TOYOTA GAZOO Racing WRTからWRC第9戦ラリー・フィンランドのラリー1クラスに出場し、総合4位となったサミ・パヤリ。チームに大きなアピールができたようだ。
トヨタはWRCチームのホームであるラリー・フィンランドで5台のGRヤリス・ラリー1をエントリー。そのうちの1台をパヤリに与え、WRC2クラスのタイトルコンテンダーであるパヤリとコ・ドライバーのエンニ・マルコネンに、ポテンシャルをアピールする機会を与えた。
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パヤリはSS2のトリッキーなウエットコンディションでマシンのリヤにダメージを負うシーンもあったが、SS9でステージ優勝を飾るなど印象的なパフォーマンスを発揮。他のドライバーにトラブルやクラッシュが相次いだこともあって、総合4位でフィニッシュした。
トヨタのチーム代表であるヤリ-マティ・ラトバラは、パヤリが将来的にラリー1のフルタイムドライバーになるポテンシャルを秘めていることを示したとmotorsport.comに語った。
「彼らは素晴らしい仕事をしてくれたと思う。第1ステージのスタートは難しく、あまり期待できないように見えた。しかし、彼は自分自身をまとめることができ、その後非常に強くなってステージ最速タイムを記録した」
「彼はメンタル面でとても強い。それはとても良いことだ。ラリー1のフルタイムドライバーになれるポテンシャルを示したと思う」
「今のところ、彼の焦点はWRC2に置かれている。彼にはまだチャンスがあるし、それに集中してもらいたい。しかしもちろん、来年に向けて彼をどうするかという話もしている」
トヨタはまだ来季のWRCドライバーラインアップを確定させていないが、今季はパートタイム参戦となっているカッレ・ロバンペラは昨年に複数年契約を結んでいる。その契約の中には、来季のフル参戦復帰も含まれている。
「通常はラリー・フィンランドが終わってから、来年の契約を検討し始めることになると思う」
そうラトバラは付け加えた。
「もちろん、現時点で我々はかなりいい位置にいると思う」
「ドライバーをキープしようとしているのは間違いない。だがいくつか疑問符があるのも確かだ。セブ(セバスチャン・オジェ)はどうしたいのか、彼は来年もドライブしたいのか、などね。そしてもちろん、サミのことなどもある。だから、クリアにしなければならない点がいくつかあるんだ」
来年に向けて検討すべき選択肢の中にパヤリが含まれているかと尋ねられると、ラトバラはさらに次のように付け加えた。
「イエス。もちろんだ。それについて考える必要がある」
パヤリ自身、ラリー・フィンランドでの成績に満足しているが、改善の余地があることを自覚している。
「たくさんの感情があるので、どれが一番かを選ぶのは簡単ではない」
そうパヤリは語った。
「もちろん、ラリー1での最初のラリーでこの結果は本当に納得のいくものだし、ステージ優勝もケーキの上のチェリーといった感じで、集大成と言えた。でも、もっとうまくやりたいことはたくさんある。改善の余地は常にあるんだ」
「感情は少し複雑だ。(ラリー・フィンランドで首位に立っていた)カッレが最後から2番目のステージでリタイアしたことを考えると、チームにとっても、カッレ自身にとっても大きな損失だから、あまり喜べない。しかし、これはこのラリーがいかにトリッキーだったかを示していると思う。多くのドライバーが途中でトラブルに見舞われたんだ」
パヤリはすぐにでもまたラリー1に戻ってきたいと認める一方、WRC2のタイトル争いに集中している。
「このクルマ(ラリー1車両)で1週間走った後、すぐにでも戻りたいという気持ちはある。とても素晴らしかったし、できるだけ早くそうしたいと思ったよ」
「今シーズンの主な目標は、WRC2のフルシーズンを戦うこと。チャンピオン争いはまだとても良いレベルにあるんだ」
パヤリとWRC2のタイトルを争うオリバー・ソルベルグがラリー・フィンランドでWRCクラスを制したため、ポイント差は28ポイントに広がっている。ただWRC2クラスは有効ポイント制度となっているため、十分逆転の可能性は残されている。
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