2024年のフォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ・チャンピオンシップ(FRJ)の第5ラウンド(第11戦~第12戦)が9月13~15日に富士スピードウェイで開催され、今大会がFRJデビューの佐野雄城(TGR-DC RS FR)が2戦連続のポール・トゥ・ウインを飾った。
また、最終戦を待たずミハエル・サウター(G FORCE F111/3)がシリーズタイトル獲得を決め、FRJ史上初の海外勢チャンピオンとなった。マスタークラスではYUGO(S2R Racing)がクラスタイトル獲得を果たしている。
17歳の高校生レーサーが目指す世界と、意外な憧れのドライバー【ネクスト・スターVol.2/佐野雄城】
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WEC富士6時間耐久レースの併催イベントとして開催された今大会。そのため、9月13日に2度のフリー走行、9月14日に予選、そして第11戦、第12戦の決勝が行われるスケジュールとなった。今大会からTOYOTA GAZOO Racingが進めるドライバー育成プログラム『TGR-DC Racing School』の2台が参戦するほか、世界選手権の併載レースとなったこともあり、前戦からは5台増の全13台、マスタークラスは今季最多の6台がエントリーした。
注目の予選では今回がFRJデビューの佐野がダブルポールポジションを獲得。またチームメイトの卜部和久(TGR-DC RS FR)が両予選で2番手となり、TGR-DC Racing Schoolのふたりがフロントロウを独占した。
■第11戦:接触で波乱も。佐野がデビュー戦を飾る
15周の第11戦決勝は曇り空のもと、気温30度、路面温度41度というコンディションでスタートを迎えた。ポールシッターの佐野が出遅れるなか、卜部が1コーナーのホールショットを奪うと、ポイントリーダーのサウターが2番手に浮上する。
ただ、佐野は続く1周目のコカ・コーラコーナーでサウターを攻略し、卜部、佐野のTGR-DC Racing Schoolのふたりがレースをリードする展開に。ただ、フル参戦組のサウターは4周目の最終コーナーで佐野をオーバーテイクすると、卜部の背中を追う。
そうして迎えた7周目、ダンロップコーナーでサウターが勝負に出た。卜部のインに飛び込むサウターだったが、ここで2台は接触、卜部はレースを終えることに。サウターは走行を続けるも、これで佐野がトップに浮上する。
8周目にセーフティカー(SC)が導入され、11周目に再開を迎えた。トップにおどり出た佐野がファステストペースで周回を重ねる一方、サウターはペースが上がらず。佐野がトップのまま、FRJデビュー戦でポール・トゥ・ウィンを飾った。
暫定2位にサウターが続いたが、卜部との接触に関して10秒のタイムペナルティが科されたことから、3番手でチェッカーを受けた猪爪杏奈(ユピテル 羽衣6 F111)が2位、セバスチャン・マンソン(G FORCE F111/3)が3位に繰り上がり、猪爪は悲願のFRJ初表彰台を獲得した。
マスタークラスは総合6位となったAKITA(AKITA Cars & Racing)がクラス優勝を飾った。
■第12戦も佐野が魅せた。サウターがタイトルを決める
15周の第12戦は第11戦終了後の16時59分より行われた。2番グリッドスタートの卜部が好スタートを決め、ポールシッターの佐野から1コーナーのホールショットを奪う。しかし、佐野がコカ・コーラコーナーで首位を取り戻すと、そのまま佐野がレースをリードする展開に。
一方、3番グリッドスタートのサウターはクラッチトラブルにより1周目を終えたところでピットイン。そのままレースを終えることになった。
2番手の卜部の背後には中村賢明(TOM'S FORMULA F111)が接近。激しい2番手争いが長時間にわたり繰り広げられたが、9周目の1コーナーで卜部がオーバーシュートし、中村が2番手に浮上する。
そのまま順位は変わらず、佐野が2位中村に5.160秒のギャップを築いて2戦連続のポール・トゥ・ウインを飾った。マスタークラスは総合7位に入ったAKITAがクラス優勝を飾っている。
この第12戦を終えて、ポイントリーダーのサウターが209ポイント獲得。ランキング2位につけるマンソンが147ポイント獲得となった。FRJでは1レースで獲得できる最大ポイントが25ポイントとなるため、最終戦となる第6戦富士(第13戦~第14戦)を前にサウターのシリーズタイトル獲得が決定した。
サウターはFRJ5人目のチャンピオンであり、同時に海外勢初のチャンピオンとなる。なお、2021年にシングルシーターデビューを果たしたサウターにとって、初の四輪タイトル獲得となった。また、マスタークラスに関しても、第12戦終了時点でYUGOがクラスタイトル獲得を決めた。
2024年FRJ最終戦となる第6戦(第13戦~第14戦)は、10月12~13日に全日本スーパーフォーミュラ選手権第6戦&第7戦の併催イベントとして、富士スピードウェイで開催される。
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