コース外でのトラブル＆スキャンダルが続くF1。ハミルトンも警鐘鳴らす「極めて重要な瞬間を迎えている」

　2024年シーズンがバーレーンで開幕したばかりのF1だが、現在はレース以上にコース外のトラブルの方が話題となってしまっている。

　一連の騒動はまず、レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表が女性従業員に対する不適切行為の疑惑をかけられたことから始まり、そのニュースは世界中を駆け巡った。そして最近では新たに、FIAのモハメド・ベン・スレイエム会長が、F1が主催するラスベガスGPの開催を妨害したとの疑惑が持ち上がっている。

　2007年からF1を戦っているルイス・ハミルトン（メルセデス）は、こういったコース外での出来事が話題を独占している状況について尋ねられると、その影響を懸念していると明かした。

「レースを愛する者として、今起きていることを見てがっかりしているのは確かだ。外から見ている分には、良いように見えない」

「このスポーツにとっては、その価値を示し貫き、自らの行動に責任を取るという極めて重要な時だと思っている」

「透明性は鍵になる。そしてこのことで何か前進が見られることを望んでいる」

「このようなことが続く1年にならないことを願っているけど、これはこのスポーツが抱える問題点を浮き彫りにするものでもある」

「ダイバーシティ（多様性）、インクルージョン（包括性）について話をする上で重要なのは、例えばこの環境で人々が心地よく感じられるようにすることだったりする。そして今がそういう環境でないのは明らかだ」

　ハミルトンはまた、ファンが自分たちレース関係者やスポーツを信じることができる状況をつくる必要があると語った。

　そして、“ピラニア・クラブ”とも称される欲にまみれたF1の世界には慣れたかと尋ねられたハミルトンは、次のように述べた。

「ああ、そうかもね。何と言えば良いのか分からない」

「そういった一面は僕の好きなものではない。でもビジネスではこういったことがつきものなんだろう。面白いものだね」

　レッドブルは現在、調査を経てホーナー代表が潔白であると主張しているが、新たなリークが報じられたり、マックス・フェルスタッペンの父であるヨス・フェルスタッペンとホーナー代表との不和が報じられたりするなど、その余波はおさまる気配がない。ハミルトンは、マクラーレン時代にロン・デニスのリーダーシップが疑問視された時に同じような経験をしたとして、次のような見解を述べた。

「僕もマクラーレン時代に似たような経験をしたんだ。自分たちのリーダーに疑問符がつけられ、難しい時期を過ごした。それは全員に影響を与えたんだ」

「思い返すと、ロンがいなくなった時、例えばロンがやったことや僕たちが踏まなければいけなかったステップは（チームに）大きな影響を与えた」

「リーダーというのはとても重要な存在で、チームの核となるような価値観、チームの方向性を示す。そして同じように重要な役割を担っている部下たちがたくさんいる一方で、そのリーダーこそが、チームの行き先を決めるんだ」

　今もF1での競争を愛し、楽しんでいるというハミルトン。彼は今季限りで10年以上所属したメルセデスを離れ、2025年にフェラーリへと移籍する。

「僕がこのスポーツで好きなのはチームの要素だ。競争し、みんなでベストを尽くすことが好きなんだ」とハミルトンは言う。

「チーム内の全員が同じ方向に向かって漕ぎ出し、ほとんど達成不可能なものを追い求める。信じられないようなことだ。世界選手権で優勝することは、信じられないようなものだ」

「そして接戦……それこそが、このスポーツでもっと見たいものなんだ」

「（ミハエル）シューマッハーが支配する時代もあったし、僕の時代もあった。レッドブルのやってきたことを奪うことはできない。彼らは素晴らしい仕事をしてきた」

「彼らがチームとしてやってきたことはすべて、本当に素晴らしいと思う。彼らは本当にハードルを高く上げてくれた。僕たちみんながそこを目指している」

「もっと接近した戦いができれば最高だけど、そこはまさに今取り組まれていることだと思う」

Comments

[かき]

私は思うに世の中の色々な場所で秩序が乱れてるなと感じるこの頃です。

[クムクム]

今までも同じような事はかなりあったと思うが、現代はSNSの拡散や報道の仕方などにより神経質になったため目立つだけ！！