DCTの低速応答アップグレードを中心に各部を性能向上
欧州でもオールラウンダーとして人気の745cm3並列2気筒「NC750X」が、EICMA2024にてリニューアルされた姿で2025年型として登場。
「NC750X」の特長、トルクに富み燃費の良いエンジン、幅広ハンドルバーに快適シートの組み合わせでゆったりとしたライディングポジション、フルフェイスヘルメット収納可能なコンパートメント、これらが人気の理由と考えられるが、EICMA出展2025年型ではソコはそのまま継承し、より快適な走行を目指し、細かいところを熟成変更させていた。前回の2021年の改良ではスロットル・バイ・ワイヤや電子ライディングモードの追加などがあったが、それに次ぐ改良となる。
【 画像ギャラリー 10枚】「NC750X」2025年型はDCTや足周りの改良などで、より快適に、走りやすくなっていた!【伊ミラノショー速報】……の写真を見る!
○「NC750X」2025年型、注目の変更点は……
・LEDヘッドライトの改良。
・新しい5インチTFTディスプレイの搭載━━左ハンドルバーの新しい直感的なバックライト付き4方向トグルスイッチを介して、Honda RoadSyncアプリを介してスマートフォンに接続できる。
・フロントブレーキ強化━━296mmのフローティングダブルディスクとデュアル2ピストンアキシャルマウントキャリパー化。
・ホイールは1.8kg軽量の新設計(「3by3」スポーク鋳造アルミニウム製)。
・デュアルクラッチトランスミッション(DCT)オプションの低速応答アップグレード━━A2ライセンス、35kWバージョンも利用可能。
・25YMカラーのうち2つ(カーキとブラック)の製造にカラーDurabio(植物由来のエンジニアリングポリマー)を使用━━この環境に優しい素材を使用する最初のホンダ車となった。
なお、具体的なカラーは、「アースアイビー アッシュグリーン、グラファイトブラックトリム」「アースブラック、マットベータシルバーメタリックトリム」「マットパールグレアホワイト、グラファイトブラックトリム」「ファイティングレッドとグラファイトブラックのトリム」。
○スタイリングについて
2025年型ではシャープな折り目とディテールラインを新たに備えた上下のフェアリングにより、ダイナミックでタフな新しいアイデンティティを採用。フェアリングの構造とバイクへの固定方法の見直しにより、フェアリングの取り外しと取り付けの容易さが向上し、最終的には全体的にメンテナンス性が高くなった。
高級感を高めるステッチを追加した新しいシート表皮も採用された。
○DCTについて
ホンダのDCT技術は生産開始から14年目を迎え、ヨーロッパではすでに23万台を超える搭載二輪車が販売されている。そんな中、この2025年型「NC750X」での始動/低速応答性の向上には、2024年型アフリカツインと同じクラッチ油圧推定アップデートが使用された。
目標としていたのは、停止状態からのスムーズな発進と、低速(10km/h未満) での制御。小さなスロットル開度での「迅速でありながら穏やかな」駆動力が必要とされていたためだ。新バージョンのDCTには極低速走行専用の設定も備わっている。
○「25YM NC750X DCT」主要諸元
エンジンタイプ 液冷4ストローク8バルブOHCパラレルツイン
総排気量 745cc
ボア×ストローク(mm) 77mm×80mm
圧縮比 10.7:1
最高出力 43.1kW/6,750rpm
最大トルク 69Nm/4,750rpm
定常騒音レベルdB(A) 88デシベル(A)
最高速度 170km/h
オイル容量 4.0L
スターター Eスターター
燃料供給装置 PGM-FI燃料噴射
燃料タンク容量 14.1L
クラッチタイプ 2x湿式多板クラッチ
トランスミッションタイプ 6速デュアルクラッチトランスミッション
フレームタイプ ダイヤモンド鋼管フレーム
全長×全幅×全高(mm) 2,210mm×846mm×1,330mm
ホイールベース 1,530mm
キャスター角 27度
トレイル 110mm
シート高 802mm
最低地上高 145mm
車両重量 226kg
回転半径 3m
サスペンション フロント 41mmテレスコピックフォーク 120mmストローク
サスペンション リア モノショックダンパー、プロリンクスイングアーム 120mmトラベル
ホイール フロント 17M/CX MT3.50 マルチスポーク鋳造アルミニウム
ホイール リア 17M/CX MT4.50 マルチスポーク鋳造アルミニウム
タイヤ フロント 120/70ZR17ミニッツ
タイヤ リア 160/60ZR17ミニッツ
ABSタイプ デュアルチャンネルABS
ブレーキ フロント アキシャルマウントツインピストンブレーキキャリパー、296mmフローティングダブルディスク
ブレーキ リア シングルピストンキャリパー、240mmシングルディスク
※全ての仕様は暫定的なものであり、予告なく変更される場合がある。
レポート●モーサイ編集部 写真●ホンダ
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