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レトロな三輪EV 英モーガン「XP-1」コンセプト公開 量産化に向け試験中

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レトロな三輪EV 英モーガン「XP-1」コンセプト公開 量産化に向け試験中

「スーパー3」のEV版 車重700kg以下

英国の自動車メーカーであるモーガンは、バッテリー駆動の三輪車コンセプト「XP-1」を発表した。EVの開発・製造におけるノウハウの蓄積を目的としたもので、車重700kg以下、航続距離240kmを実現しているという。

【画像】クラシカルなデザインが特徴の英モーガン、電動車導入へ【モーガンXP-1コンセプトとベースのスーパー3を写真で比較】 全33枚

XP-1コンセプトのベースとなっているのは、2022年に発表されたスーパー3で、ボディとアルミニウム製モノコックシャシーを流用しつつ、フォード製ガソリンエンジンを電動パワートレインに置き換えた。

このパワートレインは、モーガンのマット・ホールCTO(最高技術責任者)の監督の下、社内で設計・製造されたものだ。同氏によると、XP-1は現在の形で量産化されることはないが、市場投入に向けた厳しいテストと検査を受けているという。今のところ、コンポーネントとサソフトウェアの開発支援が主な目的とされる。

モーガンは2016年にも「EV3」と呼ばれる三輪EVコンセプトを披露したが、パワートレイン供給体制の問題から量産化は断念された。その後、2021年にホール氏がCTOに就任し、新体制の下で電動車開発に再挑戦してきた。

航続距離約240km 空力性能も改善

新開発のXP-1では、コンパクトな電気モーター(最高出力136ps)をシャシー中央のトンネルに搭載している。駆動力はプラネタリーギアを介し、ベルトではなくチェーンで1本の後輪に送られる。

英国のゼロEV社が製造する33kWh容量のバッテリーはボンネットの下、通常はエンジンがある位置に搭載される。インバーターは助手席の下に設置される。1回の充電での航続距離は約240kmで、車両重量はベースのガソリン車より60kgほど重いが、700kg以下に抑えられている。

ホール氏は、慎重な部品選択によって重量を抑えられたことに「非常に満足している」と語った。パワートレイン全体のサウンドは「明らかに電気的」なものだが、音質は「チューニング」されているという。

XP-1の基本構造は標準のスーパー3と同様だが、開発チームが重量と重量配分の変化に応じてさまざまなセッティングを試しているため、アジャスタブルダンパーが装備されている。

CFD(数値流体力学)による空力開発により、空気抵抗係数は従来のCd値0.65から0.42へと大幅に改善された。主にホイールデザインとリアアンダーボディが改良されているという。ホール氏は、この空力開発だけで航続距離を15~30km程度伸ばすことができたと推定している。

全体的なスタイリングはスーパー3によく似ているが、ホイール形状が異なるほか、排気口やフィラーキャップがなく、充電ソケット用のノーズマウントが新設されている。「その気になれば、トースターを繋ぐこともできますよ」とホール氏は言う。

シンプルなインテリア 果たして価格は?

ボンネット前縁部の4か所の通気口には、合計100個のLEDが内蔵され、充電中に点灯してバッテリー残量(SOC)を表示する。

インテリアとしては、新しいインフォテインメント・スクリーンが装備されている。これはガソリン車よりも表示情報が少なく済むことと、ゼンハイザー製サウンドシステムを実験的に搭載しているためだ。このサウンドシステムは、シャシーに取り付けたアクチュエーターから音を出し、車両そのものを「サウンドボックス」に変えるというもの。

モーガンのマーケティング責任者であるトビー・ブライス氏は、EV版スーパー3の発売は「2年、3年、4年計画には含まれていない」としたが、EVに対する需要が急速に高まる可能性から、計画は変更されるかもしれないと認めた。

価格については明言されておらず、ホール氏も部品表を「正確に把握する」のは難しいとしたものの、「スーパー3より少し上」の価格で販売できるだろうと語った。

モーガン最高技術責任者マット・ホール氏に独占インタビュー

――XP-1は、最終的な市販モデルとどの程度近いですか?

「あまり違いはないでしょう。わたし達はまだ多くのコンポーネントを実験中で、しばらく続けていくつもりですが、このクルマの試験段階を完了させるために1年のタイムテーブルを設定し、やり遂げました」

――空力研究によって大きな改良が加えられましたね。それはベースのガソリン車にも反映されるのでしょうか?

「一部は可能です。XP-1のエアロダイナミクスにつながる7つのイテレーションを試しました。この結果にはかなり満足しています」

――ハンドリングにはどのような変更を加えていますか?

「主にチューニング作業です。リアタイヤのタイプと空気圧を試しているところです。ナイトロン社のアジャスタブルダンパーを装着し、スプリングレートを変更しました。目的は、ターンインをシャープにして重量増に対応すること。ギアチェンジがなくても、ドライバーにクルマの魅力を感じてもらいたいんです」

――XP-1には走行モードが用意されていますね?

「はい。4種類あって、唐辛子のマークで表示されています。モードスイッチで、クルマの “辛さ” を決めるんですよ」

――モーガンらしいドライビング特性はどの程度あるのですか?

「たくさんあります。このような完全なプロトタイプを作った理由の1つです。主要コンポーネントを慎重に選び、キャリブレーションのほとんどを独自に行うのもそのためです。他者の制約を受けたくないのです」

――XP-1のドライビングはどのような感じでしょうか?

「最高ですよ。簡単で楽しい。低速域のパワーデリバリーのおかげで、ガソリン車よりもややクイックです。それがXP-1独自のキャラクターを生み出しています」

文:AUTOCAR JAPAN AUTOCAR JAPAN
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みんなのコメント

1件
  • kra********
    コンセプトモデル、各社競い合うように「どうだ」と画期的なモノ造ったところで、市販化もされず実用化できないものでは意味ない・・・
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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