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F1スペインGP木曜会見(3):ベッテル、“自信が持てない”発言の真意は「グリップが足りていないということ」

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F1スペインGP木曜会見(3):ベッテル、“自信が持てない”発言の真意は「グリップが足りていないということ」

 2020年F1第6戦スペインGPの木曜日の会見では、フェラーリのセバスチャン・ベッテルも多くの質問を受けた。それは、シルバーストンでの2戦がベッテルにとって不本意な結果に終わってしまったからだ。

 イギリスGPでは、チームメートのシャルル・ルクレールが3位表彰台を獲得したのに対して、ベッテルはブレーキペダルに不具合がたびたび発生して、予選・レースともに10位。続く70周年記念GPではレース中にピットストップ戦略の件で、チーム側を公然と批判。まさかの12位に終わった。

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 イギリスGPのレース後には、パルクフェルメに帰ってくる間、チーム代表のマティア・ビノットから「苦しい状況のなか、よくやった」と声をかけられるも、ベッテルはしばらく返答しなかった。そのため、担当のレースエンジニアから「無線チェック、無線チェック」と聞こえているのかを確認され、ようやく「無線は聞こえている。今日は本当に大変だった。予選と同じように、レースでも自信をもってマシンを走らせることができなかった。いろいろ試したけど、ダメだったよ」と答えた。

 それが70周年記念GPの後は、担当のレースエンジニアにさえ、いっさい返事をしなかった。

 そのため、木曜日の会見では、チーム内で孤立しているのではないかという質問が飛んだ。

「レース中やレース直後というのは、気持ちが高ぶっているから、無線での発言や直後の行動だけを見て判断するのはフェアではないと思う。レース後、僕たちは戦略について話し合い、問題は解決している。確かにシルバーストンでの2戦は僕にとって厳しい結果だったが、いまは気持ちを切り替え、リラックスしてスペインGPに臨もうとしている」

 今週フェラーリはベッテルのシャシーを新しくする。

「小さなクラックがあることが発見されたんだ。でも、シャシーを新しくしたからといって、すぐにパフォーマンスが改善されるかどうかはわからない」

 なぜ、ベッテルは自分のマシンに自信が持てないのだろうか。

「マシンにたくさんのセンサーが搭載されていて、それらのセンサーによって得たデータを読み解くことで、マシンを正しい方向にセットアップしていく。でも、ときどき思い通りの答えが得られないことがあるんだ」

 ただし、フェラーリから不当な扱いを受けているとは思っていないとも語った。

「まだ4戦しかしていないから……1戦はスタート直後にリタイアしたからね(笑)。たしかに僕は『自信(confidence)が持てない』と言ったけど、それはコーナーでグリップが足りないということ。『快適(comfortable)じゃない』という意味ではない。だからまだこのマシンを評価するのは早い」

 ベッテルは今シーズン限りでフェラーリとの契約が切れ、契約が更新されないことが決定している。ルクレールと対等の扱いを最後まで受けられるのだろうか。

「そう思っていなければ、そう言うよ。ただ、僕はこういうことには関わりたくない。僕はただ自分の仕事をするだけだ」

 今週末に行われるスペインGPは、レベルは違うものの、ダウンフォースを比較的つけて走る空力パケージとなる。そういう意味では第3戦ハンガリーGPと似た仕様となる。今年のハンガリーGPでのベッテルの成績は予選は5番手、レースも6位と、いずれも今シーズンの自己最高位を記録している。果たして、スペインGPでベッテルは復調のきっかけをつかめるのか。

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