新CEOはもとメルセデスAMGのトップ
text:Matt Prior(マット・プライヤー)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)
アストン マーティンDB9以来の、重要な意味を持っていたのがDB11。そのDB11以来となる重要なモデルがDBXだ。もっとも、DB9も、DB7に続く重要なモデルではあったのだが。
アストン マーティンというブランドが登場してから、1世紀が過ぎた。その後半、新しいモデルが登場するたびに、「最も重要な」という言葉が用いられてきたように思う。
資金を稼ぐために、ボディを載せ替えただけのようなクルマも中には存在したが、何台かの素晴らしいアストンが誕生してきた。2015年に発表された、セカンド・センチュリー・プランでは、モデルを一新する戦略が立てられていた。
会長でありCEOだった、アンディ・パーマーの指揮のもと発表されたプランでは、7台の主要モデルを計画。毎年1台を新モデルへ置き換えることで株式を安定化させつつ、キャッシュフローを後押しするスペシャル・モデルも盛り込まれていた。
しかし、アンディ・パーマーが重要なマイルストーンと呼んだプランは、徐々に重荷へと変化していったようだ。アストン マーティンでなくても、誰もが現代を予見することは難しかっただろう。
中国市場では、販売が急速に低迷。世界的なコロナウイルスの流行も手強い。DBSスーパーレッジェーラとヴァンテージ、DB11は、デザインの差別化で弱いようだ。新しい投資家も、必要となっている状況といえる。
最も重要な位置づけとなるDBX
立て直しが迫られる中で、アンディ・パーマーは退任。8月1日、もとメルセデスAMGのボス、トビアス・ムアースがCEOの立場を引き継ぐことになった。彼はアストン マーティンのゲイドン本社を、まったく知らないわけではない人物だ。
今回試乗するのは、今のアストン マーティンで最も重要なDBX。ドイツ人のリーダーシップの中で、いよいよ英国の一般道を走る。だが、間違いなくアンディ・パーマー時代のモデルだといえる。
アストン マーティン規模の自動車メーカーにとって、相当に大胆な挑戦で生まれたクルマであることは間違いない。新しいセグメントへの、新モデル。プラットフォームも新しく、工場も新しい、初の7シーターSUVだ。
搭載するエンジンは、新しいボスゆかりのメルセデスAMG由来となる、4.0L V8ツインターボ・ガソリン。最高出力は549psを発揮する。ハイブリッド化したV6エンジンも、開発中となっている。
V8エンジンは、アストン マーティン製の新プラットフォームのフロントに収まる。搭載位置は、ボンネットの後方下側に、可能な限り寄せてある。その結果、前後の重量配分は54:46と良好だ。
基本的には後輪のみを駆動するが、滑りやすい条件では四輪駆動へ切り替わる。トランスミッションは、9速ATとなる。
DBXは写真で見るよりボディが大きい。全長は5039mmもあり、レンジローバーより40mmも長い。全幅はほぼ同値の1998mm。そのかわり全高は1869mmに対し1680mmと、頭一つ低い。
ブランドの過去にないほど複雑なモデル
ちなみにランボルギーニ・ウルスやベントレー・ベンテイガは、DBXよりさらに90mm長い。特に50mm全高の高いベンテイガは、DBXより大きく見える。おそらくDBXのボディは、エッジが丸いからだろう。角の落とされたポルシェ928と同様に。
ホイールベースは3060mmで、ウルスやベンテイガより長い。ホイールは、デザインが選べるものの、22インチの一択。タイヤはラジアルのほかに、オールシーズンかスタッドレスを選べる。サイズはフロントが285/40で、リアが325/35。かなりレーシーだ。
英国での価格は15万8000ポンド(2133万円)。ベンテイガのベースグレードより高く、ウルスと並ぶ金額となる。
初のSUVということで、アストン マーティンは多彩な技術を投入している。車高を変えられるエアサスペンションに、アダプティブ・ダンパーと電圧48Vのアクティブ・アンチロールバー・システムも備わる。この手のクルマには、最近はなくてはならない装備となりつつあるが。
電子制御される四輪駆動も搭載。フロントエンジン・リアドライブのクーペ・モデルを専門としてきたアストン マーティンとしては、過去にないほど複雑なモデルだといえる。路面状態やドライバーに関わらず、優れた走行性能を叶えるためだ。
キャビンに取り付けられる4枚の重たいドアは、フレームレス。車内には、巨大な面積のレザーが用いられている。ドライバーズシートへ身体を滑らせる。アストン マーティンでは、最も乗り降りがしやすい。
この続きは後編にて。
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