シャシーもボディもカーボンファイバー製
発表から10年が経ち、生産終了から3年が経過しても、アルファ・ロメオ4Cの注目度は高いまま。バトンタッチするようにアルピーヌA110が登場し、ライトウエイト・ミドシップの魅力を伝播してくれているものの、エモーショナルな4Cも霞むことはない。
【画像】ファンを魅了した軽量ボディ アルファ・ロメオ4C 8CとSZ ジュリア GTAmも 全99枚
現在、英国市場に存在する4Cは475台。近年まで中古車として流通する数は限られていたが、ここ数年は増加傾向にある。執筆時点で20台が売りに出ており、4万4000ポンド(約796万円)前後の値段が付けられている。
4Cには、オリジナルのクーペだけでなく、2015年にスパイダーも追加されている。新車時の英国価格は、クーペで5万2000ポンド、スパイダーで5万9500ポンドだった。
アルファ・ロメオのファンなら釈迦に説法かもしれないが、スポーツカーは飾っておくより運転した方が堪能できる。4Cの中古車の走行距離は、この種のモデルとしては比較的長めといえ、約4万8000kmを刻んだ例も含まれるようだ。
シャシーは、高強度なカーボンファイバー製タブを中心に、前後へアルミニウム製のサブフレームが組まれた構造。ボディパネルもカーボンコンポジット素材で、衝撃の吸収性は高い。しかし、過度な力がかかると割れてしまう。
サスペンションは、フロントがダブルウィッシュボーン式で、リアがマクファーソン・ストラット式。ステアリングにはパワーアシストが備わらない。
クーペで925kg クルマ好きを魅了するボディ
ミドシップされるエンジンは、最高出力240psを発揮する1.75Lの直列4気筒ターボガソリン。ウルトラクイックな変速を決める6速デュアルクラッチATを介して、リアタイヤを駆動した。
車重は非常に軽く、クーペで925kg。スパイダーでも1080kgに留められ、0-100km/h加速を4.5秒でこなす。中間加速は、この数字以上に鋭く感じられる。
スタイリングはエレガントでダイナミック。多くのクルマ好きを魅了したが、AUTOCARでは、発表直後に傷んた路面で露呈する操縦性の乱れを指摘した。実際、アルファ・ロメオはサスペンションへ調整を加えるため、初期型へリコールを出している。
最初に提供された4Cが、クーペのローンチエディション。専用色で塗装され、前18インチ+後19インチのテレダイヤル鍛造アルミホイールを履く。カーボンカバー付きのLEDヘッドライトと、専用サスペンション、レース・エグゾーストも装備した。
2015年のスパイダー追加とともに、ステアリングとサスペンションには更にチューニングが施され、上質なレザーインテリアも与えられた。2016年には、大径ホイールとレース・エグゾースト、専用色で仕立てられたスパイダーの特別仕様も登場している。
希少価値が高いのは、2018年に発表された4C コンペティツィオーネ。しかし2019年にクーペの生産が終了し、2020年にはスパイダーもラインナップから消えてしまった。
今後の価格上昇は充分に考えられる
4Cの中古車を探す場合、装備されていてうれしいオプションがアクラポビッチ社製のエグゾースト。排気音の大きいレース・エグゾーストと専用サスペンション、18インチ+19インチのホイールがセットになった、レース・パッケージも望ましい。
マニアの多いブランドだけに、アフターマーケット・パーツも数多く用意されていた。4Cを複数所有するジョー・クイン氏は、ロッソレッド塗装にブラックレザー内装の2017年式がオススメだと話している。
もしご感心をお持ちなら、流通量が増えつつある今が狙い目。今後、価格が上昇することは充分に考えられる。
新車時代のAUTOCARの評価は
アルファ・ロメオ4Cは、乗り手を選ぶかもしれない。しかし、優れたドライバーズカーであることは間違いない。ポルシェ・ケイマンの方が、大人なチョイスだという人もいるだろう。筆者もそれには同意する。通勤にも便利だと思う。
しかしアルファ・ファンの英国人なら、そんな比較を気にする必要はない。そもそも、ドイツのポルシェのことは視界にないだろう。台数の限られた4Cのオーナーは、他とは異なる秀でたドライバーズカーだと理解できるはず。(2014年2月9日)
オーナーの意見を聞いてみる
アモン・オハラ氏
「2016年式のアルファ・ロメオ4C スパイダーを、2年ほど所有しています。1200ポンド(約22万円)かけて、アルファの専門ショップでタイミングベルトは交換済みです」
「同時にサスペンション・ジオメトリも調整してもらいましたが、路面変化へ逐一反応するような、オリジナルの設定の方が自分好みではありました。284psへパワーアップさせていますが、ノーマルの240psでも充分速いです」
「飛び石傷を避けるため、フロントノーズにはプロテクションフィルムを貼っています。イエローのボディカラーは個性的ですが、走りも個性的。信頼性は悪くないと思います」
購入時に気をつけたいポイント
エンジン
積極的に回しても、エンジンは11万km以上耐えられることがユーザーによって証明されている。通常のエグゾーストでは、ターボやプリテンショナー、バルブなどのメカノイズが良く聞こえる。レース・エグゾーストなら、刺激的な排気音を楽しめる。
メーカーが推奨する整備間隔は、英国では1万9000km毎か1年毎。タイミングベルトは、9万6000km毎か5年毎の交換が推奨されている。
弱点といえるのが、オルタネーター。バッテリー管理ユニットが、正常に充電できていないと誤った判断を出すことがあるという。
エグゾースト
ノーマルのエグゾーストシステムの場合、フレキシパイプの破損によって、アイドリング時に激しく振動することがある。サイレンサーの状態も確かめたい。
トランスミッション
試乗が可能なら、6速デュアルクラッチATの状態を入念にチェックしたい。変速にもたついたり、不意にニュートラルが選ばれるなら、エラーコードを消して再確認する。
エンジンを何度か再始動することで、リセットされる場合がある。あるいは、アルファ・ロメオのディーラーでソフトウエアをアップデートすれば、解決できるはず。それでも駄目なら、大きな出費を覚悟したい。
アクセルペダルを放した状態でのシフトダウン時に衝撃を感じたり、変速時にクラッチが滑るような印象を報告するオーナーもいるようだ。
シャシーとサスペンション
定期的に、各部のボルトの増し締めが必要。サブフレームは錆びることがある。
初期型の場合は、ロワー・ウィッシュボーンのメインブッシュから異音がないか、ステアリングホイールを回して確かめる。アッセンブリ交換となるが、後期型ではブッシュが強化され寿命が伸びている。
操縦性が神経質だと感じる場合は、タイヤ交換も有効。ミシュラン・パイロットスーパースポーツの方が、オリジナルのピレリPゼロより落ち着きが増すようだ。
ボディ
カーボンコンポジット素材のボディは柔軟で、多少の変形なら元に戻る。塗装も柔らかく、擦り傷が付きやすい。プロテクションフィルムが貼ってあるなら、大切に乗られてきた証拠といえる。リアのハイマウント・ストップランプが点灯するか確かめたい。
インテリア
サイドシルは太い。衝撃を受けた痕跡がないか観察する。ダッシュボード表面が剥がれていたり、気泡が浮いていないか確かめる。炎天下に長期間停めていると、内装は劣化しやすい。修理は安くできないと考えたい。
知っておくべきこと
アルファ・ロメオ4Cには、DNAと呼ばれるダイナミック・コントロールシステムが実装してある。エンジンとブレーキ、サスペンション、トランスミッションのレスポンスが、統合的に制御されている。
Dのダイナミックが最もダイレクトだが、Nのノーマルが普段使いでは最適。Aのオールウェザーはホイールスピンを抑えるため、エンジンの出力が調整される。渋滞時にはAを選ぶべき、とするオーナーもいるようだ。
レース・モードも備わり、アンチスリップ機能がオフになる。だが、スタビリティ・コントロールはオフにできない。
英国ではいくら払うべき?
4万2000ポンド(約760万円)~4万4999ポンド(約813万円)
2013年式から2016年式までの4Cを、英国では探せる価格帯。走行距離は5万km以下が殆ど。
4万5000ポンド(約814万円)~4万7999ポンド(約867万円)
アルファ・ロメオのディーラーが販売する、2016年式から2017年式の4Cが中心。走行距離は3万km前後へ短くなり、タイミングベルトが交換済みの例も含まれる。
4万8000ポンド(約868万円)以上
希少なローンチエディションや、特別仕様のスパイダーなどが英国では選べる価格帯。走行距離は2万km前後が多いようだ。
英国で掘り出し物を発見
アルファ・ロメオ4C 登録:2017年 走行距離:2万6500km 価格:4万7950ポンド(約867万円)
レッドのボディにブラックのインテリアが組み合わされた、ディーラーが販売する1台。レース・エグゾースト付きのレース・パッケージが装備されている。タイミングベルトは交換済み。
ホイールはスタイリッシュなテレダイヤル。タイヤは新品のミシュラン・パイロットスポーツ5を履く。
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