シトロエンはフランス現地4月12日に、ブランドの新たなフラッグシップとして「シトロエンの哲学をもっとも先進的に表現した」というDセグメントモデル『C5 X』をワールドプレミアした。サルーンとステーションワゴンを組み合わせた独創的なデザインに、新開発のシトロエン・アドバンスト・コンフォート・アクティブサスペンションや拡張ヘッドアップディスプレイ、半自律走行を実現する運転支援システム、自然な音声認識機能を備えたまったく新しい12インチHDタッチスクリーンなど、新規軸を数多く取り入れた意欲作となっている。
その名称を含め、2016年のパリモーターショーで発表された『CXperience Concept』にインスパイアされたというエクステリアは、ステーションワゴンを融合させたファストバック型のボディを採用し、空力性能に配慮しながらも、歴代の旗艦シトロエンを思わせるアヴァンギャルドなスタイルとした。
『シトロエンC3』にマットディープレッドのアクセントを採用した特別仕様車
ホイールベースを2785mmとして後席空間のゆとりある居住性を確保した『C5 X』は、全長4805mm、全幅1865mm、全高1485mmというDセグメントの中心的サイズを持ちながら、19インチトール&ナロータイヤを装着した720mmの大径ホイールにより、SUV的な高い視界とグランドクリアランスを実現する。
そして近年はブランドの開発指標に掲げる“シトロエン・アドバンスト・コンフォート・プログラム”に基づき、新開発のシトロエン・アドバンスト・コンフォート・アクティブサスペンションやアドバンスト・コンフォート・シートを採用。
ブランドの資産として脈々と受け継がれてきたハイドロニューマチック・サスペンションの現代的解釈として、新たにメカニカル機構で“Magic Carpet Ride(魔法の絨毯の乗り心地)”を具現化したプログレッシブ・ハイドローリック・クッション(PHC)をもとに、プラグインハイブリッド仕様ではさらに一歩進んだ制御を実現するシトロエン・アドバンスト・コンフォート・アクティブ・サスペンションを搭載した。
これによりPHCの効果をさらに高次元へと引き上げつつ、路面の上をまるで飛んでいるかのようなフィーリングをもたらし、走行中のダンピングを弱めるとともにコーナリングにも対応して、効率的なサスペンションの動きを実現している。
さらにインテリアでも、特別なパッドの加工であたかもマットレストッパーのような仕上がりを持つアドバンスド・コンフォート・シートを装備。高密度フォームと厚みのある構造が生み出す姿勢保持性とダイナミックなコンフォート性能により、独特の心地よさと視覚に訴えるコンフォートを感じることができるという。
■ARへの第一歩となる没入型テクノロジーとして、拡張ヘッドアップディスプレイを採用
また、寸法面からも機能面からもステーションワゴンの精神を念頭に設計されたというラゲッジは、フラットなフロア、広く機能的な開口部、低い乗り込み口、フラットな側面などにより、容量545L、リヤシートを倒すと最大1640Lの広い積載量を実現。
テールゲートと連動したラゲッジロールアップは荷物の積み込みを容易にし、電動テールゲートにはハンズフリー機能が備わるため、両手が塞がった状態でも開閉することが可能となっている。
フロントガラスに映し出されるフルカラーの大型ヘッドアップディスプレイには、AR(拡張現実)への第一歩となる没入型テクノロジーとして、拡張ヘッドアップディスプレイを採用。速度から電話やナビゲーションまで、欲しい情報を得るために道路から目を離す必要がなくなる上、12インチのHDタッチスクリーンはタブレットのようなインターフェースを採用することで、自然で効率的かつ使いやすい音声認識機能も併せてまったくあたらしいインフォテインメント・インターフェースとされた。
さらに現行法に準拠した半自律走行レベル2に相当するアダプティブ・クルーズ・コントロールとストップ&ゴーを組み合わせた“ハイウェイ・ドライバー・アシスト”や“レーン・キーピング・アシスト”も実装。
その他にも、ロングレンジブラインドスポットディテクション、バック時の危険を検知するリアクロストラフィックアラート、タッチスクリーンタブレットに外部環境を表示して操作を容易にするトップ360ビジョン、キーを持ったドライバーがクルマに近づいたり離れたりした際に、自動的にドアをロック/アンロックするプロキシミティハンズフリーアクセス&スタートなど、日常生活をより快適にする多くの機能を備えている。
この『C5 X』にはガソリンエンジン仕様と、225PSを発生しZEVモードで最長50km以上、最高速度135km/hまでカバーするプラグインハイブリッド仕様が用意され、欧州では2021年後半に発売が開始される予定。日本市場導入の時期、仕様は追ってアナウンスされる見込みだ。
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