新たにシリーズ参加ライセンス枠となるTOCA BTCCライセンス(TBL)を追加取得し、今季のBTCCイギリス・ツーリングカー選手権で4台体制に拡充するスピードワークス・モータースポーツ(SWM)が、新たなドライバーとの契約を発表。地元法人の支援を受けファクトリーチームのTOYOTA GAZOO Racing UKとして参戦する1台に、昨季の“ジャック・シアーズ・トロフィー”獲得者であるアンドリュー・ワトソンが移籍加入する。
トヨタ陣営トップチームの最初のドライバーとして紹介されたワトソンは、昨季にもパワー・マックス・レーシングよりBTCCデビューを果たすと、ヴォクスホール・アストラBTCCで開幕序盤戦から予選ポールポジションを争う鮮烈なスピードを披露。最終的にルーキーイヤーで二度の表彰台を獲得する活躍を演じた。
トヨタ陣営のスピードワークス・モータースポーツが4台体制に拡大。ジョシュ・クックがサテライトに移籍/BTCC
その戦績が認められるかたちでSWMへの移籍が決まった29歳は、英国最高峰かつ世界最古のツーリングカー選手権2年目のシーズンに向け「昨季の経験を経てチャンピオンシップにしっかりと慣れ、本格的にシーズンに臨むことができる」と意気込みを語った。
「2024年シーズンに向け、こうしてTOYOTA GAZOO Racing UKの一員としてSWMに参加できたことを光栄に思うよ。彼らは素晴らしい実績を持つBTCCのウイナーであり、僕もその記録をさらに増やしたいと思っている」と続けたワトソン。
「世界有数のメーカーと提携できることは僕にとって素晴らしい機会であり、チームや関係者全員のサポートに深く感謝している。チームを訪問して施設を探索したところ、ここは僕がこれまで一緒に仕事をしてきた組織のなかで最もプロフェッショナルな集団のひとつであることに疑いの余地がない。そして、今季一緒に何か特別なことを達成できるという大きな自信が沸いたんだ」
拡張されたラインアップの最初のドライバーとして、すでにジョシュ・クックの起用をアナウンスし、新たにサテライトチームの“LKQユーロ・カー・パーツ・ウィズ・シネティック”として2台のエントリーを発表しているSWMだが、そのイエロー/グレーの新鮮なカラースキームをまとうカローラの2台目には、同じく昨季までワン・モータースポーツ・ウィズ・スターライン・レーシング(旧BTCレーシング)でFK8型ホンダ・シビック・タイプRのステアリングを握っていたエイデン・モファットの加入が決まり、両者は異なるチームで2年連続の僚友を務めることとなった。
■新加入のふたりに大きな期待を寄せるSWM代表
「ジョシュ(・クック)と一緒にレースを続けること、そしてSWMのトヨタ・カローラGRスポーツをドライブできることに興奮している」と、移籍加入の喜びを語った27歳のモファット。
「昨季のトヨタは非常に多くの分野で競争力が高そうに見えたし、今季に向けしっかりしたプレシーズンテストの計画を立て、チームがすでに改善に取り組んでいるのを見ると、僕も最前線での戦いに戻れるという大きな自信で満たされる。この契約の実現に関わってくれた皆、そして僕を信じてくれたSWMにも多大なる感謝を捧げたい。今季に向け話題が戻ってくるのは素晴らしいことだ。 さあ、始めようか!」
これで4台中3台のドライバーを発表したSWM代表のクリスチャン・ディックも、新加入のふたりに大いなる期待を寄せる。
「アンドリューを2024年に向けチームに迎え入れるのは本当の“クーデター”だ。昨季BTCCに参加したとき、彼は広い意味で(ブランパンGTシリーズやWEC世界耐久選手権の経験など)決してモータースポーツの新人ではなかったが、前輪駆動のツーリングカーとBTCCのユニークなレーススタイルの双方に不慣れだった。しかし誰もが目撃したように、彼は最初から卓越したパフォーマンス、ペース、レースクラフトを披露して鮮烈な印象を残したんだ」とワトソンを高く評価したディック代表。
「この結果、彼がキャリアの早い段階で習得したスキルにより、あらゆる状況に非常に迅速に適応できることも確認できた。これはBTCCの予測不可能な世界における重要な特性でもある。彼は非常に熟練したレーサーであり、明らかに特別な才能を持っており、チャンピオンシップで素晴らしい結果をもたらすだろう」
「そしてエイデンもBTCCのレースウイナーとして定評があり、若さと経験が融合した稀有な存在だ。10年間のフルシーズンを戦った27歳なんて、そう多くはないよ。さらにジョシュとの以前の関係も明らかに利益となっているし、彼らがトヨタ・カローラの能力を最大限に発揮してくれると確信している」
また、同じく4台体制でヒョンデi30ファストバック Nパフォーマンスを走らせるエクセラー8は、2023年を前に活動休止を表明していたチーム・ダイナミクスと「第1段階のパートナーシップ」となる技術提携を発表。マネージングディレクターであるマット・ニールを含め、テクニカル部門の多くのメンバーが、今季よりヒョンデのプログラムに関わることになる。
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