従来どおりの油圧パワステだ。操舵力はアクチュエーター付きほどではないがプラドより軽く、扱いやすさや質感はこれでも十分だ。
減衰力可変サスのAVSを装備するのは、VXより1つ上のZXからだ。オフロードで感じるノーマルモードの乗り心地は、VX以下の標準サスと基本的に変わらない。違うように感じたのはタイヤが完全に浮くモーグル路。L4レンジでAVSも新開発のオフロード制御に切り替わり、車両姿勢がさらに安定する。
そして、GRスポーツは電子制御化したE-KDSSを新搭載。スタビライザーのロック/フリーを走行や路面の状況に応じ前後独立できめ細かく切り替えできるようになった。これによって、世界トップレベルのホイールアーティキュレーションを実現。また、オンロードで体感した、ZX以上に路面の細かい凹凸まで追従するバネ下の動きは、オフロードでいっそう確かに感じられる。頭や体の揺すられ方が明らかに少ないのだ。
新型ランクルは身震いするような極悪路でさえ、驚くほど簡単・スムーズ・快適に走破してしまう。このような悪路を現実に仕事や生活で毎日のように走る必要があれば、誰もがランクルを選びたくなるはずだ。「どこへでも行き、生きて帰ってこられるクルマ」。その実力の一端を垣間見た。
〈文=戸田治宏 写真=澤田和久〉
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みんなのコメント
その記事がほぼゼロの
詐欺のような内容。
たまげた。
日本ではこの試乗コースのような場所を探す方が難しい。
おそらく数多のランクルたちは本領を発揮することなく輸出されていくだろう。