ポルシェのワークスドライバーであるマット・キャンベルは、ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ(PPM)から来季2024年のWEC世界耐久選手権にフル参戦する。彼はこのスイッチ・キャンペーンの一環として、来年のル・マン24時間レースでのトップクラス・デビューを楽しみにしていると語った。
ポルシェ963とIMSAの新トップカテゴリー“GTPクラス”のデビューイヤーとなった2023年のウェザーテック・スポーツカー選手権において、傑出したドライバーのひとりであった28歳のキャンベルは、今シーズンのWECでPPMのポルシェをドライブした後アメリカに戻るデイン・キャメロンとそのポジションを交換し、世界を股にかけるシリーズに挑戦する。
ポルシェ・ペンスキー、WECとIMSAのドライバーを一部入れ替え。王者キャメロンが北米復帰へ
第8戦ロード・アトランタで優勝し、IMSA GTP初年度のシリーズランキングで5位となったキャンベルは、ドイツ・マンハイムを拠点とするポルシェ・ペンスキーのWEC部隊への移籍には慣れが必要だと認めた。このオーストラリア人ドライバーは全8戦で争われるチャンピオンシップで、フレデリック・マコウィッキ、ミカエル・クリステンセンと5号車ポルシェ963のステアリングをシェアする予定だ。
「明らかに、かなりの変化がある」とSportscar365に語ったキャンベル。
「チームでの1年目を終えて、IMSAチャンピオンシップでのフルタイムキャンペーンから後退することになった。このチームに残りたいと思っていたけれど、最終的にはWECに移籍してフルタイムで走り、トップレベルのクラスで初めてル・マンに参戦する本当に良い機会がある」
「それは本当に、本当にエキサイティングなことだよ!」
「IMSAで耐久レースができるということは、僕にとって本当に重要なことなんだ。とくに3つの本当に素晴らしいレース(デイトナ、セブリング、プチ・ル・マン)をすることはね」
「(助っ人として参加することになる来季のGTPプログラムは)今年のIMSAでの役割とは明らかに少し異なるけど、それでも同じくらい楽しめると思っている」
デンプシー・プロトン・レーシングのポルシェ911 RSRをドライブし、2018年のル・マンでLM-GTEアマクラス優勝を飾ったキャンベルは、ポルシェ・ペンスキーのフルタイムドライバーの中で唯一、同チームが24時間レースで走らせた3台のマシンのラインアップに加わえられず、100周年記念大会として行われた今年のフランス耐久クラシックへの出場を逃した。その代わり、彼はチームのリザーブドライバーに指名されていたが、最終的にその役割は必要とされなかった。
■WECとIMSAの両方に参加する意味
「トップクラスでル・マンに参戦できるなんて夢のようだ。来年ようやくそれを実現することができる」とキャンベルは語った。
「2024年のWECは本当にエキサイティングだ。トップクラスに何台のマシンがいるかというと、フルシーズンで合計19台だと思う。また、LMGT3カテゴリーが新設されたことで、僕がフル参戦していた2021年から大きく変わっている」
「そんなシリーズの中で、トップカテゴリーでのレースができることは本当にクールだと思うよ」
来年1月27~28日にアメリカ、フロリダ州で行われるIMSA開幕戦デイトナ24時間レースで7号車ポルシェ963をドライブすることが決定しているほか、第2戦セブリング12時間、最終戦プチ・ル・マン(ロード・アトランタ10時間)にも参加する構えを見せているキャンベルは、両シリーズで活躍することの重要性を強調した。
「ふたつのチャンピオンシップに参戦することで、両方のマシンの感触をつかむことができるし、チームとしてどのように進んでいるかを確認することもできる」と彼は述べた。
「僕たちはレースウイークエンドやテストなど、両チャンピオンシップの間で多くのことを学ぶ。さらに、このふたつの間でいくつかのことを学ぶことができるんだ」
「(PPMの)ふたつのオペレーションは世界のさまざまな地域で、そして明らかに異なる選手権でまったく異なる方法で運営されている」
「僕には、なぜそれらを横断して役に立てないのかが分からないね」
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