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アキュラ、1-2フィニッシュでデイトナ2連覇達成。マイヤー・シャンクRの総合優勝は10年ぶり

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アキュラ、1-2フィニッシュでデイトナ2連覇達成。マイヤー・シャンクRの総合優勝は10年ぶり

 1月30日、アメリカ・フロリダ州のデイトナ・インターナショナル・スピードウェイで開催された、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権第1戦デイトナ24時間の決勝レースがフィニッシュを迎え、マイヤー・シャンク・レーシング・W/カーブ・アガジャニアンの60号車アキュラARX-05(オリバー・ジャービス/トム・ブロンクビスト/エリオ・カストロネベス/シモン・パジェノー組)が総合優勝を飾った。同チームのデイトナ制覇は2012年以来、10年ぶりだ。

 2022年も北米スポーツカーシリーズがデイトナで開幕した。このシーズンオープニングイベントには、全5クラスに合計61台ものマシンがエントリー。前週に行われた予選レースを経て迎えた決勝は現地29日(土)13時40分にスタートが切られた。

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 日中でも気温10℃以下という、この時期のデイトナビーチとしては非常に寒いコンデションのなかで始まったレースは序盤からアクシデントが相次ぎ、レース折返しまでに11回ものフルコースイエロー(FCY:IMSAの場合はセーフティカーランを指す)が出される荒れ模様の展開に。それゆえにアメリカンレースらしく全クラスで接近戦が繰り広げられ、トップカテゴリーのDPiクラスでは、スタートから12時間を迎えた段階で全7台が7秒以内にひしめく激戦となった。

 レースの折返し直前のリスタート時にトップに立ったのはJDCミラー・モータースポーツの5号車キャデラックDPi-V.Rだったが、時計の針が深夜1時40分を回った直後、カストロネベス駆る60号車アキュラがライバルから首位の座を奪い取る。しかし、リードは長く続かない。約30分後のピットインでカストロネベスから代わったオリバー・ジャービスがアウトラップでミスを犯しタイムロス。順位を下げてしまう。

 小林可夢偉の力走でレース序盤をリードした48号車キャデラックDPi-V.R(アリー・キャデラック)はスタートから12時間過ぎ、ジミー・ジョンソンのドライブ時にLMP3車両と接触し右リヤの足回りを損傷してしまう。ガレージでの修復作業後にコース復帰を果たしたが、この時点でトップとは22周の大差がついてしまった。また、同じくキャデラック陣営では、チップ・ガナッシ・レーシング(CGR)が走らせるキャデラック・レーシングの01号車が、13時間ジャストのタイミングでピット裏に姿を消した。こちらはオルタネーターのトラブルを抱え、さらに長い時間をガレージで過ごすことになっている。

 スタートから13時間を超えて迎えた12回目のリスタートでは、ふたたび5号車キャデラックがトップに立つ。これをCGRの02号車キャデラックDPi-V.Rが交わして首位に浮上すると、同車をドライブするケビン・マグヌッセンは後続を30秒引き離す快走をみせたが14時間目に1周のみ50秒ほど遅いラップがあり、5番手に後退してしまう。

■夜明けまでに優勝候補は4台に絞られた

 15時間目に入る直前、LMP3クラスのフォーティ7・モータースポーツ/デュケインD08・ニッサンが炎上するアクシデントが発生し13回目のFCYが導入される。その後も夜明けまでに2度FCYが出され、その最中で02号車キャデラックが燃料ポンプのトラブルで優勝争いからの離脱を余儀なくされた。

 スタートから17時間過ぎ、マジックアワーのデイトナをリードしたのは60号車アキュラだ。しかし、ライバルたちも簡単に独走を許したりはしない。18時間を迎える前に10号車アキュラがポジションを奪えば、60号車が相手のミスに乗じて順位を奪い返す。

 ウェーレン・エンジニアリング・レーシングの31号車キャデラックDPi-V.Rは、60号車との首位争いを制し19時間目をトップで迎えるが、30分後には直前のピットインのノーズを交換した5号車キャデラックにトップを奪われた。それもピポ・デラーニのドライブで再逆転し、20時間目のタイムシートは31号車が最上段に載っている。その後はロイック・デュバルが乗り込んだ5号車キャデラックが同門対決を制してリードを奪い、アキュラ2台とキャデラックのペアの上位4台がラスト3時間の戦いに入っていった。

 スタートから22時間、約5時間半ぶりに導入されたFCYによって各クラスの上位陣のギャップがリセットされる。DPiクラスでもこの前後で各車がピットに入り、リスタート時には10号車アキュラを先頭にしたワンパックとなる。この直後トム・ブロンクビスト駆る60号車アキュラが10号車を交わしてトップに浮上。次のルーティンピット後も首位を守ったまま最後の1時間に突入した。

 そのラストアワーでもGTD車両のストップによってFCYが出されたため、ふたたび上位陣の差が詰まる。リスタートのタイミングは残り29分。FCY中のピットストップに追加のスプラッシュを行わなかった60号車と10号車のアキュラ2台が、ちょい足しした31号車と5号車のキャデラック勢を先行するかたちで“スプリントレース”が開始される。

 首位を行くのはインディ500通算4勝を誇るカストロネベスがドライブする60号車アキュラで、これを1秒以内の差で10号車アキュラが追いかける。3番手にはデュバル駆る5号車キャデラックが順位を上げてきた。しかし、31号車キャデラックを交わしてきたデュバルのペースを持ってしてもアキュラの2台を捉えるには至らない。また、2番手テイラーもカストロネベスから徐々に遅れ始める。最後は単独でファイナルラップに入った60号車アキュラが761周目にトップチェッカーを受け、3.028秒差の2位となった10号車とともにアキュラ車によるワン・ツー・フィニッシュを飾った。
 
 3位は5号車キャデラックで、トップとのギャップは4.420秒となった。31号車キャデラックは4位でフィニッシュ。可夢偉組の48号車キャデラックは22周遅れの総合11位/DPiクラス5位となっている。

■ファイナルラップまで続いた激しいポルシェ同門対決

 LMP2クラスは最後のスティントにドラマがあった。17回目のFCY時のスプラッシュで8号車オレカ07・ギブソン(タワー・モータースポーツ)がクラストップに浮上したが、レース残り21分となったところで、優勝を争う81号車オレカ07・ギブソン(ドラゴンスピード)とル・マン・シケイン(旧バスストップ・シケイン)で接触してしまう。これにより8号車オレカが遅れ、81号車が再逆転でクラス優勝を果たした。なお、この接触に対してレースコントロールは「レーシングアクシデント」としている。

 LMP3クラスでは、レース全体を通して上位につけ、後半戦の多くの時間をリードした74号車リジェJS P320・ニッサン(ライリー・モータースポーツ)が勝利を収めた。IMSA&デイトナ初参戦となった阿部光が乗り込んだ38号車リジェJS P320・ニッサン(パフォーマンス・テック・モータースポーツ)は総合47位/クラス7位となっている。
 
 LMP2/LMP3クラスと同じくプロ・アマカテゴリーであるGTDクラスでは16号車ポルシェ911 GT3 R(ライト・モータースポーツ)がライバル勢を退けた。クラス2位は44号車アストンマーティン・バンテージGT3(マグナス・レーシング)、同3位には32号車メルセデスAMG GT3(ギルバート・コルトフ・モータースポーツ)が入り、3メーカーのマシンが表彰台を分け合った。

 新設のGTDプロクラスは最後まで手に汗握るバトルが繰り広げられた。その主役となったのは、マシュー・ジャミネ駆る9号車ポルシェ911 GT3 R(パフ・モータースポーツ)と、ローレンス・ファントールの2号車ポルシェ911 GT3 R(KCMG)だ。この2台はレース中盤以降、延々とトップ争いを繰り広げとくに22時間過ぎからはテール・トゥ・ノーズの接近戦を続けていく。

 順位が動いたのは残り4分。ファントールがターン3で勝負を仕掛け9号車ポルシェをパスすることに成功する。だが、ジャミネも譲らない。ファイナルラップのターン3で2号車に襲いかかり再逆転する。2台はそのままコースを進みル・マン・シケインへと向かう。並走状態でシケインに進入した2台のポルシェは接触し、ターン8のイン側につけた2号車がコースをカットする形となりハーフスピンを喫する。この間にチャンピオンカーである9号車ポルシェは逃げ、2台の後ろに迫っていた62号車フェラーリ488 GT3 Evo(リシ・コンペティツィオーネ)が2号車をパスしていく。その結果、優勝は9号車ポルシェ、2位にリシのフェラーリ、KCMGは3位というリザルトになっている。

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