WRC世界ラリー選手権第10戦ドイツは8月23日、デイ2のSS2~6が行われ、TOYOTA GAZOO Racing WRTのオット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)が前日に引き続き総合首位に立っている。最高峰クラスに初挑戦している勝田貴元(トヨタ・ヤリスWRC)は総合11番手で競技2日目を無事に終えた。
フルターマック(舗装路)イベントのラリー・ドイチェランドは競技2日目を迎え、ドイツ西南部のボスタルジーを中心に3本のステージを午前と午後に各1回ずつ走る計6本のSSで争われた。
前日のSS1でトップに立ったタナクは今季5勝目に向けてスタートを切るが、この日最初のステージとなったSS2ではライバルのティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)にステージ優勝を譲り、総合順位でも首位の座を明け渡してしまう。
しかし、直後のSS3で最速タイムを記録したエストニア人はすぐさま順位を取り戻すと、続くSS4でもライバルを退けてステージ優勝を飾る。その後、午後のSS5では再びヌービルがベストラップを記録するも、ここではタナクが1.6秒差で首位をキープ。SS6とSS7は再度タナクが制した。
最終的に、タナクは6SS中4つのステージを制して総合首位を堅持。だが、2番手につけるヌービルもこれに続く速さをみせ、ふたりのギャップはわずか2.8秒という接戦模様だ。
総合3番手となったのはセバスチャン・オジエ(シトロエンC3 WRC)。王者はこの日、マシンのアンダーステアに苦しめられSS3からトップ2のペースについていけず。同ステージ以後、じわじわと離されることとなり、SS7終了時点でトップから22.1秒遅れとなっている。
そんなオジエの後方ではダニ・ソルド(ヒュンダイi20クーペWRC)とクリス・ミーク(トヨタ・ヤリスWRC)が再三ポジションを争っていたが、SS7でソルドのマシンにミッショントラブルが発生。1分近くタイムを失い9番手にドロップしてしまった。
これによってミークが総合4番手となり、その2.2秒後方の5番手に僚友のヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)が続いた。6番手以下はアンドレアス・ミケルセン(ヒュンダイi20クーペWRC)、エサペッカ・ラッピ(シトロエンC3 WRC)、ガス・グリーンスミス(フォード・フィエスタWRC)というオーダーになっている。
WRCクラスに初参戦している勝田は前日と同じく11番手。TOYOTA GAZOO RacingのSNSで公開されているビデオメッセージによると、初めて挑むコースとヤリスWRCのスピードに自身のドライビングをアジャストしきれていないようだ。
なお、WRCクラスではテーム・スニネン(フォード・フィエスタWRC)がSS2で、電気系トラブルに見舞われてストップ。現場での修理が不可能だったことからデイリタイアを余儀なくされている。
24日に行われるデイ3は、サービスパークの東側から南側にかけてのエリアで4本のステージを各2回走行する。1日の後半はバウムホールダー軍事演習場内で“アリーナ・パンツァープラッテ”および、同日最長ステージとなる“パンツァープラッテ”が戦いの舞台となる。
なお、パンツァープラッテは過去数年と逆向きで行われるのが今大会の特徴だ。8本のSSの合計距離は157.92kmと4日間で最長。リエゾン(移動区間)も含めた1日の総走行距離は505.19kmだ。
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