8月4日、スーパーGT第4戦の開催を前にした富士スピードウェイで、レーシングドライバーの立川祐路による記者会見が実施された。立川は先日、今季限りでスーパーGTを引退することを発表したばかり。多くのメディア、関係者が会見場に詰めかけ、ファンに向けてもスーパーGT公式YouTubeで会見の生配信が行なわれるなど、大いに注目を集めた。
ステージに登壇した立川は参加者を前に改めて引退を報告。関係者への感謝を述べた。
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「まずは長い間応援してくださり、力になってくれてありがとうございます。前身である全日本GT選手権から200戦以上走ってきましたが、ここまで長いことやってこられたもの、トヨタ、TRD、TCD、ゼント、セルモ、ブリヂストンをはじめとする多くの仲間に支えられ、家族にも支えられたからこそです」
「人生の半分以上をスーパーGTという舞台で戦ってきたことになるので寂しい気持ちもありますけど、今の自分があるのもこの素晴らしいスーパーGTという舞台があったからこそです。本当に感謝しかないですし、自分の財産になっています」
「残り5レースですが、最後の1周まで全力で走り抜けるつもりですので、最後の1周まで応援よろしくお願いします」
そして質疑応答の冒頭では、やはり引退を意識したタイミングや、決断に至ったタイミングに関する質問が飛んだ。これについて立川は、真剣に引退を意識したのは昨年ごろからで、そこから「進退をかけるつもりでやってきた」という。その中で、最終的に決断を下したのは、6月の第3戦鈴鹿の前後だと語った。
引退を意識し、決断するに至った理由について立川は、もちろん色々な要素があるとしながらも、そのひとつに「成績」があると話した。
2001年、2005年、2013年にGT500のチャンピオンに輝いた立川だが、レクサス・LC500時代の2019年を最後に優勝から遠ざかっており、2020年に車両がGRスープラとなってからの最高位は2位。ここ最近は不運なトラブルなども重なり、ランキングは2021年が12位、2022年が13位と低迷していた。
「やはりプロのドライバーとしてやっている以上、成績に責任を持たなきゃいけませんが、昨年も含めて成績を残せていません」
「それは自分の責任もあると思います。昨年含めてツイていないことが多かったり、トラブルがあったり、クルマがうまくまとまらなかったり、色々な理由があるにせよ、自分の中では『前の自分ならそういう状況もなんとかできたんじゃないか』という思いも少しありました」
「それができないなら、引退する、身を引くタイミングかなと思いました。それが自分の中で大きかったです」
ある意味、自分の中での“衰え”を実感したことを示唆するような立川のコメントだったが、後に花束贈呈でステージに登壇したTGR TEAM SARDの脇阪寿一監督は、トヨタ陣営の同世代のライバルとしてかつて競い合った立川は今でも決して衰えていないと語った。
「先ほどの挨拶の中で『昔はなんとかなったけど、今はなんとかならなくなった』という発言があったと思います。これは誤解されると嫌なので言わせていただくと、昔は誰もがなんとかならなかったことを、彼がなんとかして勝ち切っていたんです。ポールを獲れないクルマで獲ってきたんです」
「それができなくなった数レースで苦しんで、葛藤して(引退を)決めたんだと思います。僕はこう言いたいです。あなたは落ちてません。残り5戦ありますから、独特のオーラをまとった、輝く38号車を見せてください」
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