今週末には、モンツァ・サーキットを舞台にF1イタリアGPが開催される。このモンツァは今季のF1開催に向けて路面の再舗装と縁石の変更など、サーキットに多くの変更が施されたが、F1ドライバーたちはこれを歓迎していないようだ。
今回の変更のうち、特に注目を集めているのは路面の再舗装であろう。しかし縁石にも大きく変更が加えられ、一部は形状が変わり、それ以外は1から新設された。
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まだこの新レイアウトをF1マシンは走っていないが、RBのダニエル・リカルドは、木曜日に確認した新しいモンツァについて、次のように語った。
「縁石が変わったね。今朝コースを1周したんだけど、あまり感心したとは言えない。サーキットの特徴が失われてしまったように思える部分もあるからだ」
そうリカルドは語った。
「もちろん、皆さんは僕よりも長くF1を取材しているし、ドライバーとしてそう思うだけかもしれない。そして僕らはドライバーとして、F1マシンをドライブして縁石を経験している。だから、僕らドライバーには分かるけど、他の人たちに理解できるかどうか分からない」
「でも縁石とかそういうものは、サーキットのキャラクターを作っていると思う。ふたつめのシケイン、つまりターン5の縁石も平らになった。ここでは縁石を乗り越えると、その外に薄いコンクリートの帯があり、その後にグラベルがあるという感じだった」
「以前はいつも、その狭いコンクリートの帯の上にタイヤを載せて、コース幅いっぱいまで使っていた。でもやりすぎないようにね」
「路面もかなりバンピーだったんだけど、今はもうそんなことはない。まだドライブしていないけど、舗装はやり直されてとても綺麗になった。アスファルトは良いと思うよ。でも、縁石にはちょっとがっかりだ」
■アスカリシケインはもっと速く?
リカルドは、アスカリ・シケインに加えられた縁石の変更には、特に満足していないようだ。
「今はかなり全開で抜けていくコーナーだ。最終的にはおそらくもっと縁石を使えるようになるから、ターン9やターン10はもっと楽に全開にできるようになるはずだ」
そうリカルドは説明する。
「ネガティブなことは言いたくない。この方が全開で走ることができるし、スリップストリームの効果も大きくなるはずだ。だから、前のマシンに接近して走ることができるようになるかもしれない。でも分からない。彼らはまだ、縁石とそれがサーキットに及ぼす影響、フィーリング、特徴、アプローチに及ぼす影響なんかを過小評価していると思う」
「様子を見てみよう。ここでドライブするのは楽しいけど、あの”昔ながらの”感じが、少し失われてしまったように感じる」
「今は近代的なサーキットをたくさん走っている。それは楽しいし、素晴らしい。でも、古いスタイルのサーキットを維持するなら、それはそのままにしておくべきだ。そこが少し心配しているところだ」
「僕らが決定権を持っている必要はない。でも、少なくともフィードバックはさせてほしい。そうすれば、彼ら(サーキット)の予算が節約できる。縁石を変える必要はなかったんだからね」
「もっとコスト効率の良い解決策があるかもしれない。まだ少し分からないこともあるからね。結局のところ、僕らがドライブしているんだ。繰り返しになるが、最終決定権はないかもしれないけど、僕らの意見を聞いてほしい」
■角田らリカルド以外のドライバーも懸念
リカルドのチームメイトである角田裕毅も、彼の意見に同意した。しかし、レースにとって有益な変更だったかどうかは、意見が異なるようだ。
「もっとスムーズで平坦なコースになり、平らな縁石になりました。だから、モンツァの特徴が少し失われたように感じます。それには、良い意味も悪い意味もあると思います」
そう角田は言う。
「アスカリで、縁石の最初の部分はアグレッシブに使えると思います。でも、他のマシンほどダウンフォースがなく、ラインを妥協しなければいけない一部のマシンは同じようには使えません。このコースでどうなるかは分からないですが、様子を見てみましょう」
ハースのケビン・マグヌッセンも、改修されたモンツァに懸念を感じている。
「僕はこのコースが大好きだ。本当にF1でレースをしているように感じられるコースのひとつだ。新しいコースも素晴らしいが、新鮮に感じる。まるで新しいF1みたいだ。ここは、少し昔に戻ったような気分になるんだ。それが気に入っている」
「とても楽しいサーキットで、レースもとても楽しい。(改修されても)モンツァがまだ以前のモンツァのような感じであることを願っている。時々、コースに微妙な変更が加えられて、その特徴が失われることがあるんだ」
■実際に走るまでは判断を保留
一方でメルセデスのルイス・ハミルトンは、実際にコースを走るまでは、判断を保留したいと語った。
「実際に運転してみるまで、判断したくないね。もしかしたら、コースに出てこれまでで一番素晴らしいモノ、最大の変化を感じるかもしれない。それを自分で撃ち壊したくないんだ」
「僕らは以前からこのコースが大好きだ。多くの場所がすごくバンピーで、それがこのコースの特徴の大きな部分を占めていた。縁石も、20年以上ほとんど変わっていなかった。今回は大きな変化が加えられたけど、結局は同じコースだ」
「明日まで分からない。見た目よりずっとスムーズになり、かなり速くなるはずだ」
金曜日の2回のフリー走行を終えれば、変更の影響が判断できるだろうと、ウイリアムズのアレクサンダー・アルボンは語る。
「実際に見てきたけど、少し特徴が失われたように感じる。新設された縁石のいくつかは少し一般的なモノになったように感じる。全体的に、モンツァは特別なスタイルのコースだと思う」
「ずっとバンピーだったが、それは悪いことではなかった。そして縁石は独特だった。どうなるか見てみよう。FP1やFP2では、縁石を色々と試すことになるだろうと思う。それが使えるのか、そしてそれをどれだけ使えるのか……それは大きく疑問符がつくけど、見てみよう」
アストンマーティンはそもそも、FP1でリザーブドライバーのフェリペ・ドルゴビッチを起用する予定だった。しかしサーキットの変更が大きいことが分かると、チームはこれを撤回。通常通りフェルナンド・アロンソとランス・ストロールのレギュラードライバーふたりを走らせることを決めた。
「元々モンツァでは、FP1をフェリペに任せるつもりだった」
そうアロンソは語った。
「その後、再舗装の影響が思っていたよりも大きいことが分かった。縁石が予想と違っていたから、チームは計画を変更したんだ。メキシコでは、それ(ドルゴビッチのFP1走行)が実行されることになると思う」
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