12.8L 6気筒ディーゼルのトレーラーヘッド
インストラクターのアリ・コルクホーン氏によるデモ走行を終えて、筆者がメルセデス・ベンツ・アクトロスのステアリングホイールを握る。だがHGV 2の免許もないため、エクスペリエンス・センター内のゾーン13と呼ばれるエリアに運転は限られた。
【画像】メルセデス・ベンツのトラック アクトロス 欧州の働くクルマも 全54枚
アクトロス・シリーズで一番小さい、総重量18tのトラックに乗り、一般的な操作系の動きを体験する。ボタンを押してエンジンを始動し、ステアリングコラムのレバーにあるスイッチをDまで回し、エア・パーキングブレーキを解除する。
アクセルペダルに触れると、トラックが発進した。トランスミッションは9速のAT。コラムから伸びるシフトレバーで、ドライバー自らもギアを選べる。変速時はワンテンポおいて、次のギアにつながる。
ステアリングホイールは巨大だが、手のひらには驚くほどの情報量が伝わる。予想していたほど、ステアリングラックのレシオはスローではない。シフトダウンしていくと、現代のスポーツモデルのように、エンジンの回転数が自動的に調整される。小気味良い。
さて、これは単なる序の口。今回の本幕はフルサイズのトレーラートラック。アクトロス 2545と呼ばれる、巨大なトレーラーヘッドを運転することが目的だ。
荷物を積むトレーラーを含めた全長は15mで、全幅は2.5m。エンジンは12.8Lの直列6気筒ディーゼルターボを搭載し、450馬力を発揮する。トランスミッションは12速ATが組まれている。
無我夢中のトレーラートラックの運転
運転席からの眺めは、今まで乗っていたアクトロスと基本的に同じ。だが筆者がステアリングホイールを操作すると、後方に伸びたトレーラーが蛇行する様子が見える。不安は隠せない。
これまで自動車の運転免許を取得してから40年、様々な乗り物を運転させてもらってきた。だが、トレーラートラックの練習になるようなクルマは、1台もなかった。自分の空間認識能力を全開にし、コーンが並んだエリアにトレーラーを進める。
トレーラーヘッドとトレーラーが逆に動くことを体験できる、テストを模したレイアウトが用意してあった。将来的には、コルクホーンのようなインストラクターが、ライセンス取得の指導をすることになるという。
果たして、トレーラートラックの運転は無我夢中だった。1つ目の課題は、トレーラーが停まっている隣の区画へ、平行にバックで侵入すること。指定された距離内で終える必要があり、コーンに触れてはいけない。
次の課題は、コーンで区画された仮想の積載エリアにバックでトレーラーを着けること。エリアの端から75cm以内に、トレーラーの後端を寄せる必要があるという。
馬用の小さなトレーラーは牽引したことがあり、トレーラーを狙った向きにバックさせるには、トレーラーヘッドを反対向きに曲げなければならないことは理解している。しかしこのトレーラーは長く、動かせるエリアも限られている。
トラックドライバーに頭が上がらない
トレーラーをトレーラーヘッドで押して導くのは、とても難しい。最初からコーンに触れてしまった。気を取り直し、再び挑戦。トレーラーは3車線ぶんをまたいで止まった。
もしHGV 1ライセンスの試験なら、1度の切り返しは認められる。だが、チャンスは1度きり。完璧にこなせるよう、練習は繰り返しておく必要がある。簡単には習得できなさそうだ。
こんな繊細な操作を、忙しなく車両が行き交う物流センターで、トラックドライバーは日々行っている。彼らへ頭が上がらない思いになった。
番外編:上級トラックの車内は快適
長距離トラックのドライバーは、自宅から遠く離れた場所で、キャビンに寝泊まりしていることがある。すべてのトラックが快適とはいえないが、今回試乗したメルセデス・ベンツ・アクトロスのトップグレード、2563LSが割り当てられる幸福なドライバーもいる。
エンジンの最高出力は624psと驚くほどではないが、最大トルクは305.2kg-mにも達する。そんなパワフルなトラックのキャビンは、トラックドライバーの家のように居心地が良い。
エアサスペンション付きのレザーシートの後ろには、豪華なベッド。その下には冷蔵庫が付いている。オートエアコンも備わり、季節に関わらずパーキングエリアでの生活を快適にしてくれる。
USB-Cポートの指定もでき、ブルートゥース接続機能とスマートフォンの無線充電も追加できるという。装備は高級サルーンに匹敵する。そのかわり、価格もお安くはないが。
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