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TGM Grand Prix、松下信治起用決定までの濃密すぎる2週間。参戦叶わなかったハイマンも“自主的に帯同”

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TGM Grand Prix、松下信治起用決定までの濃密すぎる2週間。参戦叶わなかったハイマンも“自主的に帯同”

 鈴鹿サーキットで3月9~10日に行われる全日本スーパーフォーミュラ選手権第1戦。今季は21台が参戦するが、唯一決まっていなかったTGM Grand Prixの55号車のドライバーが松下信治になるとアナウンスされたのは、レース開催週に入ってからのことだった。

 2月下旬の公式合同テストでは、ラウル・ハイマンが55号車をドライブしており、彼を起用する方向で話が進んでいるかと思われたが、予想とは異なる展開となった。

新たなシーズンへの期待膨らむ。スーパーフォーミュラ第1戦鈴鹿 搬入日の様子

 いったい、どんな経緯で松下の起用に至ったのだろうか。TGM Grand Prixの池田和広代表に聞いた。

■スポンサーから「Go」が出ず

「ハイマン選手に関しては先週の金曜日まで待ったのですが、スポンサーの納得を得られなかったということでした。ただ、2台でエントリーしていて、いろいろな約束や契約もしているなかで『出さないわけにはいかないな』と思いました」と池田代表。

 当初の予定では、公式合同テストでの結果を踏まえてハイマンがスポンサーと交渉をする流れとなっていたが、その話が不調に終わってしまった。そこで池田代表にも今季2台体制で挑む上で心境の変化があったという。

「ハイマン選手がテストを終えて、イギリスに帰った2日後くらいから彼のスポンサーとの話が怪しいなと分かりました。ちょうど、その時くらいに気持ちを切り替えました」

「その場限りで『お金がないな、どうしよう……』となっていると、多分一生そうなるのだろうなと。そこで考え方を切り替えて、先の目処はないけど『やる!』と決めました」

「そこで自分たちの理想は何だろうと考えた時に、松下選手を乗せて、ぶっちぎること。それが僕たちが表現したい一番の理想なので、それで行くと決めました」

 これで松下に白羽の矢が立ち、先週末に各調整を行って、今週の月曜日(3月4日)に正式決定したとのこと。シーズンを通して松下を起用し、とにかく結果を目指していくという。

■「サーキットに負の感情を持ち込まない」という哲学

 じつは、その決意を固めてからチームへのスポンサードを名乗り出た企業がいくつかあるとのこと。池田代表も「不思議なもので『やる!』と決めてから、4件くらい(話が)来ました」と言う。

 松下が乗る55号車のエンジンカウル部分にはジャパンロジスティックス(JALOX)のロゴが大きく掲出されていた。チームへのスポンサードなので、Jujuが乗る53号車にも同様のロゴが入っている。この他にも、先日のテストと比べてもスポンサーロゴがいくつか増えていた。

「JALOXさんは国際物流の会社で、けっこう大きな額をいただけることになりました。その次の日も別のところからスポンサーのお話が来て……『これは波が来たな』と思っています」

 濃密すぎる2週間を過ごした池田代表だが、シーズンを戦っていく心境は昨年とはまったく異なる様子。

「過去を振り返っても、自分がやりたいことをやっているときは結果がついてきたんです。でも、『どうしよう……』となっている時はダメでした。特に昨年は散々でした。だから、今年はサーキットに負の考えを持ち込まないことにしました」

 なかでも松下を起用して臨む55号車は結果を求めていくという気持ちが強く「今週は見ていてください! やりますから!」と気合いが入っていた。

 一方、レギュラーシート獲得が叶わなかったハイマンだが、開幕戦の舞台となる鈴鹿サーキットに姿を見せ、松下やJujuらとともにコース下見に出掛けていった。自らチーム帯同を申し出てきたようで「彼の根性ですね。『スポンサーは今はないけど、自分は何がなんでも(SFに)乗りたい』という気持ちの表れだと思います」と池田代表。あくまで自主的にチームに帯同しているとのことで「帯同に関しては構わないですが、特にリザーブドライバーというわけではないです」と説明した。

「そこは彼の良いところですね。実際に速いと思うので、本当は乗せてあげたいなと思いますけど……勝負をかけるという点では今は松下選手だなと思っています」

 まさに開幕ギリギリになってシートが決まった松下。シート獲得に至るまでの詳細は語らなかったが、今週末は何としても結果を残すという意気込みが強く感じられた。

 2月の公式合同テストには参加しておらず、このシーズンオフは他のドライバーと比べるとスーパーフォーミュラでの走行距離は少ない状態だが、「僕はキャリアの中でこういうことが多くて、気持ち的にディスアドバンテージだとは思っていないです。やれることをやるしかないです」と不安な様子は全くなく「(今週末)狙うは優勝。でも、そんなに甘くないこともわかっているので、ベストを尽くします」と抱負を語っていた。

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