F1マシンの”サイドポンツーン”の重要性、軽視するのはピノキオ野郎？ 躍進マクラーレンの代表が主張

　F1は2022年シーズンから、グラウンド・エフェクトを重視する一新されたレギュレーションが施行された。当初は各チームが様々なデザインのマシンを走らせ、バラエティに富んでいた。しかし2023年中盤の今となっては、レッドブルのスタイルのデザインが大きな勢力となってきている。

　2022年を圧倒的強さで制したレッドブルは、今シーズンに入ってその速さに磨きをかけ、開幕10連勝。その強さから、ライバルチームはレッドブルのデザインを模倣。特にサイドポンツーンは、ダウンウォッシュ型のコンセプトを多くのチームが取り入れている。

　フェラーリやメルセデスといったこれまで別のソリューションを追求していたチームも、レッドブルに近い方向性を示しつつあることで、レッドブルスタイルのサイドポンツーンがパフォーマンス上重要なモノだと見られるのも当然のことだろう。

　しかしチーム側からは、サイドポンツーンの形状はマシンの全体的なパフォーマンスに決定的な違いを生むものではないという声も聞こえてきている。

　だがそういった主張に対し、マクラーレンのアンドレア・ステラ代表は「ピノキオの長い鼻」が生えるようなモノだと、きっぱりと否定する見解を語っている（編注：童話『ピノキオ』では、ピノキオは嘘をつくと鼻が伸びてしまう）。

　なおマクラーレンは直近のレースで大規模なアップデートを実施しており、そのサイドポンツーンはレッドブルの“インスパイア”型だと目されている。アップデートを投入した彼らは、イギリスGPでランド・ノリスが2位を獲得するなど一気にパフォーマンスを向上させた。

　ステラ代表はサイドポンツーンの重要性について、次のように語っている。

「サイドポンツーンとボディワークが現在のレギュレーションで影響を与えないというチームがあれば、ピノキオのような長い鼻があることだろう」

「シミュレーションから風洞、サーキットでの計測データのいずれにおいても、空力の専門家はその2つ（サイドポンツーンとボディワーク）が互いに連携して働いていることを理解している」

「ここはこの競技を面白くするさらなる特徴だと思う。サイドポンツーンの形状やフロアとの相互作用から、どれだけの多様性が生まれているかを見られるからだ」

「今、全てのチームが同じ方向に向かって収束していっているようだが、このプロセスは今後もますます続いていくと思う」

　ステラ代表は現行のF1マシンのパフォーマンスに対しては、フロアが非常に重要なこととは明らかなものの、サイドポンツーンを適切にデザインすることで、その効果をより高めることに繋がっていると重要性を強調している。

　彼いわく、現在のサイドポンツーンはかつてのグラウンドエフェクトカー時代の“スカート”に相当するモノだという。

　レッドブルスタイルのサイドポンツーンの利点について訊かれた際、ステラ代表は「単にダウンウォッシュが優れているわけじゃない。サイドポンツーンの”幅が広い”ことが重要なんだ」と語った。

「サイドポンツーンとフロアの相互作用は非常に上手くいっていると思う。簡単に言ってしまえば、サイドポンツーンは小規模なスカートのようなモノなんだ」

「空力的に、こうした幅広のサイドポンツーンはフロアの吸引力を助けてくれる。つまりこのコンセプトはフロアを路面に吸いつかせて、荷重を最大化したいのなら、無くてはならないものになる。そして、誰もがその方向に向かっているのは明らかなことだ」

Comments

車の使い方がブルーカラー主義で実際の儲けとか行いがピノキオではないかな。