4度のF1世界チャンピオンであり、現在はアルピーヌF1チームのアドバイザーを務めるアラン・プロストは、アルピーヌドライバーとして2年ぶりにF1復帰を果たしたフェルナンド・アロンソは最高の状態に戻ると考えている。
ダニエル・リカルド(マクラーレン)やセバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)など2021年にチーム移籍をしたドライバーと同様に、アロンソも本来のスピードを取り戻すことに時間がかかることは理解している。しかし、2年間F1から離れていたことが、アロンソの適応を更に難しくしている。
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フェラーリ解雇後の1992年シーズンを休養し、その翌年にウイリアムズで復帰&4度目のF1世界チャンピオンに輝いたプロストは、ブランクを埋め、スピードを取り戻すことの大変さを知っており、テストが減らされた今日では更に難しくなると述べた。
「92年に半年間だけ活動を休止したとき、復帰するのが大変だったことを覚えている」とプロストはmotorsport.comに語った。
「だが、(当時は)毎週テストを行なっていた。我々は常にテストができたんだ。だから、フェルナンドが、最初からトップに立つことができないのは当然のことだ」
「新しいマシンに新しいチーム、そして2年間はF1で走っていなかった。彼はフランスGP前後を目標にして、『(適応には)4~5レースは必要だな』と言っていた。それは特別なことではなく、普通のやり方だ。今に彼は帰ってくる。間違いない」
プロストは、1992年シーズンを休んでから復帰した1993年シーズンで、開幕からポール・トゥ・ウィンを決めるなどの目覚ましい活躍を見せていたが、実際はF1に慣れることに苦労したと明らかにした。
「ああ、最初のテストから(休暇前との)違いに気が付いた。体力的、精神的にも大変だった。自分でも『いける』と思っていたのに、少し驚かされることが度々あった。全てを正しくするための時間が必要だ。身体で動きを覚えたり、目を慣らしたりなど、全てが難しく感じた」
「だから、フェルナンドのように2年間もF1にいなかった人にとって、それがどれほど難しいことかと改めて気付かされた。それでいて、新しいマシンやシステムを理解するためのテストは、1日半しかない」
「年齢が基準になるかどうかはわからないが、フェルナンドの場合、彼はとても強くて、まだまだ元気だ。世界最高のマシンがあるF1で走っていることが、(彼にとっては)当たり前なんだ。正直、いきなりトップチームにいたら、普通ではないだろうけどね」
F1は、新型コロナウイルスによる影響を鑑み、2021年シーズンから導入予定だった新しいテクニカルレギュレーションを1年先送りにし、2021年シーズンはそれまでのレギュレーションを引き継ぐ形となった。
プロストは、アルピーヌの元ルノー時代に、新レギュレーションに向けたマシン開発に傾注していたことで、導入延期によって生まれたモラトリアム(猶予期間)での成績に影響が及んでいると語った。
「すべてを1年後ろに延期しなければならなかった。我々にとっては厳しいことだった。来年に向けて、マシンとエンジンを改善できなかった分、余計にプレッシャーを感じている」
「だから、完全にトップに立てていないのは当然のことだ。すべて揃ってきてはいるが、もちろん、まだまだ先は長い」
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