5月15日、MotoGP第5戦フランスGPの予選がル・マン-ブガッティ・サーキットで行われ、MotoGPクラスはファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)がポールポジションを獲得した。マルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)は2列目6番手、中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)は3列目7番手を獲得している。
フリー走行3回目は、気温13度、路面温度7度のウエットコンディション。水しぶきを上げながらの走行となったフリー走行3回目、序盤はジャック・ミラー(ドゥカティ・レノボ・チーム)やジョアン・ミル(チーム・スズキ・エクスター)などがトップタイムをマーク。ふたりはかわるがわるトップタイムを更新した。しかし開始15分、ミラーが6コーナーで転倒を喫している。
【順位結果】2021MotoGP第5戦フランスGP MotoGP予選総合
25分をすぎると、マルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)がトップに浮上。終盤に入ると雨は上がり路面も乾き始めたようだったが、スリックタイヤを履くほどではなかった。
こうした状況のなか、ミゲール・オリベイラ(レッドブル・KTM・ファクトリーレーシング)が一時、1番手タイムを記録する。しかし、その後再びマルク・マルケスがトップに立ち、そのままトップでセッションを終えた。
2番手はロレンツォ・サバドーリ(アプリリア・レーシング・チーム・グレシーニ)、3番手はフランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)で、4番手はミゲール・オリベイラ(レッドブル・KTM・ファクトリーレーシング)。5番手にはポル・エスパルガロ(レプソル・ホンダ・チーム)がつけた。中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)は12番手だった。
フリー走行3回目はウエットコンディションのセッションとなったため、すべてのライダーが前日の自己ベストを更新するには至らず、初日の総合順位がそのまま3回のフリー走行の総合順位として予選のQ1、Q2を分けた。
セッション終了後にピットに戻った際には、各ライダーが決勝レースのフラッグ・トゥ・フラッグを想定したマシン乗り換えの練習を行っていたが、そのうちのひとりだったフランコ・モルビデリ(ペトロナス・ヤマハSRT)がその際につまずき、うずくまってしまった。チームによれば、左ひざを軽くひねったということだ。ただ、今大会の参戦には問題ないという。モルビデリはその後、フリー走行4回目、予選ともに出走している。
フリー走行4回目はほとんどのライダーがスリックタイヤで走行を始めたが、セッションが始まって間もなく、雨が落ちてきたことを知らせるレッドクロスのフラッグが提示される。ル・マンらしい、しかしライダーを悩ませる天候となった。セッションが進むと、雨は画面越しでもわかるほど強くなっていった。
このセッションをトップで終えたのはファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)。2番手はアレックス・リンス(チーム・スズキ・エクスター)、3番手はモルビデリ。4番手にはポル・エスパルガロ(レプソル・ホンダ・チーム)、5番手はマルク・マルケス、中上は8番手だった。
■予選でクアルタラロとビニャーレス、ヤマハがワン・ツー
予選のQ1は気温14度、路面温度21度で始まった。2021年シーズン初のウエットコンディションでの予選である。Q1から予選に挑むのは、チーム・スズキ・エクスターのミルとリンス、バニャイアといった面々である。
序盤はミル、リンスのスズキ勢がトップ2を占める。しかし残り時間が5分になるころ、アレイシ・エスパルガロ(アプリリア・レーシング・チーム・グレシーニ)がトップタイムをマーク。さらにダニロ・ペトルッチ(テック3・KTM・ファクトリーレーシング)が2番手に浮上する。
残り時間が1分を切ると、ミル、ルカ・マリーニ(スカイ・VR46・アビンティア)などがタイムを更新。こうしたなかで、アレイシ・エスパルガロ、さらにセッション序盤に転倒を喫したサバドーリが2番手に浮上。サバドーリはその翌周にもタイムを更新。トップに立った。さらにマリーニが最後のアタックで2番手タイムをマーク。サバドーリ、マリーニのふたりがQ2進出を決めた。
アレイシ・エスパルガロは3番手で、惜しくもアプリリアそろってのQ2進出はならなかった。ミルは最後のアタックで一時2番手に浮上したが、最終的には4番手、リンスは5番手。そしてチャンピオンシップリーダーであるバニャイアは苦戦し、6番手だった。
天候はQ1の途中から回復していったが、Q2のスタートではほとんどのライダーがレインタイヤを選択。しかし、モルビデリ、バレンティーノ・ロッシ(ペトロナス・ヤマハSRT))のふたりがスリックタイヤを履いてアタックに入る。
さらに、状況を見守っていたミラーやポル・エスパルガロ、マルク・マルケス、中上などがスリックタイヤでコースイン。いったんレインタイヤでコースインしたライダーもピットに戻ってスリックタイヤに履き替える、慌ただしい予選となった。
すべてのライダーがスリックタイヤに履き替えてアタックに入ったころには、すでに残り時間8分。まず、ミラーがターゲットタイムとなる1分35秒472を記録する。ミラーはその後もタイムを更新し続けるが、そのタイムをポル・エスパルガロが上回ってトップに立った。
残り時間3分、マルク・マルケスがここでトップタイムを叩き出す。さらに中上が2番手に続き、3番手がポル・エスパルガロ。ホンダ勢がトップ3を占める状況となった。しかし、最後のアタックでマーベリック・ビニャーレス(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)が1番手に飛び込む。続いてクアルタラロが1分32秒600を叩き出し、トップに躍り出た。
路面状況の判断が難しいなか、クアルタラロが母国グランプリでポールポジションを獲得。3戦連続のポールシッターとなった。ビニャーレスはスリックタイヤに履き替えるタイミングが遅れたものの、最後には2番手のタイムをマーク。さらに同じく最後のアタックでミラーが3番手に浮上した。
4番手はモルビデリ。5番手にはこちらも母国グランプリであるヨハン・ザルコ(プラマック・レーシング)がつけた。マルク・マルケスは最終的に6番手。中上は7番手、ポル・エスパルガロは終盤に転倒を喫して8番手だった。
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