2023年のF1最終戦アブダビGPで、アルファタウリの角田裕毅が予選6番手となった。ウイリアムズからコンストラクターズランキング7位を奪い取る上で、そして長くチームを率いてきたフランツ・トスト代表の退任の花道を飾る上でも、素晴らしいアタックだったと言えよう。
日本人ドライバーがF1の予選トップ6に入ったのは、2012年日本GP以来、実に11年ぶりとなる。
■角田裕毅、予選自己最高6番手! 決勝にもその勢いを維持できるか?「セッションごとにマシンが乗りやすくなった。楽しい予選!」
この2012年の日本GPは、小林可夢偉がザウバーC31を駆り、予選で4番手、決勝レースでは3位表彰台を獲得したあのレースだ。
この小林は、F1キャリア通算で3度予選トップ3を記録しているが、その全てがこの2012年に集中している。その中でも特筆すべきは、ベルギーGPでの予選2番手である。決勝レースは、スタート直後に他車に追突されたことで、好結果に繋げることはできなかったが、それでもこの予選2番手という記録は、日本人ドライバーにおけるF1予選での最高成績タイ記録である。
この予選2番手を記録したもうひとりのドライバーは、佐藤琢磨である。佐藤琢磨はBARホンダ006に乗っていた2004年に大活躍。ニュルブルクリンクで行なわれたヨーロッパGPでは、フェラーリのミハエル・シューマッハーに次ぐ2番手に並び、決勝レースをフロントロウからスタートした。長いF1の歴史の中で、日本人ドライバーが初めてフロントロウに並んだレースであった。
この年の佐藤は、強力なマシンを手にしたこともあって、予選でも決勝でも上位の常連となり、このシーズン中8回も予選トップ6入りを果たしている。また翌2005年は獲得ポイントこそ1ポイントに終わったものの予選では速さを見せ、5回にわたってトップ6入りを果たしている。
なお日本人ドライバーとして初の予選トップ6となったのは、日本人初のF1フル参戦ドライバーである中嶋悟で、ロータス100Tを走らせていた1988年メキシコGPで6番手に入っている。なお同年の日本GPでも、予選6番手となった。
この他、鈴木亜久里がフットワークFA14に乗っていた1993年のベルギーGPで予選6番手となった。真横の5番グリッドに並んでいたのは、マクラーレンMP4/8のアイルトン・セナだった。
その翌年となる1994年には、ティレル022を手にした片山右京が、当時の日本人予選最高位を更新する予選5番手をドイツGPで達成。その後ハンガリーGPでも5番手、ポルトガルGPでは6番手となった。また中嶋悟の息子である中嶋一貴も、2009年のイギリスGPで予選5番手となっている。
2023年アブダビGPの角田まで、日本人ドライバーが予選トップ6入りを果たしたのは合計24回。そして2004年アメリカGPでは佐藤琢磨が、そして2012年日本GPでは小林可夢偉が、トップ6グリッドから決勝レースで表彰台にまでたどり着いた。
さて角田は、決勝レースを何位でフィニッシュできるのか?
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