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インディカー第16戦ポートランド決勝/アレックス・パロウが自身2度目の栄冠。ディクソンとの一騎打ちを制し今季5勝目

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インディカー第16戦ポートランド決勝/アレックス・パロウが自身2度目の栄冠。ディクソンとの一騎打ちを制し今季5勝目

 9月3日、アメリカ・オレゴン州にあるポートランド・インターナショナル・レースウェイでNTTインディカー・シリーズ第16戦の決勝が行われ、アレックス・パロウ(チップ・ガナッシ)が5番手から逆転で優勝。

 今回の優勝によってパロウは獲得ポイントを618点に伸ばし、527点で2位のディクソンに対し1レースで獲得可能なポイント数である54点以上のリードを確定させたため、最終戦ラグナ・セカを前に自身2度目のチャンピオンシップタイトルを獲得した。

アレックス・パロウが自身2度目のタイトル獲得【順位結果】インディカー第16戦決勝ポートランド

 アメリカ北西部、オレゴン州ポートランドでのインディカーシリーズ第16戦は、秋の到来を感じさせる摂氏20度プラスという涼しいコンディション下で開催された。

 全長1.964マイルのポートランド・インターナショナル・レースウェイを110周する決勝レースは、序盤からチャンピオン争いを行うふたり、アレックス・パロウとスコット・ディクソンというチップ・ガナッシ・レーシングのドライバーたちが意地とプライドをかけた凄まじいバトルを展開する。

 今シーズン4勝を挙げて来ているパロウは、5番手からのスタートだったが、スタート直後に巧みなライン採りと的確な判断によって3番手へとポジションを上げた。

 対するディクソンは4番手からのスタートで、予選3番手のコルトン・ハータ(アンドレッティ・オートスポート)にターン1で並んだもののオーバーテイクには至らず、ターン2をスムーズに回れなかったハータに引っかかって5番手への後退を余儀なくされた。

 今季2回目のポールポジションを獲得したグラハム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン)と、昨年のポートランドウィナーで今回は予選2番手だったスコット・マクラフラン(チーム・ペンスキー)は、ソフトコンパウンドのオルタネートタイヤでスタートしたため、20周前後で最初のピットインを迎える。

 一方、ハードコンパウンドのプライマリータイヤでスタートしたパロウとディクソンは、30周以上してからピットインを行った。

 全員が1回のピットを終えてみると、プライマリータイヤで安定したラップを重ねていたパロウらが上位へ進出しており、この時点でポートランドでの優勝争いは、チャンピオンの座をかけて戦っているパロウとディクソンの一騎打ちになると判明した。

 タイトルを争うふたりは、序盤戦からプッシュ・トゥ・パスを豪快に使い、レースの主導権を握ることを目指していた。

 この時点で前に立つパロウは、ディクソンがハータの後方でペースを上げられずにいる隙に、リードを築き上げることに成功した。

 このレースに向けて勢いを持っていたのは、シリーズ第14、15戦と2連勝して来ているディクソンのはずだったが、ハードタイヤの連投というパロウと異なる作戦をもってしても差を縮めることは叶わなかった。

■一騎打ちの明暗を分けたオルタネートタイヤ

 セカンドスティントでオルタネートタイヤを使ったパロウの作戦は正解で、ディクソンはサード・スティントでオルタネートを履いた際には、さらにその差を広げられてしまった。

 また、徐々に開きだしたパロウとディクソンの間には、終盤のフルコースコーションのタイミングでピットインに成功したフェリックス・ローゼンクイスト(アロウ・マクラーレン)が割って入ることとなり、ディクソンは3位でゴールするしかなくなった。

 レース終盤のパロウは勝利を確信してリラックスしたのか、ペースをさらに上げてゴールに突き進む。そのまま5秒弱のギャップ保ったままチェッカーを受け、今シーズン5勝目を挙げた。

 最終戦を残してのタイトル獲得は、2007年のチャンプカー・シリーズに参戦していたセバスチャン・ブルデー(ニューマン・ハース・レーシング)以来だ。また、ホンダは今季16戦で、11勝目をマークした。

 4位は予選6番手だったパト・オワード(アロウ・マクラーレン)、5位はジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)が続いた。

 今季2度目のポールスタートだったレイホールは、結局序盤のに失った順位を取り戻すことは叶わず、13位まで順位を下げてのゴールとなった。

 優勝を飾りタイトル獲得を決めたパロウは、「素晴らしい週末になった。我々のマシンは本当に速かったので、勝利を目指すべきだとわかっていた。これまでのシーズンと同じようにレースを戦ってビクトリーレーンに立つことができ、大きな誇りを感じている」とチャンピオン獲得の喜びを語った。

「インディカーでチャンピオンになれるなんて考えてもいなかったので、2回目のタイトル獲得を達成できて自分でも驚いている。夢のようで、最高の気分だ。勝つために必要な道具はチームがすべて揃えてくれた。この勢いを保ち続けるべく頑張って行く」

 3位フィニッシュでシリーズランキング2位が確定したディクソンは、「カーナンバー10に関わったクルーたちを祝福する。アレックス・パロウは今日、2023年のシリーズチャンピオンとなった。自分たちは最初のピットストップまでの走りがとても良かったと思う。しかし、その後のトラフィックとの巡り合わせが悪かった」と敗因を語った。

 インディカー・シリーズは、休みなしで西海岸を南下し、カリフォルニア州モントレーのウェザーテック・レースウェイ・ラグナ・セカで2023年の最終戦を行う。

 昨年のウィナーは今季絶好調のパロウだ。新チャンピオンは同地での2年連続優勝、そしてシーズン6勝目を目指す。

 チャンピオンを決めたパロウに対し、ウィル・パワー(チーム・ペンスキー)、パト・オワード、コルトン・ハータ、アレクサンダー・ロッシ(アロウ・マクラーレン)、フェリックス・ローゼンクイストといった今季未勝利の面々や、キャリア初勝利が近いと見られるデイヴィッド・マルーカス(デイル・コイン・ウィズ・HMD)やロマン・グロージャン(アンドレッティ・オートスポート)らの見せる貪欲な戦いぶりが楽しみだ。

 また、ルーキー・オブ・ザ・イヤーをかけた戦いは、マーカス・アームストロング(チップ・ガナッシ)とアグスティン・カナピノ(フンコス・ホーリンガー・レーシング)によって繰り広げられる。

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