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オリンピックは開催もモータースポーツの大会が軒並み中止! 「プロドライバー」を軽視する日本の現状

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オリンピックは開催もモータースポーツの大会が軒並み中止! 「プロドライバー」を軽視する日本の現状

 この記事をまとめると

■オリンピックは開催されたにもかかわらず、モータースポーツの大会は軒並み中止

レーシングドライバーでも操れない! 運転が難しすぎる市販車3選

■これについて自動車工業会の豊田章男会長も苦言を呈している

■理由のひとつにモータースポーツには道具が競う側面があることが考えられる

 F1、MotoGP、WRC、WECと軒並み中止

 新型コロナウイルスはモータースポーツにも多大な影響を及ぼしている。2021年に日本で開催される世界選手権、すなわちF1、MotoGPという四輪・二輪を象徴するイベントはもちろんのこと、耐久レースのWEC(四輪)、EWC(二輪・鈴鹿8耐)も中止となってしまったし、ラリーの世界選手権WRCも中止となってしまった。

 東京オリンピック・パラリンピックは開催されたにも関わらず、これらモータースポーツの世界的大会が中止に追い込まれる背景には何があるのだろうか。そこに不満を感じているのはファンばかりではない、自動車工業会の豊田章男会長も「四輪や二輪(の国際イベント)が許されず(中止に追い込まれているのは)不公平と感じる」と苦言を呈している。

 たしかにオリンピック・パラリンピックは一年延期して対策をしたという側面があり、前イベントから一週間で日本に入国するようなモータースポーツでは対策できるレベルが異なるというのも事実だろう。

 それでも、モータースポーツ関連の外国人ドライバーは入国の許可が容易に得られないというのは、オリンピック・パラリンピックの選手の入国と比べて厳しすぎるきらいはあり、同じアスリートとして扱われていないのではないか、という不公平感はある。そのあたりの事情については自工会の豊田章男会長も指摘していた。

 豊田章男氏が、あくまで自工会の会長という立場で話したのは、トヨタ自動車がIOC(国際オリンピック委員会)のワールドワイドオリンピックパートナーという立場にあり、そのトップとしてクレームをつけるわけにはいかないという事情もあるのだろうが、逆にいえばトヨタはオリンピックがどのようにして開催されたのかをよく知る立場にある。その目でみたときにアンフェアに感じる部分があるという風にも捉えることができる。

 また豊田章男氏はモリゾウという名前でモータースポーツに参戦している現役のレーシングドライバーでもある。それだけにプロドライバーがどれほど体を鍛えているか身をもって知っているはずだ。だからこそ、ドライバーがアスリートとして扱われていないと感じる事例に対して不満のひとつも言いたくなるのだろう。

 快適性を追求した自家用車の感覚でいうと、クルマの運転にそれほど体力が必要なの? と思うかもしれないが、F1マシンのコーナリングでは最大6Gもの横Gがかかるという。体重の6倍の力で横に引っ張られている状態で、正確無比な操作を行なうのだから、その体力はトップアスリートのそれであることは疑う余地はない。

 モータースポーツには道具が競う側面がある

 たとえば、日本人として二度のインディ500制覇という偉業を成し遂げた佐藤琢磨選手の姿を思い浮かべて欲しいが、非常にスリムな体ながら首や肩まわりの筋肉が非常に鍛えられていることに驚かされるはずだ。心肺能力についても同様で、なまった体では対応できないのが現代のモータースポーツであり、そこでパフォーマンスを出すのがレーシングドライバーといえる。

 ただし、モータースポーツが他のスポーツと異なっているのは「道具の競争」が主眼に置かれた面があるということだ。サッカーや野球といったメジャーなスポーツであっても道具は重要であり、著名プレイヤーが使っているシューズやスパイク、バットやラケットといった道具は憧れの対象とはなるが、道具が前面に出てくることはほとんどない。

 現実問題として、ホームラン王がどこ製のバットを使っているというのは報道されることはほとんどない。一方で、モータースポーツにおいては「トヨタがル・マン4連覇」だとか、「ホンダがF1で5連勝」といった風にマシンやパワーユニットが主役になっている見出しのニュースは珍しくない。

 自動車メーカーも自分たちのテクノロジーが世界トップになったことをマシンの勝利としてアピールする傾向にある。どうしてもアスリートであるドライバーは二の次といったプロモーションになってしまうことが多い。そうなると一般市民からするとドライバーのすごさよりも、各メーカーの優れた技術力が記憶に残りがちとなる。

 実際、マツダが1991年のル・マン24時間耐久レースにおいて、4ローターエンジンを積んだレーシングマシン787Bで日本車として初めて総合優勝したことは多くの自動車ファンにとって周知の事実だろうが、そのときのドライバーがフォルカー・バイドラー/ジョニー・ハーバート/ベルトラン・ガショーの3選手だったことをそらんじられるのはよほどのファンかマニアだけだろう。

 このようにモータースポーツは、道具の競争であり、主役は自動車メーカーとなりがちだ。それがレーシングドライバーをアスリートとして見なさないという風潮につながっているという部分もあるのではないだろうか。

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みんなのコメント

2件
  • 来季もF1中国GPは冬季オリンピックの絡みで開催出来ないだろうという話も出てるし、しゃーない
  • 別に軽視はして無くね
    人気が無いだけで
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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