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これまでになく刺激的 ベントレー・フライングスパー・スピード(1) 783psの優雅なリムジン

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これまでになく刺激的 ベントレー・フライングスパー・スピード(1) 783psの優雅なリムジン

小改良で783psのV8プラグインHV獲得

英国の名門、ベントレーのCEOへ就任したフランク・ステッフェン・ヴァリザー氏は、さらに過激なモデルの必要性へ言及している。ポルシェで29年間もキャリアを積んだ彼は、もっと刺激的なベントレーの提供を考えているようだ。

【画像】EVを凌駕する静寂 ベントレー・フライングスパー・スピー 競合クラスのリムジンたち 全156枚

小改良を受けた最新の3代目フライングスパーも、これまで以上に刺激的といえる。6.0L W12型エンジンは幕を閉じ、ボンネットに収まるのは4.0L V型8気筒。試乗したフラッグシップの「スピード」は、プラグイン・ハイブリッドで783psを獲得している。

従来のフライングスパーのハイブリッドは、V6で634psだったから、25%近い増強となる。殆どが優雅な移動手段として選ばれるリムジンには、過剰なパワーといえるかもしれない。電動化によって、さほど苦労なく達成されたとしても。

見た目の変化は限定的 駆動用モーターは190ps

新しいフライングスパーは、お化粧直しを受けたコンチネンタルGTのように、ブレード状のヘッドライトを得ていない。登場は2019年だが、フェイスリフト前との違いへ気付くには、直接並べなければ難しいかもしれない。

従来どおり、丸目の4灯と大きなラジエターグリルのフロントマスクや、伸びやかなシルエットに変わりはない。しかし、その内側には同社が「ウルトラパフォーマンス」と呼ぶ、新しいハイブリッド・パワートレインが隠れている。

駆動用モーターは、190psと45.8kg-mを発揮。8速デュアルクラッチATと、600psと81.4kg-mを生み出す4.0L V8ツインターボエンジンの間へ実装される。そのエンジンも従来とは別ユニットで、モノスクロール・ターボを2基採用し気筒休止機能を備えない。

バッテリーは43%増量の22.0kWh

荷室の床下に載る駆動用バッテリーは22.0kWhで、これまでのV6プラグインHVのフライングスパーから43%増量された。電気だけで走れる距離は、カタログ値で75km。これまでの2倍へ伸びている。

他方、四輪駆動で車重は実測で2570kgと、歴代のフライングスパーでは最重量となっている。そのかわり、前後の重量配分は48:52と好ましい割合に収まる。

電圧48Vで制御されるアクティブ・アンチロールバーや後輪操舵システム、圧縮・伸張時の精度を磨いたツインチャンバー・エアサスペンションも採用。スタビリティ・コントロールは書き換えられ、新しい電子制御のリミテッドスリップ・デフも組まれる。

タイヤ幅は、前が275で後ろが315となり、コンチネンタルGTと同値。試乗車のアルミホイールは22インチだった。トルクベクタリング機能はブレーキ制御によるものだ。

伝統を感じさせる優雅なインテリア

インテリアは、最近のモデルとしては珍しく、デジタル技術の主張が控えめ。伝統を感じさせる優雅な空間はスポーティでもあり、他のブランドでは真似が難しいだろう。試乗車を飾っていた、エンジンターン模様のアルミ製パネルが、高級感を引き上げる。

デザインはコンチネンタルGTと近いものの、スピードではダーク・トーンでコーディネート。人間工学的にも煮詰められ、USB-Cポートや小物入れなども充実し、長時間を快適に過ごせるはず。温度だけでなく湿度も計測する、オートエアコンが実装される。

後席側の空間は、前後長がロールス・ロイス・ゴースト並みに広いわけではないものの、比べればというレベル。4シーター仕様なら、フライングスパーの方がシートは快適だろう。複数のエアクッションで、足や背中に掛かる負担を軽減する機能も備わる。

荷室は、駆動用バッテリーが載る都合で420Lから346Lへ削られている。充電ケーブルの場所を確保すると、更に減ってしまう。

走りの印象は、ベントレー・フライングスパー・スピード(2)にて。

文:AUTOCAR JAPAN AUTOCAR JAPAN
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