新型コロナウイルスの影響で国内のモータースポーツが開催できない期間を利用して、スーパーGTとグランツーリスモがコラボレーション。オンラインでのバーチャルレース「SGT × GTS スペシャルレース」が開催された。記念すべき初戦は佐々木大樹(#12 NISSAN GT-R)が勝利を飾った。
今回はPlayStation4用ソフトウェア「グランツーリスモSPORT」を使用し、各ドライバーをオンラインで繋いでレースを開催。スーパーフォーミュラのバーチャルレースの時と同様に事前収録という形で行なわれ、その模様がスーパーGT公式YouTubeチャンネルで6月21日(日)19時からプレミア公開された。スーパーGTは国内最大級の人気を誇るモータースポーツということもあり、瞬間最大同時視聴者数は1万2000人を超えたほか、チャット機能でのコメントもじっくり読む暇がないほど多数の投稿が視聴者から寄せられた。
■スーパーGTバーチャルレース開催決定! 本山哲、脇阪寿一も参加し6月21日公開
通常のスーパーGTではGT500とGT300の2クラスで争われるが、今回はゲーム内に収録されている各メーカーのGr.3車両に統一されてのレースとなった。舞台は7月に開幕戦が行なわれる富士スピードウェイで、8分間の公式予選ののちに30周で決勝レースが争われた。
なお、決勝では異なる2種類のコンパウンド(ソフト、ミディアム)のタイヤを最低1周以上は装着しなければならないというルールが設けられた。
接触行為等については、実際のシリーズ同様にGTAの服部尚貴氏がレースディレクターを務め監視した。場内放送でおなじみのピエール北川アナウンサーが実況を担当し、高橋二朗氏がピットレポーターを務めるなど、本番さながらの体制でレースが行なわれた。
公式予選では、グリーンシグナルと同時に全車が一斉にコースイン。トラフィックも気になる状況の中でタイムアタックが始まった。ここで速さを見せたのがスーパーフォーミュラのバーチャルレースでも活躍した平川亮。計測1周目に1分36秒981をマークすると、最後のアタックで自身のベストタイムをさらに更新し、1分36秒888でポールポジションを獲得した。2番手には今季TEAM KUNIMITSUに移籍してフル参戦2年目を迎える牧野任祐(#100 Honda NSX)。3番手には井口卓人(#61 SUBARU WRX)がつけた。
また今回は、スーパーGTで輝かしい成績を残したレジェンドドライバーふたりも参戦。今季TGR TEAM SARDの監督を務める脇阪寿一(#39 GR Supra)は16番手、2008年のザナヴィ・ニスモ GT-Rのカラーリングで戦う本山哲(#023 NISSAN GT-R)は17番手から決勝スタートを迎えた。
ローリングスタートで始まった30周の決勝レース。ポールポジションの平川はトップでTGRコーナーを通過すると後続に対して1秒近いリードを築き順調に周回を重ねていった。一方、後方ではレジェンドのふたりがいち早く動きを見せ、本山は1周目にピットイン、脇阪も2周目にピットストップを行ない、両者ともミディアムからソフトに交換し、コース上がクリアなところでペースを上げていく作戦に出た。ところが本山は電気系(回線関係)のトラブルで7周目にレース離脱を余儀なくされ、YouTube内のチャットでも彼のリタイヤを惜しむコメントで埋め尽くされた。
トップ争いでは平川が順調にリードしていく一方で、2番手以下は接戦となった。牧野と井口が接近戦を繰り広げているところに中山友貴(#31 GR Supra)、吉本大樹(#60 LEXUS RC F)、千代勝正(#3 NISSAN GT-R)が集団で加わり、普段は別々のクラスで戦っているドライバーが入り乱れてのバトルが展開された。
その中で集団を抜け出したのが吉本。6周目に2番手に浮上すると、7周目のTGRコーナーで平川をオーバーテイクしトップに立った。ここで平川は上位陣の中で最初に動くことを選択。9周目にピットインしミディアムからソフトに交換した。なお平川はこの時に給油は行なわなかったため、2ストップ作戦を選んだのではないかと思われた。
吉本は首位を堅持したが、その背後につけた井口が10周目に入ったところで勝負に出た。井口はダンロップコーナーで吉本を抜いてトップに浮上すると、徐々にペースを上げて13周目には1.9秒のリードを築いた。
この辺りから、続々とピットストップを行なう車両が増えていったが、14周目にピットインした武藤英紀(#16 Honda NSX)は誤ってソフトからソフトタイヤに交換。ルール上ではミディアムも決勝レース中に使用しなければいけないため、もう一度ピットストップを強いられることになった。なお、武藤はスタート直後に接触行為があったとして、1秒間減速するペナルティを序盤に受けており、初のバーチャルレースは苦しい展開が続くこととなった。
16周目にはトップを走っていた井口もソフトからミディアムに交換。これで平川がトップに返り咲いたが、17周目には”予想通り”2回目のピットストップを行なうことになった。平川はここで新しいソフトタイヤを装着したのだが、給油はせずにピットアウト。計算上は最後まで走りきれないため、平川は3ストップ作戦でこのレースを戦っていたことが判明した。
これでトップに立ったのは牧野。実は彼も2ストップ作戦を選択していたのだが、ソフトタイヤで順調に周回を重ね、21周目には2番手以下との差を15秒にまで広げた。実際のレースと違いピットでのロスタイムが短いため、この15秒はかなり大きなマージンとなっていた牧野。しかし、23周目に2回目のピットインを行なった際、まさかの電気系トラブルが発生しリタイヤを余儀なくされた。ここまで完璧な展開でレースを進めてきていただけに、牧野は思わず顔をしかめながら天を仰いだ。さらに平川も同じ周に3回目のピットストップを済ませたが、14番手に後退。優勝争いからは事実上脱落することになった。
レースも残り7周となり、気がつくと日産勢が上位を独占する状況。中でも淡々とタイヤマネジメントを行なっていた佐々木が、トップに浮上していた。上位陣のドライバーがミディアムタイヤで後半スティントを戦う中、彼はミディアムからソフトにつなぐ戦略を採っており、レース終盤になっても後続を引き離す快走をみせた。
一方後方では、吉本、中山に大津弘樹(#64 Honda NSX)、菅波冬悟(Mercedes AMG)も加わっての6番手争いが展開。時には3ワイドのバトルに発展した他、接触寸前の接近戦が各コーナーで繰り広げられた。
残り3周となったところで千代の背後に井口が接近し、2番手争いが白熱した。井口はメインストレートでスリップストリームをうまく使い、29周目のTGRコーナーで2番手に浮上する。しかし千代も負けずに応戦し、ファイナルラップのTGRコーナーでアウトからオーバーテイクしポジションを奪い返すが、井口も諦めずにチャンスを伺い、コース後半の13コーナーでインに飛び込み、再び2番手に浮上した。これに対し千代も再逆転のチャンスをうかがったが、メインストレートの途中でまさかのガス欠となりスローダウンしてしまった。
結局、レース終盤は独走状態となった佐々木が、スーパーGT公式としては初めてとなるオンライン・バーチャルレースで見事優勝を飾った。リアルのレースでは2016年の最終戦以来の優勝ということで、ゴールの瞬間は満面の笑みでガッツポーズをみせた。
2位には井口が入り、スバル勢に元気をもたらす好結果を獲得。3位には大津となり、GT500クラスへのステップアップ初戦で幸先の良いスタートを切った。最後の最後でガス欠に見舞われた千代は6位でフィニッシュした。
今回、優勝した佐々木のGT-RニスモGT3は今季彼が乗る#12 カルソニックIMPUL GT-Rのカラーリングが施されていた。実は名門IMPULもここ数年勝利から遠ざかっており、最後に優勝したのは2016年の第4戦富士。およそ4年ぶりに、スーパーGTでは欠かすことができないカルソニックブルーのマシンが、バーチャルの舞台ではあるものの、表彰台の頂点を手にした。
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